今月の本の話題Science Fiction

2018.05.30

第二の巨大ロボット現る。シルヴァン・ヌーヴェル/佐田千織訳『巨神覚醒』(創元SF文庫)、6月21日刊行!

こんにちは、編集部SF班の(兄)です。

6000年前に異星人が地球に残していった、人型巨大ロボットの全パーツを発掘して組み立てる――
2017年に刊行され、荒唐無稽で魅力的な設定をリアルに描いて大反響をいただいた巨大ロボット・プロジェクトSF『巨神計画』。本年の星雲賞長編部門候補にもなりましたが(結果発表は7月21日)、待望の続編『巨神覚醒』が、ついに6月21日刊行です。

巨神覚醒 上巨神覚醒 下

【『巨神覚醒』あらすじ】
巨大ロボット・テーミスを中核とした国連地球防衛隊の創設から9年。ついに恐れていた事態が訪れた――未知の巨大ロボットが突如、ロンドン中心部に現れたのだ! だがその男性型ロボットは人類の呼びかけにも答えず、ただ不気味にたたずむのみ。恐怖に駆られた人類の強硬策は、かえって空前の大惨事を招く。彼らの意図は? 人智を超えた圧倒的存在に対し、人類の生き残りを賭けた戦いが始まる……。『巨神計画』待望の第二部登場!

発掘計画の進展とそれがもたらす事態をじっくりと描きこみ、後半でギアを上げていった前作『巨神計画』とは対照的に、『巨神覚醒』は突如として二体目の巨大ロボットが登場する序盤からラストまで、スペクタクルな急展開の連続。物語のスケールはさらにケタが上がります(犠牲者数も)。人類はまたたく間に滅亡の淵に立たされますが、しかし異星人の目的が人類を滅ぼすことだとすれば、そもそも彼らは何のために地球に巨大ロボットを残していったのか? 大いなる謎を前に、しかしタイムリミットは刻々と迫り……。

 また、インタビューや報告書、会話録音のみで物語を進める、スピーディかつ余白をたっぷりと残す巧みな構成・文体も健在。前作ラストで現われた“あの人”はどうなったのか? 影響力を駆使してプロジェクトを進めてきた謎の人物“インタビュアー”の正体とは? そうした気になる伏線のあれこれについても、予想をいい意味で裏切ってくれる物語になっています。

あらゆる面でパワーアップした巨大ロボットSF『巨神覚醒』、ぜひお楽しみに。

●関連リンク:
渡邊利道/シルヴァン・ヌーヴェル『巨神計画』(佐田千織 訳)解説(全文)






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