日曜の午後はミステリ作家とお茶を
みなさまこんにちは。ラムネとフェレットをこよなく愛する東京創元社Sです。今回ご紹介するのは5月11日ごろ発売の連作ミステリ短編集『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』です。

この作品、まず主人公の職業がめずらしい! 主人公のレオポルド・ロングシャンクス、通称シャンクスはなんとミステリ作家なのです。そして結婚20年あまりになる妻のコーラはロマンス作家。このふたりの日常と謎解きを描いている……どうですか気になりませんか!?

「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」ミステリ作家のシャンクスは、つねづねこういったセリフを言っています。しかし実際は、彼は妻のコーラと一緒にいくつもの謎や事件に遭遇する羽目になり、そのたびに推理を披露して見事解決に導いているのです!

この『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』の著者、ロバート・ロプレスティ氏は兼業作家です。図書館に勤務するかたわら主に短編を執筆し、《アルフレッド・ヒッチコックス・ミステリ・マガジン》などに60を超える作品が掲載されてきたベテランです。彼の代表作である本書は、ミステリ作家シャンクスの名推理をたっぷり味わえる連作短編集です。

シャンクスの活躍はさまざま。取材を受けているときに犯罪の発生を見抜いたり、『マルタの鷹』初版本盗難事件に挑んだり、誘拐された馬(!?)を探したり、講演を依頼された大学の図書館で殺人事件に巻き込まれたり……。フェアプレイの本格ミステリや、殺人の起きない〈日常の謎〉、ささいな会話だけで事件の真相を見抜く安楽探偵椅子ものまで、ヴァラエティに富んだ14編が収められています。

シャンクスによる謎解きのほか、本書のもうひとつの魅力……それは小説家の日常をユーモアと皮肉たっぷりに描いた、すばらしいお仕事小説であることです! シャンクスは実際の事件で知ったことを創作に取り入れたり、逆に創作のために得た知識が事件解決に役立ったことも。警官の言葉遣いの間違いが気になって仕方がないという職業病がでたり、ミステリ小説界の裏側が語られるお話も……。本好きの方にはたまらない要素がちりばめられています。

実はこの作品、翻訳者の高山真由美先生が「持ち込み」(翻訳者が見つけた原書を出版社に紹介し、邦訳出版を持ち掛けること)をしてくださって、出版が決まった本なのです。《アルフレッド・ヒッチコックス・ミステリ・マガジン》に掲載されたこのシリーズの短編を読み、「日本の読者に紹介したい!」と思われたそうです。持ち込みの詳細と本書が出来上がるまでの経緯は訳者あとがきに詳しく書かれていますが、高山先生は《アルフレッド・ヒッチコックス・ミステリ・マガジン》《エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン》などをしっかりチェックしておもしろいミステリ短編を探していらっしゃる方なのです。書評家の大矢博子先生も、解説で「いやもう、翻訳者の慧眼には恐れ入る。よくぞ見つけ出してくれた」と絶賛してくださっています。まさにそのとおりだと思います!!

『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』は5月11日ごろ発売です。14編の連作短編と著者によるまえがき、あとがき、そして訳者あとがきと解説もついた超お得な作品です!!(もちろん電子書籍版にもつきますよー)楽しいミステリ短編が読みたいな~と思った方、お気軽に手に取ってみてください!

(東京創元社S)

(2018年5月9日)



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