今月の本の話題

2018.03.14

〈オーリエラントの魔道師〉の著者が創造するもうひとつの異世界『闇の虹水晶』乾石智子

ペインスケール
「おまえのその力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう。」それが創石師ナイトゥルにかけられた呪いだった。

 アルビル族の若者ナイトゥル。見目良い容姿、族長の血筋、疑うことを知らぬ無垢な心、大地から祝福を受け、心に水晶の鉱脈を持つ創石師。
 ナイトゥルの婚約の宴の晩に、それは起こった。三日三晩続く宴の最後の晩、突然門が破られ、オーシィン率いる下タフ族が攻め込んできたのだ。アルヴィル族の男たちは酔いつぶれ抵抗も出来ず殺されていった。一族、家族のすべてを殺され、婚約者も殺され、ナイトゥルが生き残ったのは、彼が創石師だったから。

 故国を滅ぼし家族や許嫁を皆殺しにした憎い敵オーシィンに、ひとり仕えることになったナイトゥル。憎しみすら失い、生きる気力をなくしていた彼は、求められるままに自らの命を削り、他人の心や感情、病を取り出して石にする創石師の仕事をしていた。そんな彼を見守り、叱咤してくれるのは、命の恩人でもある荒地の民の少女ドリュティオナだった。
 ある日、怪我人の傷から取り出した黒い水晶が、彼に不思議な幻を見せる。見知らぬ風景、見知らぬ人々、赤地に金獅子の旗が翻り、空には有翼獅子が……。

〈オーリエラントの魔道師〉シリーズで人気の著者が描く、壮大な異世界ファンタジー。

*実は、この有翼獅子がとても可愛いのです。雛のときはこんな感じ。

子グリフォリス.jpg 育つとかなり攻撃力はありますが、一匹飼ってみたくなりませんか?

(2018年3月14日)



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