そしてミランダを殺す
みなさまこんにちは。フェレットとラムネをこよなく愛する翻訳ミステリ班のSです。今回は2月23日ごろ発売のピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』をご紹介いたします!

まずはあらすじを……。

実業家のテッドは空港のバーで見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻ミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し協力を申し出る。だが殺人計画が具体化され決行日が近づいたとき、予想外の事件が……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防を描く傑作ミステリ!

この『そしてミランダを殺す』は、キャロル・オコンネル〈キャシー・マロリー〉シリーズやダフネ・デュ・モーリアの短編集の翻訳をされている務台夏子先生が、「訳したいです!」と持ち込みしてくださった作品です。務台先生が本の概要を詳しく書いてくださり、それを読んで「めちゃめちゃ面白そうですね!」と大興奮しました。また、直接お会いしたときに魅力をたっぷり語ってくださいまして、わたしもこの作品はぜひたくさんの方に読んでいただきたいと思い、出版へ繋げました。翻訳作業、編集作業ののち、ようやく刊行の運びとなり、担当編集者のわたしも「もうすぐ刊行!」とわくわくしております。

本書は男女4人のモノローグで進む殺人計画を描いており、「この展開、予想できるはずがない!」という帯のキャッチコピー(という名のわたしの心の叫び)どおりの予測不可能なサスペンスです。

とにかく視点の切り替えが見事!! 視点人物が変わると同時にあらたな衝撃が生まれ、さらにある場面を別の人物の視点から描き直したシーンもあり、「そういうことだったのかー!」とうならされることも。翻訳された務台先生もこのようにおっしゃっています。

「すっかり作者の術策にはまった感じがした。まさか〇〇〇が〇〇〇〇とは、ふつうは想像しないだろう」

伏字が多くてすみません。でもネタバレなので!! この作品全体で、著者がさまざまなたくらみを仕掛けています。ああもう、早く読んでもらいたい!

また、この作品のもうひとつの魅力が、とにかく心理描写がすごい点です。特に「殺人に対してためらいを覚えない」キャラクターがすごい! 本書の原題The Kind Worth Killingは、《殺されて当然の者たち》という意味なのですが、これは登場人物のセリフが由来になっています。この世には殺されて当然の者たちがいる、殺人は悪とは限らない……。このような思想を持った人物が説得力のある存在としてしっかり描かれています。

さて、たくらみに満ちた殺人計画の行方は? 本当に目が離せない、必読の一冊です! 『そしてミランダを殺す』は2月23日ごろ発売です。どうぞお楽しみに!

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英国推理作家協会賞最終候補作
英米韓で累計48万部&33か国で翻訳&映画化決定!

「著者は血も凍るような悪を徹底的に描いている。予想外のクライマックスだ」――〈パブリッシャーズ・ウィークリー〉書評より

「(著者は)自分なりのスタイルで犯罪小説というジャンルをまるごと前に進めようとする逞しさがある」――三橋曉(解説より)


(2018年2月13日)



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