今月の本の話題

2017.11.14

このホテルは、謎と秘密でおもてなし。ケイト・ミルフォード『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』

このホテルは、謎と秘密でおもてなし。
12歳の少年が、5人の奇妙な宿泊客の秘密に挑む心あたたまるミステリ!

みなさま今日は。今回は11月22日ごろ発売のケイト・ミルフォード『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』をご紹介いたします! 本書の舞台は、魅力たっぷりのホテル! あたたかな火が燃えている暖炉の前で、ホットチョコレートを読みながらのんびりページをめくりたい。そう思わせてくれる本です。……まあ、我が家に暖炉はないんですけど。

本書の主人公は12歳のマイロ。彼の両親は、架空の街ナグスピークで、客室12部屋だけの小さなホテル〈グリーングラス・ハウス〉を営んでいます。「緑色のガラスの家」という意味の名前だけあって、綺麗なステンドグラスが目玉の築200年になるお屋敷です。

ある冬の日、5人の奇妙な客がホテルに現れます。派手な靴下をはいた男、青髪の女性……。一癖もふた癖もありそうな彼らは、なぜか全員がホテルに滞在予定日数を告げず、他の客がいることに非常に驚いていました。雪に閉ざされた時期にホテルに来た理由とは? 不審に思ったマイロは、お客の誰かが落としたと思しき、古い紙に描かれた海図を手がかりに彼らの目的を探ることにします。しかし客たちの謎と巻き起こる数々の事件は、なんとホテルに隠されたとんでもない秘密に繋がっていたのです!

港と丘の上のホテルを結ぶ、遊園地の乗り物のようなケーブルカー。ホテルを包み込む雪景色。両親の思い出と宝物がつまった屋根裏部屋。ホットチョコレートやクリスマスのごちそう……。おとなの童心をぐいぐい刺激するどこか懐かしい世界が舞台で、ほのぼのとしていますが謎解きもしっかり楽しめます。マイロの調査と推理で、一見何のつながりも見えない宿泊客たちの思いもよらない関係が浮かび上がると……。驚きの仕掛けもある、盛沢山なストーリーです。

著者のケイト・ミルフォードはアメリカの作家。2014年に発表した本書で、アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)ジュブナイル部門を受賞し、全米図書賞児童文学部門やアガサ賞最優秀児童書・ヤングアダルト部門賞等の候補になりました。「え、ヤングアダルト?」と思われたかもしれませんが、対象年齢は十歳から、上限なしです。NYタイムズのベストセラーになったり、「カーカス」誌ベストブックや、Amazon.comのベストブックに選出されるなど、大人向け子供向けを問わず、高く評価されている作品です。

ケイト・ミルフォード『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』は11月22日ごろ発売です。心あたたまるミステリをどうぞお楽しみください!

(2017年11月14日)



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