超絶美形の絵師・有村礼と、彼が描く絵を心から愛する雑誌記者・里見高広。ふたりの青年を中心に華麗なる明治の世を描く〈帝都探偵絵図〉シリーズの第四弾、三木笙子『怪盗の伴走者』が満を持して文庫化となります。
今作の中心人物の一人は、風のように身軽で変装の名人、鮮やかな盗みっぷりで人々を魅了する、天下の大怪盗ロータス。『人魚は空に還る』第四話「怪盗ロータス」で初登場以来、人気キャラクターとなり、たびたび物語に登場しては「君、自信はないかい? 和製ホームズ。僕のかいかぶりだったかな」と、礼と高広を翻弄してきました。今回ついにそのロータスと、彼を追う立場となった敏腕検事・安西省吾にスポットライトが当たります。

*****

「久しぶりだね、省吾」
「その名で呼ぶな!」
「どうして。本名だろ。僕のことも名前で呼べばいい。昔みたいにね」
「昔のことは忘れた……」
「僕は一瞬たりとも忘れたことがない」

*****

前作『人形遣いの影盗み』で二人の因縁が垣間見えましたが、ロータスはどんな過去をもって帝都を騒がす大怪盗になり得たのか。かつては親友でありながら、今は自分の手でロータスを捕まえたいという安西の願いは。そして二人がそれぞれ辿り着く先とは。
すべてはこの巻で明らかになります。
全編通してロータスが大活躍する巻なので、主役のふたり(特に礼)は臍を曲げそうですが、もちろん高広と礼も登場するので、どうぞお楽しみに。

キャンペーンのお知らせです。
文庫化を記念して、全国のアニメイトにてお買い求めいただくと、シリーズの装画を手がけてくださっている下村富美さんのイラストを使った、オリジナルの栞がつくキャンペーンを実施しております(数量限定で、なくなり次第終了となります。一部店舗では実施しておりませんので、ご注意ください)。ここでしか手に入らない限定の栞、ぜひ手に入れてくださいね!!
詳細は下記のアニメイトHPよりご確認ください。
https://www.animate.co.jp/original/121431/

bansousya.jpg
(2017年9月19日)



ミステリ・SFのウェブマガジン|Webミステリーズ! 東京創元社