東京創元社では品切れ中の文庫作品を対象として、毎年"復刊フェア"を開催しています。
ここから紹介するのが、2017年9月下旬よりおこなわれる本年度フェアの復刊作品全10点です。ご購入の参考にどうぞ。

※書店・ネット書店を問わず、実際に購入できるのは9月下旬以降となります。

復刊フェア開催店舗一覧はこちらです。

黒いカーテン
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ウィリアム・アイリッシュ/宇野利泰訳
『黒いカーテン』
《新カバー&新解説!》
事故で昏倒したことがきっかけで、記憶喪失から回復したタウンゼンド。しかし、彼の中では三年半の歳月が空白になっていた。この年月、自分は何をしてきたのか? 不安にかられる彼の前に現れた、瑪瑙(めのう)のような冷たい目をした謎の男。命の危険を感じ取った彼の、失われた過去をたどる闘いが始まった。追われる人間の孤独と寂寥を描かせては並ぶ者のない、サスペンスの名手の真骨頂。解説=三橋暁

チョールフォント荘の恐怖
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F・W・クロフツ/田中西二郎訳
『チョールフォント荘の恐怖』
《新カバー!》
十五歳の娘を抱え夫に先立たれたジュリアは、打算の再婚に踏み切った。愛はなくともチョールフォント荘の女主人として過ごす日々は、隣人との抜き差しならぬ恋によって一変する。折も折ジュリアの夫が殺され、家庭内の事情は警察の知るところとなった。殺害の動機または機会を持つ者は、ことごとく容疑圏外に去ったかに見えたが……。終局まで予断を許さぬフレンチ警部活躍譚。訳者あとがき=田中西二郎

猿来たりなば
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エリザベス・フェラーズ/中村有希訳
『猿来たりなば』

イギリス南部ののどかな自然に囲まれた村、イースト・リート。トビーとジョージは、このロンドンから遠く離れた片田舎に誘拐事件を解決するためにはるばるやってきたのだが、そこでふたりを待ち受けていたのは前代未聞の珍事件、なんと、チンパンジーの誘拐殺害事件だった! イギリス・ミステリ界で半世紀にわたって活躍してきた重鎮エリザベス・フェラーズの傑作本格ミステリ。解説=森英俊

殺す風
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マーガレット・ミラー/吉野美恵子訳
『殺す風』
《新カバー!》
ロンの妻が最後に彼を見たのは、四月のある晩のことだった。前妻の件で諍いをした彼は、友達の待つ別荘へと向かい──それきり、いっさいの消息を絶った。あとに残された友人たちは、浮かれ騒ぎと悲哀をこもごも味わいながら、ロンの行方を探そうとするが……。自然な物語の奥に巧妙きわまりない手際で埋めこまれた心の謎とは何か? 他に類を見ない高みに達した鬼才の最高傑作。解説=岡林克也

死が二人を別つまで
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ルース・レンデル/髙田惠子訳
『死が二人を別つまで』
《新カバー!》
徹夜の訊問明けに舞いこんだ手紙を読んで、ウェクスフォード首席警部は怒りに震えた。十六年前にヴィクターズ・ピースという名の屋敷で発生した女主人殺し。初めて担当した殺人事件ながら、彼が絶対の自信をもって解決したこの事件に、手紙の主である牧師は真っ向から疑問を投げかけたのだ! 過去の殺人をめぐる意外なドラマを鮮やかな筆致で描いた、レンデル初期の傑作長編。解説=都筑道夫

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怪奇礼讃
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E・F・ベンスン他/中野善夫・吉村満美子編訳
『怪奇礼讃』
《新カバー!》
本書は怪奇小説、それも英国の古風な、それでいて少しひねくれた、変わった味の作品を中心にまとめたアンソロジーである。不思議な話、奇怪な話、そして怖い話の……。ベンスンら巨匠の知られざる名品から、通を唸らせるウェイクフィールドら名手の逸品、奇妙な味わいの珍品、そして極めつきの恐怖譚まで、本邦初訳作を中心に22編を厳選。古雅にして多彩な怪奇小説をご賞味あれ。編者まえがき=中野善夫

真夜中の檻
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平井呈一
『真夜中の檻』

本邦ホラー屈指の傑作として名高い「真夜中の檻」。都会の片隅に芽生えた悲しくも不可思議な恋の物語「エイプリル・フール」。恐怖と浪漫の横溢する創作全二篇に、英米の怪奇作家とその作品、さらには幽霊実話を造詣深く語るエッセイを併録。『吸血鬼ドラキュラ』等の名翻訳家、海外怪奇小説紹介の先駆者として知られる平井呈一の全容を明らかにする、ホラー・ファン垂涎の一冊。解説=紀田順一郎

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宇宙の呼び声
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ロバート・A・ハインライン/森下弓子訳
『宇宙の呼び声』
《新カバー!》
カスとポルは15歳、科学の天才にして商売上手、ルナ・シティでは有名な〈悪たれ双子〉だ。今回の宇宙旅行でも、何やら大儲けを企んでいるようだ。父親のストーン氏は不安だった。双子だけではない。祖母も母親も姉も末の弟も、いずれ劣らぬ要注意人物なのだ。ただではすみそうにない……かくして、ストーン一家を乗せた〈ローリングストーン〉号は、波瀾含みの宇宙へ旅立った! ハインラインの傑作宇宙冒険SF。訳者あとがき=森下弓子

時間に忘れられた国(全)
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エドガー・ライス・バローズ/厚木淳訳
『時間に忘れられた国(全)』

南太平洋に浮かぶ絶海の孤島キャスパック。そこは百万年前の恐竜時代さながらの世界だった。この島にたどり着いたアメリカ青年ボウエンは、襲い来る太古の怪獣や有翼人間と戦いながら脱出の機会をうかがっていた。ある日、彼は島を支配する不可解な進化の法則に気づく。どうやら脱出の成否は、その謎をとくことにかかっているらしい。ロストワールド三部作を全一巻に合本した。訳者あとがき=厚木淳

仮想空間計画
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ジェイムズ・P・ホーガン/大島豊訳
『仮想空間計画』

科学者ジョー・コリガンは見知らぬ病院で目を覚ました。彼は現実に限りなく近いヴァーチャル・リアリティの開発に従事していたが、テストとして自ら神経接合した後の記憶は失われている。計画は失敗し、放棄されたらしい……。だが、ある女が現われて言う。二人ともまだ、シミュレーション内に取り残されているのだ、と。あまりにリアルな仮想現実から、脱出する方法はあるのか? 『星を継ぐもの』の著者が放つ傑作仮想現実SF! 訳者あとがき=大島豊


※書店・ネット書店を問わず、実際に購入できるのは9月下旬以降となります。


(2017年9月11日)




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