今月の本の話題

2017.05.09

あの『容疑者』のマギー&スコット・コンビが帰ってきた! ロバート・クレイス『約束』[2017年5月]

 全国のマギー・ファンの皆様、大変大変お待たせいたしました。
 読者を感動の嵐に巻きこんだ『容疑者』の続編『約束』をお届けします。

 前作『容疑者』では、パトロール中の銃撃事件で相棒を失った刑事スコット・ジェームズと、任務中にテロにあい大切な飼い主を失った元海兵隊の爆発探知犬マギー。心に深い傷を負った一人と一匹が固い絆で結ばれた相棒となっていく……。

 さて、そこで本書『約束』です。
 ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、とある住宅街で逃亡中の殺人犯を捜索していた。匂いを頼りにマギーがたどり着いた家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が……。
 同日、同時刻、同じ住宅街。私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探しているという女性の依頼を受けて調査をしていた。単なる偶然か、それとも?嘘をついているのは誰か。幾重にも重なる偽りの下に真実はあるのか。
 警察と探偵、スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。

 そう、なんと本作では著者の別シリーズの主人公、私立探偵のエルヴィス・コールとジョー・パイクのコンビも登場するのだ。コール&パイク、マギー&スコットのふた組の相棒が難事件に挑む! これは絶対必読です。

 そして『容疑者』に引きつづき登場する警察犬隊の主任指導官リーランドが、相変わらずいい味を出しています。
 編集者熱烈推薦のリーランド氏の犬についての熱いコメントを抜粋してみました。

“ここにいる犬たちは機械じゃないんだぞ、こいつらは生き物なんだ! 生きてて感情もあって温かい血の通った神の創造物だ。こいつらは全身全霊でおまえを愛してくれる。かみさんや亭主がおまえらを裏切ったって、こいつらはおまえを愛してくれる。できそこないの罰当たりなガキどもがおまえらの墓の上でしょんべんをしたって、こいつらはおまえを愛してくれる。おまえらの恥ずかしい最低な姿を目の当たりにしたって、こいつらは裁いたりしない。ここにいる犬たちは、おまえらにはもったいないほど忠実な相棒になって、おまえらのために命までも捧げるだろう。そんな犬たちが求めるのは、犬たちが望み、必要とするのは、すべての恩恵を受けるためにおまえらが払う犠牲は、優しいひとこと、たったそれだけなんだぞ。そうとも、はっきり言って、わたしの知ってるなかでいちばん出来のいいやつを十人選んだところで、ここにいるいちばん出来の悪い犬の足元にもおよばない……”(『容疑者』より抜粋)

“このすばらしい生き物といっしょに過ごす時間の一秒一秒が、天の恵みなんだ。これほどひたむきにおまえを愛し、これほどおまえに全幅の信頼を寄せてくれる生き物は、人間だろうとそれ以外の動物だろうと、ほかにはいないぞ。それを忘れるな、ジェイムズ巡査。犬たちはその尊い心をありのままおまえにさらけだし、自分からはなにひとつ隠すことをしない。おまえの情けない人生のなかで、同じことを言える人間がいるか? こういう信頼関係は全能の神からの贈り物だ、だから全力でそれにふさわしい人間になれ”(『約束』より抜粋)

名言中の名言です!

(2017年5月9日)



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