今月の本の話題

2016.12.22

このイラストレーターがすごい2016 その1

 2016年は、弊社作品のカバーや扉絵を手掛けていただいているイラストレーターさんの画集が発売されたり、個展が開催されたりと活躍の目立つ年だったと個人的には感じています。ここでは二回に亘って記事にまとめたいと思います。皆様お付き合いのほどよろしくお願いいたします。


マツオヒロミ編
 今年2月に発表したコミック『百貨店ワルツ』(実業之日本社)が大ヒット、いま勢いのあるイラストレーターの一人でしょう。つい最近も、東京駅の商業施設「グランスタ」にクリスマス用のポスターとして採用されて話題となるなど、広く活躍されてます。今夏の画集『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK マツオヒロミ』(翔泳社)の発売の際には、多くの書店で大型ポスターが貼られるなど作品を目にする機会の多かった方ですね。

matsuo4.jpg  大正ロマンを感じさせる雰囲気と、現代的な細かなタッチ、蠱惑的な女性キャラクターでファンを獲得しています。女性キャラクターだけでなく、男性キャラクターも大変魅力的。
 今年2016年はご一緒しませんでしたが、マツオさんとのお仕事は、2010年刊行の山口芳宏『100人館の殺人』が最初。マツオさんの書籍カバーイラストも最初の作品です。その後、『雲上都市の大冒険』『豪華客船エリス号の大冒険』『蒼志馬博士の不思議な犯罪』と続けて手掛けていただきました。吉永南央『ランタン灯る窓辺で』には、爽やかな夏のベランダ風景を、翻訳ミステリでもキャロル・ネルソン・ダグラス『おやすみなさい、ホームズさん 上下』『おめざめですか、アイリーン』を手掛けていただいています。


げみ編
 各出版社にまたがって、大活躍のイラストレーターといえます。“げ”にアクセントなのか、“み”にアクセントなのか判然としませんが、時代物も現代物も描ける貴重な方。2016年連続ドラマもヒットした『水族館ガール』(実業之日本社)のカバーでおなじみですね。上記のマツオさん同様に今夏、画集『げみ作品集』(玄光社)が刊行され、イベント等も行われ好評を博しました。
 弊社では、2014年の十市社『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』(のちの文庫版もげみさんです)が最初。その後、沢村浩輔『夜の床屋』、瀬那和章『雪には雪のなりたい白さがある』、の三作品にかかわっていただいています。


鈴木康士編
 続いては、鈴木康士さん。神永学『心霊探偵八雲』(角川文庫)なども手掛ける実力派、主に弊社ではSFやファンタジーでの活躍が目立ちます。マツオさん、げみさん同様に今夏画集『鈴木康士画集 視線』(新紀元社)を刊行。
 2016年だけでも、アン・レッキー『亡霊聖域』『星群艦隊』、イアン・マクドナルド『旋舞の千年都市 上下』、ブライアン・ラムレイ『ボレアの妖月』、年刊日本SF傑作選『アステロイド・ツリーの彼方へ』、遠藤文子『星の羅針盤』と七冊のカバーを飾りました。


加藤木麻莉編
 われらが東京創元社公式キャラクター「くらり」の生みの親。「くらり」LINEスタンプにたっぷり書き下ろしイラストをいただきましたね。精力的に多方面のイラストを手掛けています。今秋には『世界の童話塗り絵』(ブティック社)を刊行しました。
 弊社では2009年刊行の相沢沙呼『午前零時のサンドリヨン』からのお付き合いです。2015年~2016年にかけて『にぎやかな眠り』『蹄鉄ころんだ』『ヴァイキング・ヴァイキング』『猫が死体を連れてきた』と、シャーロット・マクラウドの〈シャンディ教授シリーズ〉の新カバー、竹内真『ディスリスペクトの迎撃』を手掛けていただきました。

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(その2につづく)
(2016年12月22日)




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