今月の本の話題

2017.02.07

すべてはある冬の日、〈石と星の夜〉に始まった……。 遠藤文子〈サラファーンの星2〉『石と星の夜』【2017年1月】

その石は
幾多の名で呼ばれている。
 聖なる生命の石
 王の羅針盤
フィーンの至宝
 大いなるダイヤモンド
光の剣……

されど
銀色狼が歌い
瑠璃色の鳥が舞う
遙か遠いランゲフニーでは
 それは
唯ひとつの名で呼ばれていた。
サラファーンの星と


 人の住む六つの王国と神秘に包まれた種族フィーンの王国は、長いこと平和のうちに栄えていた。だがフィーンのもとから大いなるダイヤモンドが奪われると、暗い影が世界を覆いはじめる。皇帝ダイロス率いるギルデア王国が隣国に侵攻、戦火はいくつもの国を巻きこんでいった……。

第三部『盗賊と星の雫』(仮題)は2017年5月刊行予定。特別に第三部のプロローグから第二章までを先行公開いたします。

こちらからお読み下さい。

●最新刊〈サラファーンの星2〉『石と星の夜』(2017年1月刊)

 ギルデア帝国と、アトーリス王国を中心とする連合国の間に和平協定を結ぶべく派遣されたギルデアの使節が暗殺されたことで、ギルデアとアトーリスの和平交渉は決裂した。
 アトーリスの王立情報機関〈イリュリア〉の一員ステランは、仲間内に敵に通じている裏切り者がいるとの情報を得て、必死に捜査を行う。兄弟よりも固い絆で結ばれているはずの〈イリュリア〉の中に裏切り者が?

 一方、戦火を逃れて故郷テスから最果ての地リーヴェインのフォーディル村に身を寄せていたリーヴたちは、悲しみに包まれていた。故郷テスを護るべく戦っていた父ヒースが戦死したのだ。

 スリン・ホラムの会議連合国の会議では、アトーリス王国が極秘裏に開発する恐るべき兵器をめぐり、各国の意見が対立していた。
 ギルデア帝国の脅威はいや増し、このままではテス王国が征服されるのも時間の問題。
 フィーンの預言者が謳った勇者はいまだその存在をあらわさず、人々の焦りはつのるばかり……。好評シリーズ第二弾。




●『星の羅針盤 サラファーンの星1』

 舞台は七つの王国が栄える世界。主人公は森と湖の平和な国テスに住む心優しい少女リーヴ。画家である父は戦いに行き、残された母と兄と犬とともに戦火の迫る故国を離れ、母の故郷である遠く離れた国リーヴェインの小さな村に身を寄せる。
いまだ戦争の火の粉が飛んできていない平和な村フォーデイル、そこでリーヴたちは伯父一家の暖かい歓迎をうける。

 フォーデイル村の外れには、呪われた森と呼ばれる深い森があった。ある日森に迷い込んだリーヴは、生涯の友人となる不思議な少女に出会う。紫の瞳をもつ少女ルシタナとのこの出会いこそが世界の運命を変えることになるのだった……。

 永遠の友情、初恋、遙かな国の伝説、そして陰謀……。戦の影に怯えながらも、平和を願い、ひたむきに生きる少女の姿を描く〈サラファーンの星〉四部作開幕。

 主人公リーヴのけなげさや、彼女をとりまく人々の優しさはもちろん、戦争の恐ろしさ、権力や欲望で歪んでしまった人々の醜さ、哀しさも余すところなく描かれています。ファンタジー好きはもちろん、ファンタジーは敷居が高いとお思いの方も是非お読み下さい。『若草物語』『赤毛のアン』で味わったときめきが味わえます。

(2017年1月11日/2016年9月6日)



ミステリ小説の月刊ウェブマガジン|Webミステリーズ! 東京創元社
バックナンバー