今月の本の話題

2016.08.08

昼は紳士、夜は泥棒、ふたつの顔を持つ男。痛快シリーズ第一弾 エレナー・アップデール『怪盗紳士モンモランシー』[2016年8月]

 囚人493ことモンモランシー。 盗みを働いて警察から逃げる際に工場の屋根から落ち、瀕死の重傷を負った男。
 だが運良く若き野心家の外科医ファーセットの最新医療を駆使した治療の被験者となり、一命をとりとめた。そのかわり、講演の際には、医師が自らの卓越した技術の成功例として彼を連れだし、衆人の前に彼の手術跡だらけの体をさらすのだった。
 幾度かの手術を経て怪我も治り、無事刑期を終え、娑婆に出たモンモランシーは、これまでのけちなこそ泥生活に戻る気はまったくなかった。服役中に集めた情報と知識を駆使して、壮大な盗みの計画をたてていたのだ。
 高級ホテルに滞在し、一流の仕立て屋が仕立てた服を身につけ、オペラに入れあげつつも、ロンドンの地下に縦横に張り巡らされた下水道を使い、次々とお宝を頂戴していく。  昼間は紳士、夜は泥棒、二つの顔をもつ男モンモランシー。だがある日暴れる馬を取り押さえたことから、彼の運命は大きく変わることに……。

 痛快シリーズ第一弾。

(2016年8月5日)



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