みなさんこんにちは。ラムネとフェレットをこよなく愛する編集者Sです。あっという間に6月ですね。今月13日に、ずーっと「読者のみなさんにはやく読んでもらいたい!」と思っていた超絶おもしろい警察小説がついに発売となります!! オーストラリアが舞台の珍しいシリーズの第1弾。あらすじはこんな感じです。

海底で発見された20の箱。
中には20人分の死体。

シドニーのマリーナで、海底に沈められたスチール製の収納ボックスが発見された。1メートル四方の箱には全身傷だらけの少女の遺体が収められ、周囲から同様の遺体の入ったボックスが20も見つかった。シドニー州都警察殺人捜査課に異動してきた刑事フランクは、女性刑事エデンと未曾有の死体遺棄事件を追う。オーストラリア推理作家協会賞2年連続受賞の警察小説シリーズ開幕!

まさに前代未聞の大量死体遺棄事件! この衝撃の幕開けから、まったく予想もつかない展開が繰り広げられていきます。本書はオーストラリア推理作家協会の最優秀デビュー長編賞を受賞しており、さらにシリーズ2作目が同賞の最優秀長編賞を獲得しています。現在オーストラリアで最も注目されている作家のひとりと言えるでしょう。

本書は本になる前のゲラ版を読者モニターさんに読んでいただきました。たくさんのご応募ありがとうございました! 今回も読者モニターに選ばれた方から“熱い”コメントをいただきまして、担当編集者としてめちゃくちゃうれしかったです。

ということで、一部で恐縮ですが作品を読まれた読者モニターさんのご感想をご紹介いたします。みなさんが読みごたえたっぷりのコメントを書いてくださいました! ただ、申し訳ございませんが、コメントすべてを載せるには長すぎたり、「この要素は作品を読んで知ってもらいたいな」という箇所は適宜省略させていただいております。悪しからずご了承ください。

*読者モニターさんの声*

■なつさん

あらすじにもある通り“全身傷だらけの少女の遺体とその周囲から出てきた遺体が入った20のボックス”“女性刑事エデンの秘密”謎が多いこの小説は、どんどんページをめくるごとにその真実が見えてくるのが楽しかったです。

久方ぶりにミステリーを読んだのですがやっぱりミステリーって面白いなぁ、最高だなぁと再確認させてくれる小説でした。もし続編があるのなら絶対に読みたいです。

■ かもめ通信さん

オーストラリア発&男女の刑事コンビが活躍する警察小説という点に惹かれて読み始めたのだが、これがもう、冒頭からすごい吸引力で正直びっくり! お国柄とかジェンダーとかいった問題以前に、“ 正義ってなに?”という疑問がふつふつとわいてきて、主人公を含め愛すべき人物が見当たらないどころか嫌悪感さえ感じてしまうのにもかかわらず、誰ひとり嫌いにはなれないというなんとも奇妙な読み心地! ノンストップで読み終えた。うわーこれでシリーズなのか! かなりヘビーだよなあ~と思いつつも、次作にもきっと手を伸ばしてしまうに違いない!!

■Y.M さん

これがデビュー作とは思えない、しっかりとした物語と面白さだった。遺体発見から残虐なシリアルキラーの存在が発覚し、手掛かりを求めて捜査をしていくうちに犯人の思わぬ目的が明らかになるという、警察小説としての謎解き的部分もさることながら、事件を取り巻く人々の心の闇の描き方がうまい。

■こまめさん

手に汗を握るスリリングな展開で、ハラハラドキドキし通しでした。徐々に明らかになる連続殺人事件の真相に加え、密かに起きている別の事件の真相やエデンの過去など、読み応えは十分でした。

原題はHADES(ハデス)なのに、邦題が『邂逅』なのはなぜだろうと思っていました。「邂逅」の意味は『めぐりあい』『人生の中で意味のある出会い』ということですが、最後まで読んだら「これしかない」と思えました。

■ツクヨミさん

バラバラに思えたエピソードが不意につながったときには、ぞくぞくするような興奮をおぼえました。真相に近づくにつれて物語もスピード感を増し、後半は引っ張られるようにして一気に読みました。

思い思いの信念を抱いて進む彼らの姿に、本当の正義ってなんだろう、と考えさせられました。

■MzSgさん

最初はかみ合わなかった二人だが事件をきっかけに徐々に歯車が噛み合い始めた。しかしエデンとその周辺の不穏さが「本当に信用できるのか……?」と主人公の相棒であるはずなのに安心していられない。

■けろたんさん

現在の連続殺人事件と、過去のハデスの二つの物語が交互に並行して進む点も、話が左右に飛びすぎることなく先へ先へと読み進みたくなる巧みな構成で、飽きや中だるみがありませんでした。警察小説好きには勿論ですが、サイコサスペンスが好きな方には絶対読んでいただきたい作品だと思いました。

オーストラリア本国でのシリーズが続いているそうなので、続編も日本で読めることを期待しています。

■M.C さん

ミステリーとしても十分面白いのですが、フランクとエデンそれぞれの物語としても楽しめるかと。

シリーズ化という事で今後二人の関係がどうなっていき、そしてどういう事件に立ち向かって行くのか、続編を読むのが待ち遠しいです。早く続きを読みたいですね。

■KOさん

相棒を失ったばかりのエデンが抱える秘密とは何なのか、回想のたびに謎が深まる。

謎解きをされているようで、どんどんわからないことが増えていくという奇妙な体験をした。

■ 大木雄一郎さん

オーストラリアのミステリにあまり親しみがないので、とても興味深く読んだ。本作は作者のデビュー作ということだし、またシリーズでもあるということなので、続きが邦訳されることを期待している。

■Y.Mさん

作品のイメージとしては欧州、とくに北欧小説の雰囲気と似ていて、暗く静かで残酷な何かが、ヒタヒタと迫ってくるような粘度の高い空気を纏っている。

翻訳が読みやすいのもあって、ページをめくる手が止まらなかった。

■KiSさん

なにしろ、これだけで一つの作品に出来るのではないか、と思われるような「仕込み」が、この作品の中には幾つも仕込まれている。その上で、読者に提示した謎を早い段階であっさりと解決してみせたり、その解決を伏線にして次の展開に繋げたり、作者はきっとサービス精神が旺盛な人に違いない。

猟奇殺人の話なので好き嫌いはあるだろうけど、いろんな意味でドラマが好きな人にはお勧めです。

* * *

ほかにもたくさんの興味深いご意見をいただいております。全部ご紹介できないのが心苦しいのですが、今後もTwitterなどでご紹介させていただこうと思います。みなさま、どうもありがとうございました!

『邂逅――シドニー州都警察殺人捜査課』は6月13日ごろ発売です。どうぞよろしくお願いいたします!

(東京創元社S)

(2016年6月6日)



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