今月の本の話題

2016.06.06

過去の罪が彼女を捕らえる。『過去を殺した女』エルスベツ・イーホルム[2016年6月]

 デンマークの地方都市オーフスに住む女性新聞記者ディクテ。
 離婚を機に、娘ローセと共に、学生時代を過ごした町に戻り、町外れの古い農家に住んでいる。
 そのディクテの家の隣の厩舎が火事になった。
 どうやら放火らしく、母屋も荒らされていたが、隣人一家は旅行中で、けが人はいないもようだ。
 消防に通報し、なんとか馬を助け出したディクテが煙まみれになって出勤すると、同じ日に、市内の学校が放火されたことを知らされる。1日のうちにふたつも放火事件が。偶然だろうか?
 さらに驚いたことに、隣家には留守番がいたというのだ。留守番をしていたはずの女性は、沼地で首を絞められたうえ、斧で頭を割られて発見された。彼女は隣家の女主人の妹で、放火された学校の教師だった。やはり二つの事件は繋がっているのだろうか? 
 警察は学校の卒業生だった少年たちを取り調べるが、ディクテはどうも納得できない。
 独自に調べるうちに次第に明らかになる、殺された女性教師の意外な過去……。

 母親との確執、父の死、娘の巣立ち、年下の恋人との関係、リストラの危機と、自分自身も悩みが山積みの新聞記者ディクテが事件を追う!

(2016年6月6日)



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