今月の本の話題

2016.05.09

タイプの異なる四人の少女が、カルチャーセンターで遭遇する〈日常の謎〉 円居挽『日曜は憧れの国』[2016年5月]

内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷のカルチャーセンターの講座を受けることになる。退屈な日常が変わることを期待して料理教室に向かうと、明るく子供っぽい桃、ちゃっかりして現金な真紀、堅物な優等生の公子と出会う。四人は偶然にも同じ班となり、性格の違いからぎくしゃくしつつも、調理を進めていく。ところが、教室内で盗難事件が発生。顛末に納得がいかなかった四人は、真相を推理することに。性格も学校もばらばらな四人が、カルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎に挑む! 気鋭の著者が贈る、校外活動青春ミステリ。

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私的裁判組織の検事や弁護士の攻防を描く『丸太町ルヴォワール』や、探偵養成学校の生徒が活躍する『シャーロック・ノート』など、奇抜な設定での本格ミステリを多く描いてきた気鋭の著者・円居挽さんの新境地です! 

本書の主人公はごく普通の四人の少女、千鶴・桃・真紀・公子。性格も学校もばらばらな彼女たちが、四谷のカルチャーセンターで出会ったことから、物語は始まります。料理講座で起きた、盗難事件の真相は? 将棋講座での対局で、なぜ講師役の少女は勝ったのに泣いたのか? 日本史講座で、語られるはずだったテーマは何か? 創作講座で、結末のない物語をどう描けば講師の心を救うことができるのか?
様々な講座で起こる謎解きを通し、四人はそれぞれの悩みとも向き合うことになります。そして最後の講座では、ある大きな事件解決のために奔走する、成長した彼女たちの姿が描かれます。

ちなみに、人気イラストレーター・煙楽さんに、カバーイラストの他、各話の扉絵も描き下ろしていただきました! カバーでは千鶴たちの制服姿が、扉絵では私服姿が描かれているので、ダブルでお楽しみいただけます。爽やかな余韻が残る、校外活動青春ミステリをどうぞご堪能ください。
(2016年5月9日)



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