『暗黒女子』がスマッシュヒット、続く『放課後に死者は戻る』『聖母』も大好評を博し、イヤミスの旗手として活躍する秋吉理香子さんの最新作をお届けします。

「父を殺したのは、母です。さようなら。いつか母に天罰が下ることだけを願って」この物語は主人公・瑠璃の遺書から幕を開けます。父の死後、生命保険金と遺産、そして順風満帆のビジネスを引き継ぎ、生き生きと活躍を始めた継母の姿に、女子高生の瑠璃は「この若くて美しい継母が父を殺したのだ」と確信します。しかし、証拠はなく、誰にも信じてもらえません。絶望した瑠璃は継母の罪を告発するため、遺書を残して死ぬことを決意したのでした……。
衝撃的な冒頭から始まるこの作品は、占いや六曜、料理など多彩なモチーフが巧みに組み込まれ、自殺予定日が迫るなか行われる証拠探しや、継母との息詰まる心理攻防戦など、読みどころがもりだくさん。ラストページまで目が離せない、一気読み必至の傑作ミステリとなっています。秋吉さんの魅力が詰まった新境地となる作品です。

先行して本書を読んでいただいた書店員の皆様からも熱烈なコメントをいただいていますので、一部ご紹介します。

あー、ダメだ。感想を伝えようとするとこれから読む人の楽しみを奪うネタバレになってしまう!少しでも気になった人には読んで欲しい!
東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん

ショッキングなタイトルと冒頭。自分の死を持って罪を告発するという遺書。女の思いとはかくも恐ろしいものである。一気読みさせるものすごいパワーを感じられた一冊。
紀伊國屋書店梅田本店 小泉真規子さん

占いと料理とビジネスと友情と恋愛と。ミステリだけれどいろいろな要素がたっぷりつまっていて……今度のリカポンも面白い!
有隣堂伊勢佐木町本店 佐伯敦子さん


ここでカバーの裏話を一つ。今回、イラストは米満彩子さんが描きおろしてくださいました。
瑠璃の頭と身体の一部が溶けて泡のように描かれていますが、実は泡じゃないんです。よーく見ると、黒丸や白丸、半月のようになっているなど、いくつか種類があることがわかります。これ、六曜の記号になっているのです。物語の重要な要素の一つに六曜があり、六曜とは「大安」や「仏滅」などといった暦のひとつです。マークはカレンダーなどでよく見かけるので、見覚えがある方も多いかもしれません。インターネットでは細かいのでわかりづらいと思いますので、ぜひ、店頭で見てみて下さい。
細部までこだわってお届けする『自殺予定日』。どうぞお楽しみに。



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