両親が相次いでなくなり、兄も夢を追って家を出て行ったしまい、村はずれにひとり住む孤独な少女リアノ。そんな彼女の家の前にある日髑髏が置かれていた。いったい誰の髑髏なのか? なぜここにあるのか? 
 だが驚いたことに、髑髏がいきなり喋りだしたのだ。最初は気味悪く思ったリアノだったが、独り暮らしの寂しさもあり、次第に髑髏とのおしゃべりに引き込まれていく。そして砂漠に連れて行って欲しいという図々しい求めに応じ、故郷をあとに旅に出ることになった。
 若く美しい娘としゃべる髑髏の奇妙な道行き。

 砂漠に待つのは〈影王〉が統べる呪われた〈影の都〉。不老不死を望んで神の怒りにふれ、永遠に砂漠を彷徨う運命となったという伝説の都だった。ねじれた運命の糸に絡め取られるリアノ。〈影王〉とは何者なのか? 

 巧緻な物語、豊かなイマジネーション、これぞファンタジイ!
 第一回創元ファンタジイ新人賞選考委員特別賞受賞作。

(2016年3月7日)
2016年3月より創元推理文庫の国内ファンタジイ続々刊行!(PDF)
第2回創元ファンタジイ新人賞某集中



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