『もう年はとれない』(2014年8月刊)

 思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに親切とはいえなかったナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちにガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。
 だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫の大学院生テキーラとともに、ついには死者が出る事態に……。
 人生最後になるかもしれない事件に挑む伝説の名刑事。
 武器は三五七マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いい主人公を生むことに成功した、清冽なデビュー作。

*第1位『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門
*第4位『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門
*第5位『このミステリーがすごい!2015年版』海外編
*第5位〈週刊文春〉2014ミステリーベスト10 海外部門
*第5位『ミステリが読みたい!2015年版』海外篇
*第10位『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/翻訳家&評論家部門

●最新刊『もう過去はいらない』(2015年8月刊)

 88歳のメンフィス署の元殺人課刑事のバック・シャッツ。
 歩行器を手放せない日常に苛立ちを募らせるバックを、アウシュヴィッツの生き残りにして伝説の銀行強盗イライジャが訪ねてくる。何者かに命を狙われていて助けてほしいという。彼とは、現役時代に浅からぬ因縁があった――犯罪計画へ誘われ、強烈に断ったことがあるのだ。イライジャは確実に何かを企んでいる。それはなんだ。
 8歳の伝説の名刑事vs.78歳の史上最強の大泥棒。合計166歳の対決の幕が上がる!
『もう年はとれない』を上回る年齢と活躍!

*第1位『IN★POCKET』2015年文庫翻訳ミステリーベスト10/翻訳家&評論家部門
*第2位『IN★POCKET』2015年文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門
*第4位『ミステリが読みたい!2016年版』海外篇
*第6位『このミステリーがすごい!2016年版』海外編
*第7位〈週刊文春〉2015ミステリーベスト10 海外部門
*第11位『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門部門


(2015年12月11日)



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