東京創元社では品切れ中の文庫作品を対象として、毎年"復刊フェア"を開催しています。
以下に紹介するのが、2015年9月下旬よりおこなわれる本年度フェアの復刊作品全10冊です。ご購入の参考にどうぞ。

※2015年9月7日時点では購入いただけません。

船から消えた男
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F・W・クロフツ『船から消えた男』
《新カバー!》
ガソリンの危険性を除くという化学的大発見の実用化計画が進められていた。巨万の富を期待する四人の若者と資金援助をする老人一人。化学会社との契約を目前に、その会社から派遣された調査員が連絡船上から姿を消し数日後に水死体となって発見された。ベルファスト警察の要請で捜査に乗り出すフレンチ警部。一見単純そうな事件だったが。訳者あとがき=中山善之

ピカデリーの殺人
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アントニイ・バークリー『ピカデリーの殺人』
《新カバー!》
伯母と犯罪学と切手蒐集から成る人生に安住していたチタウィック氏が、たまさか訪れた午後のホテルで毒殺の現場に遭遇する。なんとも伯母さんというほかない被害者、そして、同じ卓を囲み怪しい振舞を見せた、その甥っ子。皮肉な成行きに嘆息しながらも氏は訴追側の証人として渦中の人となる。考え抜かれた話術が生きる手練の謎解き編! 解説=小林晋

手斧が首を切りにきた
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フレドリック・ブラウン『手斧が首を切りにきた』
本書において、著者は小説の合間に、ラジオ、映画、スポーツ放送、ビデオ、演劇等の台本の形式を挟みストーリーを展開させ、結末を小さな新聞記事で締め括っている。そして不気味なマザー・グースの歌が、二人の女性の間で揺れ動く一青年のやるせない青春像を、鮮やかに浮き彫りにする。1940年代後期のアメリカの地方都市を舞台に、ブラウンが趣向を凝らして描く初期長編異色作。訳者あとがき=青田勝

暗闇の薔薇
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クリスチアナ・ブランド『暗闇の薔薇』
《新カバー!》
嵐の夜、サリーは一台の車があとをつけてくるのに気がついた。いったんは無事やりすごせたかに思えたが、折りからの暴風に巨木が倒れ、行く手を塞いでしまう。あせった彼女は、倒木の向こうで同じ憂き目にあっていた未知の男性と車を交換、それぞれの目的地をめざすが……。英国の重鎮が華麗に描く、巧緻にして型破りの本格傑作。解説=山口雅也

納骨堂の奥に
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シャーロット・マクラウド『納骨堂の奥に』
《新カバー!》
ケリング家の若妻セーラは、フレデリック大伯父の葬儀に押しかけてくる人々に出す食事のことを考えながら、納骨堂の開扉に立ち会っていた。ところがようやく開いた扉の奥にあったのは、見知らぬ女性の他殺死体。数十年間埋もれていた犯罪と関わってしまったセーラは、成り行きで事件を調べることに……古都ボストンを舞台にした人気シリーズの第一弾、臨場感に溢れた傑作長編。訳者あとがき=浅羽莢子

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だれも猫には気づかない
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アン・マキャフリー『だれも猫には気づかない』
《新カバー!》
時は中世。公国の若き領主に仕えてきた老摂政が亡くなった。将来を案じた彼が遺していったとっておきの秘策、それが飼い猫ニフィのことだったとは! 賢い猫はやがて“摂政”として敏腕ぶりを発揮。領主の恋に政治的陰謀が絡まりだすとき、隠れ摂政ならどんな妙手を繰りだす? 『歌う船』や〈パーンの竜騎士〉で知られる現代SFの女王が贈る、猫ファンタジイの逸品。訳者あとがき=赤尾秀子

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マッカンドルー航宙記
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チャールズ・シェフィールド『マッカンドルー航宙記』
【星雲賞受賞作】太陽系最高の天才物理学者マッカンドルー。日々マイクロブラックホールとたわむれるこの変人科学者が画期的な航法の新型宇宙船を開発し、相棒の女船長と共に大宇宙へと乗り出した。二人を待ち受ける驚異の事件の数々! 科学者である著者が持てる知識を遺憾なく発揮した本格ハードSF。著者自身による科学解説を付す。著者あとがき=チャールズ・シェフィールド/解説=橋元純一郎

フロリクス8から来た友人
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フィリップ・K・ディック『フロリクス8から来た友人』
《新カバー!》
人類の中から突然変異的に現出した一握りの超人たちの前に、60億の人間はとりえのない〈旧人〉として支配されるしかなかった。一介の〈旧人〉である主人公ニックは、勤務先の上司につれられ、圧政を打破しようとする地下組織と出会う。彼らの最後の希望は、10年前、外宇宙に救いを求めて地球を後にした英雄プロヴォーニただ一人だった。解説=森下一仁

反対進化
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エドモンド・ハミルトン『反対進化』
《新カバー!》
途方もない奇想を情感たっぷりに語る短編の名手ハミルトンの傑作10編を精選。カナダ奥地で発見されたゼリー状の奇妙な生物の驚くべき正体は(表題作)。人里離れた山中に落下した多面体状の隕石が秘めた秘密(「呪われた銀河」)。《キャプテン・フューチャー》と同じ宇宙を舞台にした冒険譚(「失われた火星の秘宝」)。未来が現実となったときのSF作家の哀愁(「プロ」)など。編者あとがき=中村融

マッド・サイエンティスト
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スチュアート・D・シフ編『マッド・サイエンティスト』
《新カバー!》
科学の進歩という大義の前に理性を失ってしまった者たち――SFやホラーの世界で古くから親しまれてきた“狂った科学者”を題材に、斯界の第一人者が選ぶ傑作17編。ブロック、ラヴクラフト、クラーク、ブラッドベリなど、血も凍るホラーからドタバタ喜劇、叙情派ファンタジーまで、初心者もマニアも幅広く楽しめる傑作アンソロジー。序・作者紹介=スチュアート・デイヴィッド・シフ/解説=荒俣宏

※復刊フェアは9月下旬から順次スタートします。開催店舗の一覧は後日公開します。

(2015年9月7日)




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