今月の本の話題

2015.08.04

文庫版も大人気〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ第3弾『太陽の石』乾石智子[2015年8月]

太陽の石
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●最新刊『太陽の石』
 解説=金原瑞人

 平和と繁栄を謳歌し、歴史に名を轟かせたコンスル帝国も、長い年月を経て内乱や疫病、隣国の侵攻によって衰退し、いまや見る影もない。
 霧岬はそんな帝国の最北西に位置する。
 今から三百年ほど前、強力な力を誇る魔道師、イザーカト九きょうだいのひとりリンターが空からふってきて、地の底に達する穴をうがち、ゴルツ山を隆起させたのだという。  以来、それまでの温暖な気候はどこへやら、岬は海霧か火山煙におおわれ、陽の目をみることのまれな寒冷の地となった。
 そんな霧岬の村に住むデイスは十六歳、村の門の外に捨てられていたところを姉ネアリイに拾われ、天文学者である父と優しい母、そして姉に慈しまれて育った。
 だが、最近はなんだかよくわからない焦燥といらいらが胸の中を吹き荒れて、ついつかかっては憎まれ口をきき、思っていることと反対の態度をとってしまう。
 挙げ句の果てに父と大げんかし、勢いにまかせてゴルツ山に登ったデイスは、土の中に半分埋まった肩留めを拾う。金の透かし彫りに、〈太陽の石〉と呼ばれる鮮緑の宝石。ひと目見てわかった。これは自分に属するものだ……。
 だが、それがゴルツ山に眠る魔道師を目覚めさせ、デイスを宿命の真ん中にたたき込むことになろうとは、知るよしもなかったのだ。

 ゲイル、テシア、ナハティ、カサンドラ、リンター、ミルディ、ヤエリ、イリア、デイサンダー……。大地の力をあやつるイザーカト九きょうだいの、激しく、哀しい宿命の戦いの行き着く先は……。

『夜の写本師』『魔道師の月』で話題沸騰の著者の〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ第三弾。

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単行本版『太陽の石』ここだけのあとがき



魔道師の月
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『魔道師の月』
 解説=妹尾ゆふ子

 書物を用いるギデスティンの魔法を編み出した、本の魔道師キアルス。
 姉とも妹とも想い深い絆で結ばれていた少女の悲惨な死を防ぐことができず、無力感と喪失感にうちのめされたキアルスは、逃げるように住んでいた街を飛び出した。心の傷を忘れようと、安酒をあおり酔っぱらい、気がついたところは牢の中。いくらなんでも投獄されるほどのことをしただろうか?
 身に覚えがないのも当然、人違いだったのだ。
 人違いの相手は、繁栄を謳歌するコンスル帝国のお抱え魔道師、レイサンダー。
 痩身、黒髪、緑の瞳までは同じだったが、片や小柄でかたや長身、どうして間違われたものやら。

 ある日コンスル帝国の皇帝のもとに幸運のお守りとして献上された漆黒の円筒“暗樹”。それを見て、コンスル帝国の皇位継承者に仕える大地と天候の魔道師レイサンダーは戦慄する。こんなにも禍々しく、これほど強烈な悪意を発散する恐ろしい太古の闇に、なぜ誰も気づかないのか? 恐怖に囚われたレイサンダーは、そのまま宮廷を出奔した。
 だが、皇帝に献上された「闇樹」は、次第にコンスル帝国の中枢を蝕みはじめる……

 出会うべくして出会ったふたりの魔道師。若きふたりの運命が、人々の心に潜み棲む影を操る太古の闇を巡って交錯する。
『夜の写本師』で読書界を瞠目させた著者のデビュー第二弾。

〈十四大魔法〉解説を見る(PDF)
単行本『魔道師の月』ここだけのあとがき



夜の写本師
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『夜の写本師』
 解説=井辻朱美

 右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。
 だが、育ての親であるエイリャと、淡い恋心を抱いていた少女フィンが、目の前で大魔道師に殺されたことで、彼の運命は一変する。
 女を殺してはその魔法の力を奪う、呪われた大魔道師アンジスト。
 月の巫女シルヴァイン、闇の魔女イルーシア、海の娘ルッカード、アンジストに殺された三人の魔女の運命が、数千年の時をへてカリュドウの運命とまじわる。
 育ての親エイリャの、そしてアンジストに殺され魔力を奪われた女たちの敵をうつべく、カリュドウは魔法ならざる魔法、不可思議な力を操る〈夜の写本師〉としての修行をつむが……。

 運命に翻弄される人々の姿を壮大なスケールで描く、本格ファンタジーの新星登場!

『夜の写本師』人物相関図&地図を見る(PDF)
(2015年8月5日)



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