今月の本の話題

2015.05.08

書き下ろし短編も収録。本城雅人『ボールパークの神様』[2015年5月]


メジャーリーグも開幕から一ヶ月が過ぎ、今年ヤンキースからマーリンズへ移籍したイチロー選手の話題など、テレビやスポーツ紙を賑わせている。そんなメジャー球団の裏側を舞台とした青春ミステリ『ボールパークの神様』が刊行です。

 ニューヨークの語学学校で留学と称した自堕落な生活をしていた主人公の恭平と篤郎のもとを、現役メジャーリーガー・進藤が訪ねてくるところから物語はスタートする。ニューヨーク・メッツのローテーションピッチャーである進藤と恭平は、高校野球部時代の先輩後輩という間柄。恭平自身も実は甲子園にも出場するほどの野球エリートだったが、とある事情から現在は冴えない青春をおくる日々……。

 進藤が訪ねてきたのはメッツの中で起こった盗難事件を、クラブハウス内で選手の世話をするクラブハウスボーイ(通称:クラビー)として潜入して調査してほしいという依頼からだった。そこから恭平と篤郎の二人の新たな青春が始まる――。

 文庫化にあたって、恭平の高校時代、夏の甲子園地方予選の様子を描いた「次のヤツ出てこい」を収録し、タイトルを『ボールパークの魔法』から『ボールパークの神様』に変更しました。また解説は、実際にメッツでのプレー経験もある吉井理人さんが体験したことを、作中の場面と合わせて記しています。本作で恭平と篤郎の青春と、メジャーリーグの風をぜひ感じていただければと思います。

(2015年5月8日)




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