今月の本の話題

2015.04.06

潜入/変装/ハッキング/科学分析――特技を駆使する4人の活躍! オシーン・マッギャン『ラットランナーズ』[2015年4月]

ラットランナーズ
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 近未来のロンドンで、裏社会の仕事を請け負う“ラットランナー”たち。そのひとりとして過去を隠して生きる少年ニモはある日、恩人である科学者ブランドルから謎のケースを預かるが、ブランドルは何者かに殺されてしまう。
 その直後、ニモはロンドン最大の犯罪組織のボス、ムーブイージーに呼び出され、ブランドルのケースを探し出すよう命じられる。しかしニモはブランドルへの恩義とムーブイージーへの不信からケースのありかを明かさないまま、彼の死の真相を突き止めようと心に誓う。
 ニモは変装の達人マニキンと天才ハッカーFXの姉弟、科学分析に精通する少女スコープとチームを組み、表向きは指示どおりケースを探していると見せかけながら、チームのメンバーにも隠しつつひそかにブランドル殺しの真相について調査を進める。
 やがて、ケースの中身を狙っているのはムーブイージーの組織だけではないことが明らかになる。しかも、敵は犯罪組織だけではない。テロ対策を名目に社会の隅々にまで監視網を張り巡らした政府の治安部門の厳重な眼をも、ニモたちは欺きつづけなければならないのだ。
 ブランドルは誰に殺されたのか? ケースの中身はそれほど重要なものなのか? 犯罪組織と政府の両方を敵に回しつつ、ニモたちはそれぞれの特技を駆使して監視網の死角をかいくぐり、巨大都市ロンドンの裏側を巧みにすり抜けてゆく。時にセキュリティの盲点を突いて建物内に潜入し、時に組織の雇った犯罪者と追いつ追われつの戦いを繰りひろげながら、4人は真実に迫ってゆく……

 そんなスリルに満ちた爽快な都市冒険SF、オシーン・マッギャン『ラットランナーズ』(中原尚哉訳)は、創元SF文庫より4月20日に発売予定です。ロンドン裏路地の屋根にたたずむ4人の主人公たち(と、よく見るとドローンや監視カメラもあちこちに)を描いたカバーイラストは、田中寛崇さんによるもの。お楽しみに!

(2015年4月6日)




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