今月の本の話題

2015.03.05

変わり者で偏屈、そして最高にクールな女性私立探偵あらわる!――サラ・グラン『探偵は壊れた街で』は2015年4月刊行です。[2015年3月]

どれほど傷つけられようと、
わたしは真実を追い続ける。

変わり者で偏屈、そして最高にクールな
女性私立探偵を描く傑作ミステリ!


 みなさまこんにちは。2015年4月、あたためていた新シリーズ1作目、『探偵は壊れた街で』をお届けいたします! こちら、最近めずらしい(?)女性私立探偵が主人公なのです。

 アメリカ南部のニューオーリンズ。ジャズの発祥の地として有名ですが、2005年8月に、大規模なハリケーン、カトリーナに襲われて市内の8割が水没するという被害を受けました。本書は2007年、災害から1年半後にもかかわらずほとんど復旧していない、“壊れた街”を舞台にしています。優秀な私立探偵と言われながらも、偏屈で手に負えないという評判の私立探偵クレア・デウィットは、失踪した検事補の行方を探して欲しいという依頼を受けニューオーリンズに飛びます。そこは、かつて自分の師であった女性探偵とともに暮らした、私立探偵の何たるかを教授された街でした。

 主人公クレアのキャラクターがとにかくすばらしい作品です。鋭い観察眼とひらめきや占いまでもを駆使した独特の探偵術を武器に、巧みに銃を扱い、浴びるように酒を飲み、マリファナさえも常用する……非常にタフでクールな白人女性です。しかし、あたたかな人間味や傷つきやすさがちらりとかいま見えるところも魅力。どれほど傷つけられようと、たとえ真実が歓迎されないものであっても、彼女は謎を追い続けます。なぜなら、「探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけ」だから。

 サラ・グラン『探偵は壊れた街で』は2015年4月上旬刊行です。どうぞお楽しみに!

(2015年3月5日)




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