今月の本の話題

2015.01.07

死刑囚たちが監獄内で推理を繰り広げる、奇想と逆説の本格ミステリ! 鳥飼否宇『死と砂時計』 [2015年1月]

異色の本格ミステリの書き手として独自の地位を築く作家・鳥飼否宇。その著者による渾身の本格ミステリ連作集『死と砂時計』が遂に刊行されます。

舞台は、世界中から集められた死刑囚を収容するジャリーミスタン終末監獄。親殺しの罪で収監されたアラン青年は、そこで“監獄の牢名主”と呼ばれる老人シュルツと出会います。アランは明晰な頭脳を持つシュルツの助手となり、監獄内で起こる事件の捜査に関わっていきます。
「終末監獄」という特殊な舞台設定だけあって、囚人、看守、獄卒……と、ひと癖もふた癖もある登場人物が揃っています。また、犯罪者ばかりの空間、で起こる事件は、奇想と逆説に満ちています。

なぜ囚人は死刑執行前夜、密室状態の独房で殺害されたのか?
なぜ囚人は闇夜ではなく、満月の夜に脱獄したのか?
なぜ監察官は、退官間近に死なねばならなかったのか?
なぜ墓守は、一度埋めた死体を掘り返して解体したのか?
なぜ女囚は、男が一人もいない女子刑務所で身籠ったのか?

五つの謎が解き明かされて最終章、物語は全編を通して蔽い隠されていた主人公の過去に迫っていきます。なぜアラン青年は終末監獄に収容されたのか? その先には、世界を一変させるような、意想外な真相が待ち受けます。
著者の新たなる代表作となる『死と砂時計』、2015年1月に刊行です。


(2015年1月8日)




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