今月の本の話題

2015.01.08

著者の初長編となる海洋冒険ミステリ 沢村浩輔『北半球の南十字星』[2015年1月]

西洋に位置する〈王国〉。かつて海域を暴れ回っていた海賊たちは、王室海軍提督バロウズの活躍により一掃され、王国は平穏の時代を謳歌していた。
しかし、謎多き男アルバート・リスターが率いる海賊連合〈南十字星〉により、バロウズ提督は誘拐されてしまう。身柄と引き替えに、海賊への特赦を出せというリスターの要求は、とうてい受け入れがたいものだった。

提督を見殺しにすれば、王国の議会や民衆が黙ってはいない――そこで海軍は、剣の名手アラン・クリフォード大尉を海賊に仕立て上げ、〈南十字星〉の様子を探らせることにした。
アランに与えられたのは、一隻の海賊船と、元名優で現在は海軍少佐の元で働くダニエル・ソープという協力者。見事な演技力と適当な性格を併せ持つソープに振り回されながらも、アランは何とか乗組員を揃え、大海原に乗り出すこととなった。

計画を着々と進める謎の青年海賊と、密命を受けた海軍大尉。二者の運命が交わるとき、思いもよらぬ連続殺人事件の幕が上がる――。個性的でありながら、それぞれに思惑を抱える海賊たち、直情的な海軍大尉と大酒飲みの元名優ら、魅力的なキャラクターが織なす海洋冒険ミステリ。


第四回ミステリーズ!新人賞受賞作を表題とした連作短篇集『夜の床屋』が大好評の著者が、前作とは趣向を変えて贈る初の長編ミステリです。かつて『宝島』『ピーター・パンとウェンディ』『ふしぎをのせたアリエル号』やアーサー・ランサムの諸作、『ちいさなバイキング ビッケ』などを楽しんだ皆様、是非お手にとってください!


(2015年1月8日)




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