今月の本の話題

2014.11.05

人気シリーズの名探偵たちは、無事に事件を解決できるのか? 笠井潔/岩崎正吾/北村薫/若竹七海/法月綸太郎/巽昌章 『リレーミステリ 吹雪の山荘』[2014年11月]

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雪の舞う大晦日、舞台は山荘村・清沢郷。そこへナディア・モガール、刈谷正雄、《私》、若竹七海、法月綸太郎、有栖川有栖らがそれぞれの思惑を胸にやってきた。やがて新年へ日付が変わるころ、「呪われた幽霊山荘」と呼ばれるいわくつきの山荘を探索していたメンバーは、首なし死体を発見する!
それをきっかけに、次々と起こる不気味な事件。吹雪で周囲から隔絶された中、彼らは無事に真相を暴けるのか?

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本書は豪華キャラクターの競演で贈る、本格リレーミステリ『リレーミステリ 吹雪の山荘』待望の文庫化です(単行本版のタイトルは『吹雪の山荘 赤い死の影の下に』)!人気シリーズの名探偵&ワトソン役6人が一堂に会するリレー小説は、ここでしか読めません。
執筆にあたっての、本リレーミステリのルールは以下の通りです。

・名探偵かそれに準ずるキャラクターを持っている作家の競作であること
・分担章ごとに、それぞれの作者は小さな謎を提出し、章内で解決すること
・担当分執筆直後、各自の最終的な解決予想を書くこと

この条件を元に描かれた本書は、いくつかの見所があります。ひとつめは、各名探偵の鮮やかな推理。幽霊山荘・首なし死体というメインの謎解き以外にも、章内で起こる様々な事件解決が見事に決まります。
ふたつめは、各章の名探偵が視点人物となることで、「あのキャラクターは、他者からこんな風に見えるのか…」という新鮮さ(?)。見慣れたキャラクターたちの意外な横顔も楽しめます。他にも、各シリーズ読者なら分かるネタもさりげなく書かれているので、思わずニヤリとしてしまいます。

そして、最後の最後には意外な仕掛けが待ち受けております。どうか存分にお楽しみください!

(2014年11月5日)




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