今月の本の話題

2014.11.05

名探偵の宿命を、真っ向から描ききった第二作。市川哲也『名探偵の証明 密室館殺人事件』 [2014年11月]

昨年、第23回鮎川哲也賞を『名探偵の証明』で受賞してデビューを飾った市川哲也が贈る、シリーズ第二弾が登場です。
新本格ブームを巻き起こしたほどの名探偵・屋敷啓次郎の名探偵としての生き様を、活き活きと描いた、デビュー作『名探偵の証明』。そして同作でも重要な役割を担った新世代の名探偵・蜜柑花子を中心にした物語が、第二作『名探偵の証明 密室館殺人事件』となっています。

人気ミステリ作家の“取材”依頼から、彼女の自宅「密室館」にやって来た日戸涼は、気がつくと奇妙な部屋で目を覚ます。同様に「密室館」に集められた合計8名は、ミステリ作家から驚愕の申し出を受けることになる。館内でこれから起こる殺人事件を、論理的に解決できれば解放される?! 8名の中には、事件を見届ける役割を指名された、蜜柑花子の姿もあるが予告通りに第一の殺人が起こって……。

デビュー作は名探偵の「老い」をテーマに、そして今作では「宿命」に真っ向から挑んだ意欲作といえます。今回もpomodorosaさんに美麗なカバーイラストを描いていただきました。『名探偵の証明』と併せてお楽しみいただければ幸いです。

(2014年11月5日)




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