今月の本の話題

2014.10.07

日本代表監督探しとスポーツ記者の葛藤と苦悩を描く 本城雅人『誉れ高き勇敢なブルーよ』[2014年10月]


2010年南アフリカ大会をベスト16で終え、次の日本代表監督として複数の候補者(技術委員長がスペイン通とのことから、現マンチェスター・シティ監督のペジェグリーニなど)の名前が各スポーツ紙を飾っていた。そんな中、ある紙面でアルゼンチン人のホセ・ペケルマン(コロンビア代表監督として2014年ブラジル大会にて日本代表と戦ったのも因縁深い)に決定したというニュースが一面を飾った。同日の午後にはアルベルト・ザッケローニの監督就任決定の報が世界に広まったため、その記事は大誤報として知れ渡ることになる――。


 本書『誉れ高き勇敢なブルーよ』は、そんな誤報を打ってしまった新聞記者の活躍と苦悩も読みどころのひとつ。監督探しを請け負うことになる主人公に敵対する存在として、その新聞記者が描かれています。また、スポーツ紙がどのように取材し原稿作りをしているのかが垣間見られる点も魅力です。

ちょうど本書が刊行されるころには、アギーレ監督が率いる日本代表が親善試合として、ジャマイカ戦、ブラジル戦を迎えます。観戦しながら、その背後で様々な人々の思惑や人事が動いていることを想像していくのも楽しいかもしれません。

(2014年10月7日)




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