今月の本の話題

2014.10.07

迫り来る死者の軍団、立ち向かう気弱なネクロマンサー&凶暴な美女! メラニー・カード 『落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館』[2014年10月]

落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館
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落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館

 前巻『落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女』で死体だったシーリアを蘇らせ、心ならずも行動を共にする羽目になったワード。
 闇社会のプリンス殺しの濡れ衣を着せられ、暗殺者に追われて這々の体で飛びこんだ先が邪悪な黒魔術師マセリオの屋敷。
 夜な夜な豪華なパーティが開かれているようだが、どこか妖しい雰囲気だ。どうやらワードはマセリオの弟子候補と間違えられているらしい。
 となればさっさと逃げたほうが身のためだ。なのに屋敷の使用人らしき魅力的な娘に助力を頼まれ嫌とは言えないワード。おまけにいきなり現れた旧知の猟官には盗みを命じられ、どんどん深みにはまっていく……。
 一方シーリアは屋敷に囚われた生ける死者の中にかつての求婚者を発見して愕然とする。

 気は弱いのに正義感が強く頑固な落ちこぼれネクロマンサーのワード、そんなワードに苛々しながらも惹かれてゆく気持ちを抑えられない死せる殺し屋の美女シーリア。そんなふたりの個性が炸裂! 

 闇と魔法の異世界ファンタジー第二弾。



落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女
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落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女

 ネクロマンサーといえば、死者を目覚めさせる黒魔術師。なんとなく邪悪なイメージが……。
 ところが本作の主人公エドワード(ワード)・ディアス四世は、その名からもわかるように名門の出でありながら、もともと医者になりたかったという変わり種。真面目な性格と熱意が災いして墓荒らしと死体解剖の罪で医師協会を追放されたため、いたしかたなく家業であったネクロマンサーをしている次第だ。
 そんなワードに仕事を依頼したのは有力者のカーライル卿。死んだ娘シーリアを目覚めさせてほしいという。
 この世のものとは思えぬほどに美しく、若くして亡くなったシーリア。だが術が成功し目覚めた彼女の本性はとんでもないじゃじゃ馬だった。
 美人の泣き落としにかかり、彼女を長く生き返らせておける呪文をかけたワード。わけがわからないままに、どうやら術は成功、シーリアと一緒に彼女を殺した(そう、シーリアは殺されたのだ)犯人を捜す羽目になってしまった。
 逃亡につぐ逃亡、そして命まで狙われる。
 相棒となったシーリアは絶世の美女、若いワードがよろめかないわけはない。だが、致命的な欠点が……。なにせ彼女は死んでいるのだ。
 気が弱いけど、真面目で頑固で、いがいと頼りになる落ちこぼれネクロマンサーと凶暴だけど魅力的な美女(でも死んでいる)が、黒魔術と権謀術数うずまく世界で裏社会を宛てに手探りで戦いを挑む。

 魔法と闇とロマンスの新シリーズ開幕です。

(2014年10月7日/2014年7月7日)




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