少女 犯罪心理捜査官セバスチャン 下
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少女 犯罪心理捜査官セバスチャン 上
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『少女 犯罪心理捜査官セバスチャン』

 父親、母親、そしてふたりの息子。その家では一家四人が無残な死体で発見された。凶器は散弾銃、怪しい人物はすぐに挙がった。過去に狩猟をめぐって、殺害された一家ともめていた男がいたのだ。ところが、事件への関与を証明することはできなかった。
 現場のあるトシュビー市長の夫で、捜査責任者のエリック・フロディーン警部はとても自分たちだけの手には負えないと判断し、外部から応援を要請する決心をした。警部に昇進したてのフロディーンは、なんとしてでも早急に事件を解決し、自分の昇進が妻のコネではないことを証明したかったのだ。
 そこで呼ばれた最高の人材、それがトルケル率いる国家刑事警察殺人捜査特別班。

 一家皆殺し、目撃者はいない……はずだった。しかし、調べるうちに殺害現場に殺された男の子たちとは別に、もうひとり女の子がいた痕跡が見つかる。女の子は殺害された一家の母親の姪ニコル。惨劇を目撃した恐怖のあまりどこかに隠れているとすれば、早く捜しださないと犯人に狙われる可能性が高い。
 警察を挙げての捜索が行われ、トルケルのチームと一緒に捜査に加わっていたセバスチャンが、ニコルを発見し保護する。だが、ニコルは恐怖から言葉を発することができなくなってしまっていた。果たして少女は犯人を見たのか?
 セバスチャンはニコルを死んだ自分の娘と重ね、なんとか心を開かせようとするのだが……。
 凄腕の迷惑男セバスチャンが、心を閉ざし言葉を失った少女ニコルを相手に大活躍のシリーズ第四弾。



白骨 犯罪心理捜査官セバスチャン 下
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白骨 犯罪心理捜査官セバスチャン 上
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『白骨 犯罪心理捜査官セバスチャン』

 仲のいい女友だちふたりのトレッキング。カーリンは親友のマリアの50歳の誕生日記念に自然のなかを歩く四泊五日のトッレキング旅行をプレゼントしたのだ。だが、あいにくの雨の中、道を間違えてしまう。偶然足を滑らせて落ちたカーリンがぬかるみの中で発見したのは、なんと人間の手の骨。だが、それだけではなかった。訴えを聞き調べ始めた警察がそこで発見したのは、なんと六体の人間の骨だった。集団自殺か、それとも大量殺人か。トルケル率いる殺人捜査特別班は要請を受けて現地へ向かった。

 殺人捜査特別班では、メンバーのひとりヴァニャがFBIの研修に応募していた。優秀な彼女は一次選考を突破し、最終審査を待っているところだった。合格すればひと月後には捜査班からヴァニャが抜けてしまう。彼女の穴を埋めるのはちょっとやそっとの人材では無理だろう。応援の女性警官に加えて、人格的には非常に問題があるが、過去二件の事件で成果を出したセバスチャンを入れるべきだろう。
 トルケルの要請に、いつのまにか図々しくも家に居座ってしまった勘違い女エリノールにうんざりしていたセバスチャンは、渡りに船と飛びついた。女をマンションから追い出し、自分はとっとと飛行機で現場であるイェムトランド県に飛んだのだ。

 現場に到着した捜査班が見たのは、地面に掘られた長方形の穴の底に一列に並んで横たわっている六体の白骨死体だった。うち二体は明らかに小さく、子供のものと思われる。 また、二体はぼろぼろになった服の残骸が脚にまとわりついていた。これはいったい何を意味しているのか。
 それぞれにややこしい事情を抱えた、殺人捜査特別班の捜査の行方は?

 有能すぎる迷惑男セバスチャン・ベリマン・シリーズ第三弾



模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン 下
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模倣犯犯罪心理捜査官セバスチャン 上
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『模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン』

 トラブルに見舞われ、予定より大幅に遅れて出張から帰った夫の目に飛びこんできたのは、妻の無惨な死体だった。

 とはいえこれがふつうの殺人事件であれば、わざわざトルケル率いる殺人捜査特別班が呼ばれることはなかっただろう。
 被害者が自宅の寝室で縛られ、首をかき切られていたのでなければ……。
 その状況は、かつてセバスチャンが捕まえた連続殺人犯ヒンデの手口に酷似していた。だが、ヒンデは現在レーヴハーガ刑務所で服役中のはず。模倣犯の仕業なのか? セバスチャンがこのチャンスを見逃すわけはない。事件とは関係ないまったく自分の勝手な動機から殺人捜査班に加わろうともくろんでいたセバスチャンは、これ幸いと早速トルケルに売り込みをかける。
連続殺人犯ヒンデの手口を模倣した事件は三件におよんでいた。だが四件目が起きるに至って、セバスチャンはあるとんでもない事実に気づいた。すべての被害者が、過去にセバスチャンと関係をもっていたのだ。犯人の狙いはセバスチャン自身なのか?
   慌てたセバスチャンは、とりあえず自分が関係した女性たちに警告しようとする。
 一方レーヴハーガ刑務所の所長は、服役中のヒンデから現在進行中の連続殺人事件解決のヒントを得て手柄にしようと密かに企んでいた。

 凄腕だが自信過剰の迷惑男セバスチャンが帰ってきた! スウェーデンで人気の脚本家コンビが放つ、シリーズ第二弾。



犯罪心理捜査官セバスチャン 下
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犯罪心理捜査官セバスチャン 上
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『犯罪心理捜査官セバスチャン』

「息子が帰ってこないんです」ヴェステルロース警察にかかってきた一本の電話、それがすべての始まりだった。
 行方不明の少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。センセーショナルな事件に、地元の警察から国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。
 捜査特別班のメンバーは、リーダーのトルケル以下四人の個性的で腕利きの刑事たち。そこにひとりの男が加わった。男の名はセバスチャン・ベリマン、殺人捜査特別班のかつてのトッププロファイラー。だがこの男、自信過剰で協調性ゼロ、アドレナリンとセックス中毒、捜査中でも関係者を口説いて寝てしまう、はた迷惑な奴だった。
 殺された少年には以前に通っていた学校でいじめられ、裕福な子どもが通うパルムレーフスカ高校に転校したという過去があった。
 母親、ガールフレンド、友人、校長、担任と、証言を得るうちに次第に浮かび上がり、変化していく少年の姿。
 一方、相手かまわずトラブルを起こす嫌われ者のセバスチャンが加わったことにより、殺人捜査特別班には穏やかならぬ波紋が広がっていた。被害者も証人たちも、そして捜査陣もみな、それぞれの秘密をかかえるなか、セバスチャン自身も実はある事情を隠して捜査に加わっていた。
この作品の魅力は、調べが進むうちに少しずつ明らかになる被害者の少年の姿と、ひととつひとつ暴かれていく周辺の人々が抱えるさまざまな秘密、そして意外な真相に至る事件の展開もさることながら、登場人物の強烈なキャラクターだろう。

 主人公は天才プロファイラーにして、セックス中毒で自信過剰な迷惑男セバスチャン。だが彼は決してそれだけの人物ではない。辛い過去を引きずっているトラウマだらけの男なのだ。
 それに対し、殺人捜査特別班のメンバーは、セバスチャンの加入に困惑顔だ。自分でセバスチャンの加入を認めておきながら、メンバーとセバスチャンの板挟みになり右往左往するリーダーのトルケル。
 そのトルケルと不倫中の凄腕鑑識官のウルスラはセバスチャンへの反発を隠さないし、若手メンバーのヴァニャも、始めて一緒に捜査するセバスチャンの傍若無人ぶりに困惑気味。コンピューターに強いビリーだけがセバスチャンの存在をクールに受け止めているようだが……。

事件もキャラクターも極上! 今年初紹介の北欧ミステリNo1の『犯罪心理捜査官セバスチャン』絶対読みのがしないよう、要チェックです。

(2017年11月8日/2014年5月8日)




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