今月の本の話題

2014.04.07

読めば必ず好きになる! 世界中で愛されているフレーヴィア・シリーズ最新刊『春にはすべての謎が解ける』【2014年4月】

春にはすべての謎が解ける
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『パイは小さな秘密を運ぶ』のフレーヴィア・シリーズ最新刊をお贈りします。解説をご執筆いただいた翻訳家の上條ひろみさんに「シリーズ最高傑作」と評していただいた作品です。

 これまで四つの死体に出会い、そのたびにウキウキワクワク解決してきた化学大好き少女フレーヴィアも、何ともうすぐ12歳。ずっと登場人物が年を取らないと勝手に思い込んでいた編集担当の私のような者にとって、いわゆるサザエさん時空が破られるというショッキングな事実が明かされるところから物語は幕を開けます。
 今作の事件現場はフレーヴィア家の近所のセント・タンクレアス教会の地下霊廟で、折しもそこに眠る聖タンクレアウスのお墓が開かれようとしているところ。もうそれだけでフレーヴィアは興味津々で、呼ばれてもないのにあたりをうろちょろしたりするのですが、当然のことそれだけでは終わりません。例によってとんでもないものをフレーヴィアは見つけてしまいます。
 もっともそれがただの死体であれば、いつものことなのでさほど驚くにはあたらないのですが、今回のは極めて不可解。ガラス管の破片を握り、ガスマスクをつけているというヘンテコな格好なのに、しかも死因は内臓破裂ときていたのです。
 この不可能犯罪(!)ともいえる謎に挑むフレーヴィア。
 犬猿の仲だけどちょっぴり仲良しの姉ふたり、シリーズが進むにつれ作るご飯の描写がどんどん悲惨なことになっていく家政婦のマレットさんなど、フレーヴィアを取り巻く人々も絶好調。
 さらに本書では、最後の最後でフレーヴィア一家にとっても、シリーズ読者にとっても衝撃的な事実が明かされます(余談ながら、私にとっては昨年読んだ原稿の中でも――編集は昨年末からやっておりますので――一、二を争う驚きでした)。
 
 なおこのフレーヴィア・シリーズはBBCでのドラマ化が決定しています。配役はまだ未定で、放映は2015年とだいぶ先の話ですが、情報がわかりましたら、この欄でご紹介申し上げます。

(2014年4月7日)




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