今月の本の話題

2014.03.05

わたしが、未来の女王を守る――『チャーチル閣下の秘書』に続く、マギー・ホープシリーズ第二弾! スーザン・イーリア・マクニール『エリザベス王女の家庭教師』【2014年3月】

エリザベス王女の家庭教師
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わたし、マギー・ホープはチャーチル首相のタイピストから、MI-5の工作員へ抜擢された。だが頭脳は申し分ないが、持久力に難ありとして訓練に落第してしまう。落ち込む彼女に命じられたのは、ウィンザー城に疎開している王女たちの警備役。王位継承権第1位の14歳のエリザベス王女を、ナチスが狙っている恐れがあるというのだ。そして、表向きは数学教師として城に赴くや否や、一大事件が勃発した……!

* * *


 ご存知イギリスのエリザベス女王が即位したのは1952年、25歳のときでした。余談ながら2014年現在で在位期間は62年、これは在位63年7か月のヴィクトリア女王に次ぐ史上第二位の長さです(さらに余談ながら、西タンザニアには在位98年という族長がいたとか……)。
 今回お届けする『エリザベス王女の家庭教師』の舞台は第二次大戦下のイギリスのウィンザー城。当時14歳のエリザベス王女をナチスの手から守るため、警護役にマギー・ホープが送り込まれます。
 シリーズ前作『チャーチル閣下の秘書』でその能力が認められ、タイピスト役の秘書からMI-5の工作員へ抜擢されたマギー・ホープ。戦争がなければ、数学の博士号を得るためにマサチューセッツ工科大学大学院に進学していたはずの才媛ですが(加えて周囲の男がすぐに惚れるほどとても美しいのです! カバーをご参照あれ)、案の定運動神経の方は今一つ。これではとても敵地に送れないと工作員養成学校を失格になってしまいます。
 マギーは自分の能力に非常に自信がありますので、前作のように思い通りにならないことにプンプンするのですが、代わりに命じられたミッションの重大さに納得し、勇躍ウィンザー城へと乗り込みます……。

 著者スーザン・イーリア・マクニールは、『チャーチル閣下の秘書』で2012年に小説家デビュー。同書は、バリー賞を受賞したほか、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞オリジナルペーパーバック部門、マカヴィティ賞、ディリス賞の候補に選ばれました。シリーズ第二弾の本書もマカヴィティ賞の候補に選ばれています。
 このシリーズが注目されたのは、何よりもアメリカ育ちの女性が第二次大戦中のチャーチル閣下のタイピストになるというユニークな設定ゆえだと思います。かくいう編集者のわたくしも、本国のエージェントのカタログで知った瞬間、これは面白そうだと即原稿を取り寄せた次第です。

 カバーイラストは前作に引き続き、シライシユウコさんにお描きいただきました。服装を変え二人の少女を描いていただくことで、前回の「才媛」から「家庭教師」へと見事にイメージを変えていただきました。さらにエリザベス王女にじゃれついている愛犬のコーギーたちにも是非ご注目ください。犬好きの編集者をして絶賛せしめたコーギーです(特に口の開き方とおしりのフォルムが最高! なのだとか……)。

(2014年3月5日)




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