今月の本の話題

2014.02.05

サンフランシスコには24時間営業している不思議な書店があるという話――ロビン・スローン『ペナンブラ氏の24時間書店(仮)』


サンフランシスコの片隅に、24時間営業している不思議な書店があるという。

24時間営業はほかの業種なら決して珍しいことではない。ただ、それがどう見てもさほど繁盛しているわけではない、個人経営の小さな書店となると話は別だ。

それに、この書店がユニークな点は、営業時間だけではないらしい。
信頼できる筋(客ではなく、店員か店員に近い立場の人間のようだ)からの情報によると、この書店にはふつうの本(スティーヴ・ジョヴズの自伝や、アシモフ、ハインラインなどのSF……)も置かれてはいるが、在庫の大半はGoogle検索でもヒットしない「この世に存在しないはずの本」なのだという。

そして、その「この世に存在しないはずの本」は売り物ではない。特定の客たちに貸し出すためのみに存在しているのだそうだ。その客たちは、夜な夜なばらばらに現れては一冊返却して、また別の本を借りていく。まるで何かの儀式のように。

この店に雇われるときの条件のひとつに「店員は本の中身を見てはいけない」というものがあった。しかし、いちばん新入りの店員(元・駆け出しWebデザイナー)はある日、とうとう謎の本の中身を見てしまうのだが、そこには――

Robin Sloan "Mr. Penumbra's 24-Hour Bookstore",2012


※  ※  ※  ※

ロビン・スローン『ペナンブラ氏の24時間書店(仮)』、4月刊行予定。

(2014年2月5日)

 

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