今月の本の話題

2013.11.06

僕のおばあちゃんはもと芸者のお蔦さん 西條奈加『いつもが消えた日』[2013年11月]

フラテイの暗号
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もと芸者でいまでも粋なお蔦さんはご近所の人気者だ。滝本望はそんな祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。
三学期がはじまって間もないある日、同じ中学に通うサッカー部の彰彦と、その後輩・有斗、幼なじみの洋平が滝本家を訪れていた。望手製の夕飯をお腹いっぱい食べ、サッカー談義に花を咲かせた、にぎやかな夜。
しかし望と彰彦が有斗を自宅に送り届けた直後、有斗が血相を変えて飛び出してきた。 「家ん中に、誰もいないんだ!」

シリーズ第1弾、『無花果の実のなる頃に』(創元推理文庫)が続々重版をしている「お蔦さんの神楽坂日記」の第2弾がお目見えです!
もと芸者で粋な望のおばあちゃん・お蔦さんの啖呵はさらにパワーアップし、神楽坂に響きます。粋と人情の街ならではのご近所衆も相変わらずにぎやか。家に帰ったらご近所のみんなが集まってわいわいやっている、なんて羨ましい限りです。頼れる人がいっぱいいというのは心強いですよね。
望の後輩・有斗の消えた家族の行方を追ううちに、少しずつ明かされる家族の秘密――。
側で見守ってくれるお蔦さんのあたたかな眼差しと、望が作る美味しい料理が、そっと勇気をくれる一冊です。

(2013年11月6日)




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