今月の本の話題

2013.11.06

神は気まぐれなティーンエイジャー。メグ・ローゾフ『神の名はボブ』[2013年11月]

フラテイの暗号
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もし神が気まぐれで怠け者で、おまけに惚れっぽいティーンエイジャーの男の子だったら!?
 
 
 そう、我らが神の名はボブ。いいかげんで、だらしなく、気まぐれで、セックスのことばかり妄想している、とんでもないティーンエイジャーなのだ。
 そもそものなぜ彼が地球の神になんかなったのかというと……。
 地球の神の第一候補は直前になって辞退した。地球は宇宙の果てにあり、労働環境が悪すぎたのだ。結局この惑星の管理はポーカーゲームの賭け金にされ、ゲームに勝ったプレイヤー、女神モナが、それをすぐに無気力な十代の息子ボブに譲り渡したというわけだ。
 とはいえさすがに心配した理事たちが、もともと地球への赴任を志願していた中年の真面目な管理職ミスターBをボブの補佐につけた。
 こうして地球の天地創造は始まった。
ボブは光を創った。そして調子に乗って地球の中心を黒焦げにしたために、ミスターBが後始末を引き受け、ボブが眠っている間に引力を創り、昼と夜を分けた。
 目がさめたボブは陸と海を創り、思いつくままに気まぐれに、植物を、動物を創り出した。「水の中には魚系の生き物、空には鳥系ね」というわけだ。
 ボブはありとあらゆる生き物たちで地を埋め尽くしたあげくに、とどめとしてとんでもなく無謀な、自殺行為ともいえる驚愕の行為に出た。自分に似せて人を創り、彼らに海の魚、空の鳥、地の獣のすべてを支配させたのだ!!
 それが破滅への序奏であることは誰の目にも明らかだった……。
 そしていま、いい加減な神ボブが(またしても)若い女性に恋をした……。

 カーネギー賞、ガーディアン賞を授賞した実力派の作家が贈る、ポップで、八方破れで、それでいてなぜか心がしめつけられる、腹が立つけどなぜか憎めない“神”ボブと世界の物語。

(2013年11月6日)




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