今月の本の話題

2013.10.07

写真家を目指す少女と天体観測が趣味の青年の恋と謎解きを描く傑作ミステリ! ドイツで25万部突破のイザベル・アベディ『日記は囁く』[2013年10月]

この夏、あたしは、
あなたと、心ふるえる謎に出会った。

日記は囁く
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 ドイツで25万部を突破した大人気のミステリ、イザベル・アベディの『日記は囁く』をお届けします! 本書はドイツで活躍する児童文学作家が若者向けのミステリとして書いた作品で、田舎の小さな村にバカンスにやってきた少女と、地元の青年の恋を描いた物語でもあります。

 写真家を目指す16歳のノアは、母親とその友人ギルベルトとともに、美しいヴェスターヴァルト地方の村に建つ、築500年の屋敷を借りてバカンスを過ごすことになりました。ある夜、超心理学に詳しいギルベルトに影響され、降霊術を行ったノアと村の青年ダーヴィトは、その家で30年前に殺されたという18歳の少女、エリーツァの霊を呼び出してしまいます。彼女の語ることは本当なの? 真相を究明するため、ふたりは密かに探りはじめますが……。

 30年前に殺されたというエリーツァは、〈白雪姫〉にたとえられるほど美しい少女でした。そんな彼女が書き残した日記の断片が、各章の冒頭に綴られています。ちょっと小悪魔的魅力のある美しい少女の日記の文章と、その章でのノアたちの想いや行動が重なりあい、不思議な物語がつむがれていきます。たとえば、ある章での日記に小説が登場すると、同じ章でノアが同じ本を見つけたり……。そしてその重なりように惹かれて読み進めていくうちに、ラストで驚くべき事件の真相が明らかになります。

 イザベル・アベディは1967年ドイツ、ミュンヘン生まれの作家です。13年間コピーライターとして活躍したのち児童文学作家としてデビューし、著作は40を超える人気作家です。本書でも少年少女の心の機微を見事に描いています。ノアは魅力的な青年、ダーヴィトのことが気になるのですが、どうしても生意気なことを言ってしまったり、若くて有名な女優である母親に対して反抗的な態度をとってしまいます。自分でもどうしようもできない、行き場のない想いを抱える少女が、とんでもない謎に出会ってしまった夏を越えてどのように成長するのか……。青春小説としての一面もあわせ持つミステリです。

 『日記は囁く』は10月30日頃発売です。どうぞお楽しみに!

(2013年10月7日)




【2009年3月以前の「本の話題」はこちらからご覧ください】

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