今月の本の話題

2013.06.05

8月刊行! 破格の新人作家リンジー・フェイの『ゴッサムの神々――ニューヨーク最初の警官』(仮)を一足先にご紹介します[2013年6月]

 2013年8月、破格の新人作家リンジー・フェイの『ゴッサムの神々――ニューヨーク最初の警官』(仮)を刊行いたします。そこで6月、7月に、書評やインタビューで作品の魅力をご紹介していきます。

* * あらすじ * *

1845年,ニューヨーク。バーテンダーのティムは街を襲った大火によって顔に火傷を負い、仕事と全財産を失ってしまう。新たに得た職は、創設まもないニューヨーク市警察の警官だった。慣れない仕事をこなしていたある夜,彼は血まみれの少女と邂逅する。「彼、切り刻まれちゃう」と口走って気絶した彼女の言葉どおり、翌日胴体を十字に切り裂かれた少年の死体が発見される。だがそれは、ニューヨークを震撼させた大事件のはじまりにすぎなかった……。不可解な謎がちりばめられた激動の時代を生き抜く人々を鮮烈に活写した傑作ミステリ!

著者近影
著者近影
Photo © by Melinda Caric
 著者のリンジー・フェイは女優にして作家という才女です。熱烈なシャーロキアンで、女優として活躍しながら書いた Dust and Shadow : an Account of the Ripper Killings by Dr. John H Watsonという、シャーロック・ホームズのパスティーシュ作品でデビューしました。
『ゴッサムの神々――ニューヨーク最初の警官』はなんと、2冊目にしてMWA賞最優秀長篇賞にノミネート! おしくも受賞は逃しますが、有名な書評誌である〈パブリッシャーズ・ウィークリー〉の2012年ベストミステリトップ10と、〈カーカス・レビュー〉の2012年ベスト犯罪小説トップ10に入りました。また2013年全米図書館協会が発表したトップフィクションリストでミステリー部門賞を受賞するなど、新人作家としては破格の高評価を得ています。

 高名な作家たちからのすばらしい書評もあります。どうぞ8月をお楽しみに!

* * *

マイクル・コナリー(《ハリー・ボッシュ》シリーズ)
 すばらしい作品だ。著者には歴史上のディティールを自在に描写する力があるが、それ以上にキャラクターを魅力的に書き分ける方法を知っている。私は最初のページを開いた瞬間、すぐに本書に没入し、そこから離れることを一度として望まなかった。ほんとうにとてつもない読書体験だった!

マシュー・パール(『ダンテ・クラブ』)
 リンジー・フェイはたぐい希な才能を持つ作家だ。彼女は大胆かつ優美に過去を再現している。まるで現在、登場人物たちが我々のすぐそばにいるように思えるほどだった。歴史小説でこのように書くのはとても難しいはずだ。本書はミステリというジャンルの読者に対する、最高の贈り物だと思う。読む者は必ずや満足できるだろう。次の作品も楽しみに待ちたい。

ローリー・R・キング(『シャーロック・ホームズの愛弟子』)
 興味深い複雑さと、心地よい読みやすさがある。要するに、とても魅力的。生き生きとしたキャラクター描写と時代設定のうまさは、すでに名のある作家の仕事のようだ。これからもたくさんのすばらしい小説が書かれるだろうが、その中でもリンジー・フェイは花火のような桁外れの新人作家に違いない。

ダニエル・スタシャワー(『コナン・ドイル伝』)
 革新的な作品だ。フェイは1840年代のニューヨークのみすぼらしい通りに、現代ミステリのスリルと情熱をもたらした。彼女は、魅惑的な歴史の一場面や心を強くとらえる活力、ひねりの効いた展開、鮮烈なキャラクターを描く力、そして歴史的事実を調べ上げる優秀な調査力を持っている。最高の小説だ。

オットー・ペンズラー
 この作品を読むと、まるで魔法のようにタイムトラベルができる。目に入るもの、音、匂い、そして1840年代の混沌とした状況に圧倒されることになる。だが、本書が第一級のミステリであるという事実を見失うことはないだろう。私は、著者が次に紡ぎ出す物語を待ちきれない。

(2013年6月5日)




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