今月の本の話題

2012.10.05

舞台はニューヨーク 野球小説の名手が贈る青春ミステリ 本城雅人『ボールパークの魔法』[2012年10月]

ボールパークの魔法
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10月に入りメジャーリーグ(MLB)もシーズンが大詰め。続々とプレーオフ進出チームが決定しています。ヤンキースのイチローやレンジャースのダルビッシュの活躍に連日、日本でも盛り上がってきています。
ニューヨーク、そしてメジャーリーグを舞台に、日本人二人の青年の奮闘を爽やかに描いた作品が今作『ボールパークの魔法』です。メジャーリーグとはいっても野球選手ではなく、裏方をつとめる若者の物語。

語学学校に通いつつも、日々自堕落な生活を送っている恭平と篤郎のコンビ。恭平は元高校球児ながらも、あるトラブルで目標を見失っています。一方の篤郎は、手先は器用なものの、恭平同様に目標もなくダラダラと過ごしています。
そんなある晩、二人の部屋をあるメジャーリーガーが訪ねてきます。ニューヨーク・メッツでローテーションピッチャーを務める進藤孝司だった。因縁のある進藤の突然の訪問に、恭平は困惑しつつも彼の依頼を引き受けることに。チーム内に発生した窃盗事件を調べてほしい――。進藤の伝手で、クラブハウスボーイ(通称:クラビー)として働くことになった二人は、食事の準備や洗濯に追われることになります。しかもその間に、第二の事件まで発生し……。果たして恭平と篤郎のコンビは、メッツのチーム危機を救うことができるのか?

そのほか、選手の家族の失踪事件や、日本人ルーキーのサポート、スランプに陥った四番打者の原因究明等など、キュートな筆致で贈る連作短編集をお楽しみに。


収録作品:「マリソルの指先」、「世の中甘くねえぞ、坊や」、「アフリカに行って地雷を踏め」、「牧師の後継者」、「さすらいの仕事人」
(2012年10月5日)




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