今月の本の話題

2012.04.05

九年ぶりの三男(!?)誕生!  助産師シリーズ最新刊、青井夏海『赤ちゃんはまだ夢の中』[2012年4月]

『赤ちゃんをさがせ』からスタートする、見習い助産師の陽奈ちゃんと、聡子さんのコンビが、自宅出産のために出会う妊婦さんたちの抱える謎に挑む、〈助産師探偵シリーズ〉が九年ぶりに帰ってきました。

今回は、どこの家庭も臨月間近の妊婦さんばかり。可愛い赤ちゃんの誕生間近という大切な時期のはずなのに、助産師コンビのお邪魔するご家庭では「夫と別れて新しい彼氏のところへ行きたい」「居候を何とかして」「借金取りがしつこくやって来る」など、問題だらけ。妊婦さんには、静かに出産準備を進めてほしいのに!
ついつい勢いと好奇心に負けて首をつっこむ陽奈ちゃんだが、謎解き役は「三歩あるけば妊婦にあたる」といわれるほどの伝説的な助産婦・明楽先生。助産婦を引退後に中国茶講座に行ったりと、悠々自適の生活を送る日々。しかしながら、長年の経験から来る、鮮やかな推理力にはただただ脱帽するばかりです。

出産といえば女性だけのものですが、近年では男性が立ち会うことも多いですし、「イクメン」さらには定年退職してはじめて育児に参加するおじいさんたちを指す「イクジイ」という言葉も定着しています。ぜひ男性にも読んでいただきたいシリーズです。

「隅の老人」ならぬ「隅のお産婆」が鮮やかに推理する、安楽椅子探偵ミステリをご堪能ください。
(2012年4月5日)




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