今月の本の話題

2012.03.05

舞台はヴィクトリア朝エジンバラ。警部補&新米医師の活躍を描く軽やかな傑作歴史ミステリ『修道院の第二の殺人』[2012年3月]

「もしスティーブンスンが犯人捜しを書いていたら、ファロ警部補という探偵は彼が生み出したにちがいない」  ――サンディ・ポスト紙

 アランナ・ナイトはスコットランド出身の女性作家です。ミステリ、歴史小説、ゴシック・ロマンス、ノンフィクション、伝記など多彩なジャンルをカバー、著作は60作に及んでいます。スコットランド作家協会の設立者のひとりで、国際ブックフェアや数多くの図書館イベントに呼ばれる作家歴40年の大ベテラン作家! そんな著者の代表的なシリーズが、本作『修道院の第二の殺人』からはじまり、1988年から現在まで14作続いている〈ファロ警部補シリーズ〉です。

* * * あらすじ * * *

煙ただよう古都(オールド・リーキー)、ヴィクトリア朝エジンバラ。パトリック・ハイムズは修道院で働く妻と、そこの学校の教師だった女性を殺した罪で絞首刑に処された。しかし、彼は妻の殺害は認めたが、第二の殺人は頑として否認したまま死んだのだった。彼の最後の訴えを聞いたファロ警部補は、新米医師である義理の息子のヴィンスと再捜査を始める。歴史ミステリの大家が贈る、軽快な犯人捜し(フーダニット)!

* * *

 エジンバラ市警察に勤めるジェレミー・ファロ警部補は、やもめの刑事。亡き妻とのあいだに生まれた八歳と六歳の娘をオークニー諸島に住む母親のもとにあずけて、妻の連れ子であるヴィンスと暮らしています。観察眼の鋭い敏腕刑事であるにもかかわらず、シェークスピアやチャールズ・ディケンズ、ウォルター・スコットを愛する感性ゆたかな男性で、恋に落ちて純情な一面を見せてくれるなどチャーミングさも兼ね備えた魅力的な人物です。

 ほかにも、義理の息子で新米医師であるヴィンス(金髪の美男子!)や、ファロ家のおしゃべりな家政婦、ファロが目のかたきにしている美青年巡査、美貌のシェークスピア女優……などなど、すばらしいキャラクターが数多く登場します。

 「英国の図書館で、もっとも愛されている作家のひとり」と言われる大作家が贈る、謎とシェークスピアの戯曲に彩られた軽やかな傑作歴史ミステリ。ファロ警部補の活躍をお楽しみください!
(2012年3月5日)




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