今月の本の話題

2012.01.05

アイルランドの音楽と伝承に彩られたロマンティックファンタジー マギー・スティーフベーター『ラメント――妖精の騎士に捧げる哀歌――』[2012年1月刊]

   あなたの夢に行きつ戻りつ
   忘れられないハープの音に合わせ
   あなたが亡くなったあの日
   わたしは心であがなった
   あなたの夢に行きつ戻りつ
   わたしの心は引き裂かれた
   もうこの歌をうたうことはない

   もうハープの音を聞くことはない……

 もう、こんなのいや。人前で演奏しようとするたびに胃がむかむかして、トイレに駆け込むはめになる。
 コンクールでの演奏を前に緊張のあまりもどしてしまったハープ奏者のディアドラ。そんな彼女を助けてくれたのは、不思議な若者ルークだった。
 ルーク・ディロン、昨夜の夢に出てきた美しく不思議な若者。あたかも魔法にかけられたかのようにルークに導かれるまま舞台にあがるディアドラ。彼女のハープとルークのフルートは聴衆を魅了した。
 美しい容姿に謎めいた雰囲気。誰も彼の名前を覚えられない。ルークの出現を機に、ディアドラの周辺に次々と不気味なことが起こり始める。
 アイルランドの音楽と伝承に彩られたロマンティックファンタジー。
(2012年1月5日)

 

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