今月の本の話題

2011.05.06

CWA受賞作『エルサレムから来た悪魔』に続く中世ミステリ第二弾 アリアナ・フランクリン『ロザムンドの死の迷宮』[2011年5月刊]

CWA受賞作『エルサレムから来た悪魔』に続く中世ミステリ第二弾
国王の愛人殺しの謎に挑む女医アデリアの活躍


 12世紀のケンブリッジで起きた連続殺人を描き、CWA(英国推理作家協会)最優秀歴史ミステリ賞に輝いた『エルサレムから来た悪魔』、待望の続編が登場です。

 本書『ロザムンドの死の迷宮』は前作からおよそ一年後が舞台。検死の術に長けた女医アデリアはアリーという名の娘をさずかり、忠実な召使いマンスールや剛胆な老女ギルサとともに、沼地の奥でつつましやかに暮らしていました。
 しかし、そこにアリーの父であり、いまや周辺の地方一帯をしきるセントオールバンズ司教となったロウリー・ピコウから呼び出しがあります。あたりを迷路に囲まれたワームホールド塔に住まい、国王ヘンリー二世の寵愛を一身に受けていた愛妾ロザムンド・クリフォードが、何者かに毒を盛られたというのです。
 そう聞いて、誰もが犯人として疑ったのが王妃エレアノール。国王の不興を買って幽閉されていた王妃は、その幽閉先から姿をくらましていました。このまま王妃が犯人だと断定されれば、国王と王妃の破局は必至、十数年平和が続いたイングランド王国は、ふたたび戦乱に巻きこまれてしまいます。
 戦を防ぐため、ロウリー司教は医学の知識と鋭い頭脳を持つアデリアに、ことの真相を解明させようとするのでした――

 厳冬のイングランドに展開する陰謀・殺人・冒険……歴史ものならではの味つけもふんだんに盛りこんだ出色の中世ミステリを、どうぞご堪能ください。
 女医アデリア・シリーズ第2弾『ロザムンドの死の迷宮』は、5月28日刊行予定です。
 
※  ※  ※  ※

 ケンブリッジを震撼させた連続殺人は過去のこと。わが子アリーや召使いのマンスールたちと平穏に暮らしていた女医アデリアは、アリーの父ロウリー司教に呼び出される。迷路に囲まれた塔の中で、国王ヘンリー二世の愛妾ロザムンドが毒を盛られたのだ。最大の容疑者である王妃エレアノールは雲隠れしており、このままでは国全体を巻きこむ戦乱が起きてしまう。
 アデリアはその検死の技と推理で真相をつかみ、戦を阻止できるのか。出色の中世歴史ミステリ第二弾。
(2011年5月6日)

 

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