今月の本の話題

2011.02.07

陰謀渦巻くイングランド宮廷でペトラの運命は? 〈クロノス・クロニクル〉第2弾 マリー・ルツコスキ『天球儀とイングランドの魔法使い』[2011年2月刊行]

『天球儀とイングランドの魔法使い』

 ボヘミアの王子のもとから、首尾よく父の目を取り戻し、イングランド大使ジョン・ディーとの約束どおり危険なスタロ時計を破壊したペトラ。
 しかし王子がそのまま手をこまねいているはずはない。ペトラの平和な暮らしも束の間、王子の放った灰色の怪物が親子を襲う。
 あやうく怪物に殺されそうになり、気を失ってしまったペトラだが、気がつくとボヘミアからはるかに離れたイングランドのディーのもとに保護されていた。相変わらず敵か味方かわからない謎の男ディー。ペトラは彼の周囲に渦巻くイングランド宮廷の陰謀に巻きこまれていく。
 一方ペトラを捜していた幼なじみのトミックは、うっかり時空の裂け目に足を踏み入れ、海のジプシーに捕まってしまう。彼らの目的は天球儀(セレスチアル・グローブ)。天球儀とその対である地球儀(テレストリアル・グローブ)があれば空間を自由に移動できるというのだ。
 離ればなれになったペトラとトミックは再会できるのか? 灰色の怪物に連れ去られた父ミカルの運命は? 
 ますます目が離せない、〈クロノス・クロニクル〉第2弾。



『ボヘミアの不思議キャビネット』

 菜の花盛りのボヘミアの田舎道、一台の馬車がひとりの男を運んできた。着いた先はオクノ村、男はこの村に住む天才時計職人のミカルだった。
 ミカルはボヘミアの王子に招かれてサラマンダー城で働いていたが、突然両目を奪われて帰されてきたのだ。
 それというのも、金属に対して魔法の力をもつミカルの両眼を、王子が〈不思議キャビネット〉のコレクションに欲しがったからだというのだ。
 あまりの仕打ちに憤ったひとり娘のペトラは、サラマンダー城に忍び込んで父の目を取りもどそうと決意する。父にも、母親がわりの年上の従姉妹にも内緒で首都プラハをめざすペトラ。お伴はミカルがつくった賢いブリキのクモ、アストロフィルだ。
 運良く都で知りあったロマの少年の手引きでなんとか城への潜入を果たすが、イングランド大使ジョン・ディーに正体を見破られてしまう。ところが敵か味方か、ディーは正体をばらさないでおく見返りとしてペトラにある取り引きをもちかけてきた。

 魔法と陰謀が支配する不思議な世界のボヘミアを舞台にした〈クロノス・クロニクル〉第1弾。

(2010年11月5日/2011年2月7日)

 

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