今月の本の話題

2011.02.07

本格黄金期の名作、初文庫化 アントニイ・バークリー『第二の銃声』[2011年2月刊行]

「2002本格ミステリベスト10」海外部門第1位に輝き、同書2011年版の「“ゼロ年代”2000-2009海外本格ミステリ オールベスト・ランキング」でも第3位に選出された『ジャンピング・ジェニイ』の文庫化、毒入りチョコレートによる殺人事件をめぐり六者六様の推理が繰り広げられる『毒入りチョコレート事件』新版の刊行に続いて、いよいよ黄金期本格の鬼才・バークリーの著作の中でも五指に数えられる重要な作品『第二の銃声』が創元推理文庫に収録されます。

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 高名な探偵作家の邸で行われた推理劇。被害者役を演じることになったスコット=デイヴィスは、ロンドンの社交界でもプレイボーイとして鳴らす男で、その傍若無人な態度と女癖の悪さから、邸に滞在する人々のほぼ全員から憎まれていた。
 複雑な人間関係が織りなされる中、近隣からゲストを招いて、いよいよ八人の男女による推理劇が幕を開ける。だが、筋書き通り無事に終わったかと思いきや、二発の銃声が響き、そののち死体役を演じていたスコット=デイヴィスは、本物の死体となって発見される。
 犯人役となった本書の語り手・シリル・ピンカートンは、事件発生時の状況から第一容疑者となってしまう。彼はアマチュア探偵として名高い、友人のロジャー・シェリンガムに助けを求めるが……

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 二転三転する証言と論証、驚きの結末、鮮やかな幕切れ――と、バークリーならではの妙味溢れる名品。巽昌章さんの解説も必読の本書は2011年2月上旬発売です。
(2011年2月7日)

 

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