今月の本の話題

2010.05.07

結婚式に葬式と、ペニーフット・ホテルは大忙し! ペニーフット・ホテル第3弾 ケイト・キングズバリー『マクダフ医師のまちがった葬式』[2010年5月]

●最新刊『マクダフ医師のまちがった葬式』

 紳士淑女御用達の隠れ宿、ペニーフット・ホテルは大忙しだった。
 メイドのガーティーが、もとボーイにしていまや厩の責任者のイアンと結婚するというので、従業員を家族同然に思う女主人のセシリーが、披露宴と舞踏会を開いてくれることになたのだ。
 だが、めでたいことばかりではない。村でも皆に慕われ、ホテルの女主人セシリーが幼いころから世話になっていた老マクダフ医師が亡くなったのだ。
 葬儀をとりしきるのはセシリーの友人フィービの愛息子で牧師のアルジー。
 ところが、その葬儀でとんでもない事件が発生。なんとマクダフ医師の柩のなかにいたのは本人ではなく見知らぬ若い男。しかも心臓を刺されて殺されていた。
 当然葬儀は延期。殺された男は誰でなぜ殺されたのか? 肝腎のマクダフ医師の遺体はどこに?

 今回はホテルとはなんの関係もない事件……のはずだったのだが、セシリーと支配人のバクスター、メイド頭のミセス・チャッブとシェフのミシェル以外には絶対秘密のはずのホテルの献立表が、死体のそばで発見されてしまう。ガーティーの結婚騒ぎでてんやわんやのホテルを尻目に、セシリーは堅物の支配人バクスターの制止を振り切り、犯人捜しに乗り出す決心を固める。

 好評シリーズ第3弾。

『バジャーズ・エンドの奇妙な死体』

 ここはペニーフット・ホテル。鄙びた田舎町バジャーズ・エンドにひっそりと建つ、紳士淑女御用達の隠れ処だ。上流階級に人気の宿で、プライバシーと従業員の口の固さは保証付き。さるやんごとない方も宿泊されるとか、されないとか。
 亡き夫の遺したホテルをけなげに守る、勝ち気で行動的な女主人セシリーと、よく言えば忠実で謹厳実直、悪く言えば堅物で融通がきかない支配人がしっかりと切り盛りしている。

 ところがホテルのあるバージャーズ・エンドで、灯台建設の現場監督が不審死。どうやら現場監督は、死の前にホテルの装花係でセシリーの友人マデラインの家に行ったらしい。
 おまけに、ホテルの元ボーイで、メイドのガーティの恋人イアンとも、なにやら衝突があったあしい……

 静かな町での事件は、ただでさえホテルには痛手なのに、そのうえホテルの関係者がふたりも疑われているとあっては、見過ごすわけにはいかない。メイドの妊娠騒ぎに友人の恋愛騒動、内憂外患をかかえ、ホテルを気丈に切り盛りするセシリーは、支配人バクスターの心配をよそに調査をはじめる。
 古き良き英国の香り漂うシリーズ第2弾。


『ペニーフット・ホテル受難の日』

 ここはペニーフット・ホテル。静かな田舎町バジャーズ・エンドにひっそりと建つ隠れ家のような快適なホテルだ。上流階級に人気の宿で、プライバシーと従業員の口の固さは保証付き。
 そんなホテルで、ひとりの宿泊客の婦人が墜落死した。どうやら屋上庭園から転落したらしい。事故、自殺、それとも?
  ちょうどホテルでは、催しものとして、仮面舞踏会が開かれようとしていた。テーマはなんとアラビアン・ナイト。スルタンも、踊り子たちも、そして余興の目玉ニシキヘビ“ヘンリー”も、準備万端のはず……!?
 宿泊客の墜落死と行方不明の大蛇、相次ぐトラブルに、亡き夫が遺したホテルの名誉と評判を守ろうと、勝ち気で行動的な女主人セシリーが立ちあがり、忠実で謹厳実直な支配人のバクスターとともに、こっそり宿泊客らに事情を聞いてまわるのだが……。

 20世紀初頭、イギリスの保養地にある優雅なホテルで起こる事件の数々と、そこに関わる紳士淑女の人間模様を描くシリーズ第1弾。
(2009年9月7日/2010年5月7日)

 

【2009年3月以前の「本の話題」はこちらからご覧ください】

推理小説の専門出版社|東京創元社
バックナンバー