今月の本の話題

2014.08.05

主婦探偵、ボストンに出張。 新聞王の死の真相に迫る! レスリー・メイヤー『新聞王がボストンにやってきた』[2014年8月]

●最新刊『新聞王がボストンにやってきた』(2014年8月刊)

  ルーシーが記者として働いている、ティンカーズコーヴの小さな地方紙『ペニーセイヴァー』が〈今年の最優秀コミュニティ新聞〉に選ばれた。
 記者としての腕にさらに磨きをかけようと、ボスのテッドと一緒にボストンで開かれる新聞協会の年次総会に出席することになったルーシー。
 大学をやめ修復専門の父親の元で働き始めた長男や、金持ちの家でベビーシッターを務めることになった長女、思春期まっただ中の次女など、残してきた家族を心配しつつも久々の都会と同業者たちとの交流を満喫していた。
 だがそんな矢先、新聞業界の大立て者ルーサー・リードが晩餐会中に急死した。しかも殺害されたらしく、警察が関係者を調べ始めた。犯人は家族の誰かか、それとも新聞業界にいるのか?

 噂では、ルーサー・リード率いるパイオニアプレス・グループの業績は決して順調ではなく、売却の話も出ていたという。
 年次総会でのパネルディスカッションも面白いが、事件の方が何倍も興味深い! 新聞記者ルーシーの好奇心&探偵根性がうずきだした。

 主婦探偵ボストン出張編。好評シリーズ第10弾。



『九十歳の誕生パーティ』(2013年5月刊)

 弁護士ボブが〈コブ・アンド・ゴールドマン法律事務所〉のパートナー、シャーマンの死体を発見した。シャーマンはデスクに突っ伏し、吸い取り紙には血が広がっていた。電話の横には小型拳銃が転がっている。
 警察は明白な自殺と判断したが、ボブはどうしても納得できず、妻レイチェルの友人にしてパートタイムの新聞記者で、これまで殺人事件を何件も解決(?)してきたルーシーに調査を依頼した。
 一方、ルーシーと友人のスー、レイチェル、パムの四人が集まる恒例の朝食会で、もと司書のミス・ティリーの九十歳の誕生日に町を挙げてのパーティを開くことが決まり、仕切り屋スーの采配のもと、当然ルーシーもこき使われることに。
 そんなおり、ミス・ティリーのもとに、勘当された姉の娘だという女性が訪ねてきた。初めて会う姪を、ミス・ティリーは大喜びで迎える。
 いつの間にやら思春期に突入した次女セアラ、大学での成績不振に悩む長男トビーと、子どもたちも手がかかる。おまけに夫ビルが仕事中に足を折る大けがを負う始末。
 そんなこんなに忙殺され、事件の調査は一向に進まない。
 家族の世話に新聞記者の仕事、殺人事件の調査にパーティの準備、主婦探偵は今日も大忙し!

 好評主婦探偵シリーズ 第9弾。


『はた迷惑なウェディング』(2012年7月刊)

 ルーシーの親友スーの娘が婚約した。相手はなんとIT業界で今注目の大富豪。
 ささやかで心のこもった結婚式にしたいというスーに頼みこまれ、ビルが造ったばかりの自宅のあずまやを結婚式に提供することにしたルーシー。その結果、ただでさえ新聞記者の仕事をフルタイムにして多忙をきわめていたところへ、結婚式の手伝いまで加わり、ルーシーは気も狂わんばかりに。
 上を下への大騒ぎのところに、結婚相手の母親がしゃしゃり出てきた。どうやら、彼女は大富豪にふさわしい大がかりな式を目論んでいるらしい。困惑するルーシーとスー。
 だが、花婿が豪華なクルーザーで開いたウエディングシャワーのパーティでとんでもない事態が発生……。
 ルーシーの新婚時代の思い出もサービス、好評主婦探偵シリーズ第8弾。


『感謝祭の勇敢な七面鳥』

「あれが血も涙もない殺し屋の顔かい?」
 週刊新聞『ペニーセイヴァー』の記者として、(ニワトリの)大量殺戮犬カジョーの聴聞会の取材をしていたルーシーだったが、そこで知った町の行政委員会の実態に怒り爆発。
 犬の飼い主が先住民だからって差別されていいのか? 
 さらに先住民部族の一部がティンカーズコーヴにカジノ建設を計画していることが判明。そしてついに殺人が! 
 大学に行って家を出ていた長男の久々の帰宅に、感謝祭ディナーの準備とてんやわんやのルーシー。空の巣症候群になやまされ、おもわず犬を引き取ってしまうが……。
 主婦探偵兼記者のルーシーが、事件に立ち向かう。

 今回は感謝祭のメニュー付き! 好評シリーズ第7弾。


『史上最悪のクリスマスクッキー交換会』

「今年はクッキー交換会はなし」親友スーの無情な言葉に、ルーシーは愕然とした。
 毎年この時期にスーの家で開かれる、クリスマスクッキー交換会を楽しみにしていたのだ。ルーシーだけではない、ビルや子どもたちにとっても、交換会の戦利品であるとりどりのクッキーは、クリスマスのお楽しみだった。
 そんなこんなで(?)、どういうわけか自宅を交換会の会場に提供することになってしまったのだが、そこでルーシーを待っていたのは並大抵の苦労ではなかった。
 飲酒運転撲滅のビラを勝手に持ち込む者あり、自身の離婚のことばかり話題にする者あり、さらに息子の大学進学問題で参加者同士が一触即発の状況になってしまう。
 最悪の交換会でぼろぼろのルーシーに追い打ちをかけるように、参加していた若い女性がなんと翌日死体で発見された。

 クリスマスシーズン真っ盛り、好評主婦探偵第6弾。


『バレンタインは雪あそび』

 4人の子どもの母親にして週刊新聞の臨時記者。ただでさえ大忙しなのに、加えて図書館の理事まで引き受けてしまったルーシー。
 初の理事会に出席すべく末っ子のゾーイを連れて張り切って図書館に行ったはいいが、そこで発見したのは司書の射殺死体。理事会どころではないと、慌てて通報したところ、馴染みの警部補から容疑者扱いされたうえ、事件に首を突っこまないよう釘をさされる。
 事件発生当時図書館にいたのは、お話し会に来ていた親子連れをのぞけば、ルーシーを含めた図書館の理事たちだけ。犯人はその中に?
 犯人扱いされた悔しさに記者根性もあいまって、夫ビルとのバレンタインデートもなんのその、バレンタイン目前のティンカーズコーヴで、ルーシーは真犯人を探ろうとする。だが、それがさらなる事件を呼んで……。
 好調シリーズ第5弾。


『授業の開始に爆弾予告』

 長かった夏休みもおわり、やっと新学期が始まった。
 子供たちを愛してはいものの、4人もいるとなれば、さすがに学校に行ってくれるとほっとする。
 久々に自分だけの時間を持てたルーシーは、臨時職員として町の週刊新聞『ペニーセイヴァー』のオフィスで働くことに。
 ところが留守番中に、次女が通う小学校に爆弾がしかけられたとの警察無線を傍受、とにかく現場にかけつける。
 幸い爆発は小規模だったし、新任の女性副校長の捨て身の活躍により、とり取り残された子供も救出された。この美談に、たちまち副校長は英雄扱いだ。
 だがそんな矢先、話題の渦中にいる当の副校長が殺害されてしまった。
 子供たちの教育にかかわる問題とあれば、黙っているわけにはいかない。母親として、家庭の主婦としてだけの自分になんとなく物足りなさをおぼえていたルーシーは、新聞の仕事と称して早速調査にあたるのだが……。
 好調主婦探偵シリーズ第4弾。


『ハロウィーンに完璧なカボチャ』

 ルーシーの夫ビルがかけだしのころに修復した、美しい屋敷が全焼。どうやら放火によるものらしい。焼け跡からは、ルーシーとビルの共通の友人でもある屋敷の女主人の焼死体が発見された。
 ティンカーズコーヴでは、このところ古い建物の火事が妙に続いている。自分も古い農家に住むルーシーは不安を募らせる。
 折しもハロウイーンをひかえて、ティンカーズコーヴは町をあげてのお祭り気分。ルーシーも赤ん坊の世話に大わらわだというのに、うっかり大量のカップケーキを焼く羽目に。おまけに夫はお堅い歴史地区保存委員会の委員に指名され、子供たちはいたずらざかり……。
 大騒ぎのなか赤ん坊をかかえたルーシーは、増えすぎた体重を気にしつつ、またも独自調査を始める。

 今度はハロウィーンが舞台! 主婦探偵シリーズ第3弾。


『トウシューズはピンクだけ』

 愛犬を残し、年老いた元バレエダンサーが消えた。殺人か、ただの失踪か。町の一大イヴェントである、バレエの発表会を間近にひかえ、教え子のバレエ教師をはじめ、関係者たちは気が気ではない。娘たちが発表会に出るルーシーも、気になってしかたがなかった。
 だが、発表会を撮るためのビデオカメラを友人に貸したことから、ルーシーは死体を発見するはめに。しかも友人が容疑者として連行された。無実を信じるルーシーは夫の制止もなんのその、妊娠6カ月の身で、勝手に二つの事件を調べはじめた。
 メイン州の田舎町を舞台にした主婦探偵シリーズ第2弾。


『メールオーダーはできません』

 メイン州の田舎町ティンカーズ・コーヴ。
 この町は、アメリカ屈指の通信販売会社カントリーカズンズの拡大にともなって発展してきた。
 町の住民の全員が、ティンカーズコーヴで働いているか、働いたことがあるか、働いている人と知り合いだというくらいなのだ。
 大工の夫と、3人の子をもつ主婦ルーシーも、例外ではなく、カントリーカズンズの夜間電話受付で働く毎日だった。
 ところが、クリスマス目前のある夜、ふと外の空気を吸いに出たルーシーは、とんでもないものを発見してしまった。通信販売会社の経営者、サム・ミラーのBMWにエンジンがかかり、排気管からゴムホースが車内に引き込まれている。
 これって、自殺? 金持ちで美人の若い妻がいて、人生順風満帆のはずが、自殺なんてする? ルーシーは、なんだか釈然とせず、夫と3人の子供たち、そしてわざわざやってくる自分の母と夫の父母のための、クリスマスの仕度にてんてこ舞いしながらも、地元の巡査を巻き込んで勝手に事件をつつき始める。
 ところが、肝心の巡査が不審な事故に逢い重体に。これって、もしかして?

 アメリカ合衆国のはしっこを舞台に、元気な主婦が大活躍。季節ごとの愉快な行事と生活感いっぱいの、ライトなミステリ開幕。

(2009年7月6日/2014年8月5日)




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