今月の本の話題

2009.07.06

主婦探偵に第二の思春期? レスリー・メイヤー『授業の開始に爆弾予告』[2009年7月]

主婦よりも、母親よりも、女性だって認めてほしい!
主婦探偵に第二の思春期?


●最新刊『授業の開始に爆弾予告』(2009年7月刊)

 長かった夏休みもおわり、やっと新学期が始まった。
 子供たちを愛してはいものの、四人もいるとなれば、さすがに学校に行ってくれるとほっとする。
 久々に自分だけの時間を持てたルーシーは、臨時職員として町の週刊新聞『ペニーセイヴァー』のオフィスで働くことに。
 ところが留守番中に、次女が通う小学校に爆弾がしかけられたとの警察無線を傍受、とにかく現場にかけつける。
 幸い爆発は小規模だったし、新任の女性副校長の捨て身の活躍により、とり取り残された子供も救出された。この美談に、たちまち副校長は英雄扱いだ。
 だがそんな矢先、話題の渦中にいる当の副校長が殺害されてしまった。
 子供たちの教育にかかわる問題とあれば、黙っているわけにはいかない。母親として、家庭の主婦としてだけの自分になんとなく物足りなさをおぼえていたルーシーは、新聞の仕事と称して早速調査にあたるのだが……。
 好調主婦探偵シリーズ第4弾。


『ハロウィーンに完璧なカボチャ』

 ルーシーの夫ビルがかけだしのころに修復した、美しい屋敷が全焼。どうやら放火によるものらしい。焼け跡からは、ルーシーとビルの共通の友人でもある屋敷の女主人の焼死体が発見された。
 ティンカーズコーヴでは、このところ古い建物の火事が妙に続いている。自分も古い農家に住むルーシーは不安を募らせる。
 折しもハロウイーンをひかえて、ティンカーズコーヴは町をあげてのお祭り気分。ルーシーも赤ん坊の世話に大わらわだというのに、うっかり大量のカップケーキを焼く羽目に。おまけに夫はお堅い歴史地区保存委員会の委員に指名され、子供たちはいたずらざかり……。
 大騒ぎのなか赤ん坊をかかえたルーシーは、増えすぎた体重を気にしつつ、またも独自調査を始める。

 今度はハロウィーンが舞台! 主婦探偵シリーズ第3弾。


『トウシューズはピンクだけ』

 愛犬を残し、年老いた元バレエダンサーが消えた。殺人か、ただの失踪か。町の一大イヴェントである、バレエの発表会を間近にひかえ、教え子のバレエ教師をはじめ、関係者たちは気が気ではない。娘たちが発表会に出るルーシーも、気になってしかたがなかった。
 だが、発表会を撮るためのビデオカメラを友人に貸したことから、ルーシーは死体を発見するはめに。しかも友人が容疑者として連行された。無実を信じるルーシーは夫の制止もなんのその、妊娠六カ月の身で、勝手に二つの事件を調べはじめた。
 メイン州の田舎町を舞台にした主婦探偵シリーズ第2弾。


『メールオーダーはできません』

 メイン州の田舎町ティンカーズ・コーヴ。
 この町は、アメリカ屈指の通信販売会社カントリーカズンズの拡大にともなって発展してきた。
 町の住民の全員が、ティンカーズコーヴで働いているか、働いたことがあるか、働いている人と知り合いだというくらいなのだ。
 大工の夫と、三人の子をもつ主婦ルーシーも、例外ではなく、カントリーカズンズの夜間電話受付で働く毎日だった。
 ところが、クリスマス目前のある夜、ふと外の空気を吸いに出たルーシーは、とんでもないものを発見してしまった。通信販売会社の経営者、サム・ミラーのBMWにエンジンがかかり、排気管からゴムホースが車内に引き込まれている。
 これって、自殺? 金持ちで美人の若い妻がいて、人生順風満帆のはずが、自殺なんてする? ルーシーは、なんだか釈然とせず、夫と三人の子供たち、そしてわざわざやってくる自分の母と夫の父母のための、クリスマスの仕度にてんてこ舞いしながらも、地元の巡査を巻き込んで勝手に事件をつつき始める。
 ところが、肝心の巡査が不審な事故に逢い重体に。これって、もしかして?

 アメリカ合衆国のはしっこを舞台に、元気な主婦が大活躍。季節ごとの愉快な行事と生活感いっぱいの、ライトなミステリ開幕。

(2009年7月6日)

 

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