Science Fiction

2015.07.06

文庫化記念特別企画・その2 酉島伝法『皆勤の徒』(7/21発売)これまでのレビューをご紹介!

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文庫化記念特別企画:【その1】【その3】【その4】

第2回創元SF短編賞受賞
第34回日本SF大賞受賞
『SFが読みたい!』ベストSF2013国内篇 第1位

『皆勤の徒』
酉島伝法
2015年7月21日発売
ISBN:978-4-488-75701-4
定価:1,037円
装画:加藤直之
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。

【内容紹介】
高さ100メートルの巨大な鉄柱が支える甲板の上にその“会社”は建っていた。 語り手はそこで日々、異様な有機生命体を素材に商品を作る。社長は“人間”と呼ばれる不定形の大型生物だ。
甲板上と、その周りの泥土の海だけが語り手の世界であり、日々の勤めは平穏ではない──第2回創元SF短編賞受賞の表題作にはじまる全4編。 デビュー作品集ながら第34回日本SF大賞を受賞した、現代SFの到達点にして世界水準の傑作。
本文イラスト=酉島伝法 解説=大森望



2013年8月に刊行された単行本版『皆勤の徒』は、デビュー作ながら第34回日本SF大賞を受賞いたしました。
選評の一部をご紹介します。

この『皆勤の徒』という作品は、突如として出現した異形というよりは、SFというものがその出発的から持っていた足場から、ある意志をもってさらに遠くを目指すものとして引かれた線上に位置するものだろう。
――北野勇作さん


単語の語感と音から、視覚イメージを立ち上げた本作は、昨今まれにみる詩的な文学作品であると同時に、論理と叙情性を併せ持つ優れたSF小説に仕上がっていると思う。
――篠田節子さん


異質な世界について語るために、まず異質な言語を創造しているのだ。
――谷甲州さん


受賞の言葉および選評の全文はこちらで読むことができます。
http://sfwj.jp/awards/20141113204642.html#34th-Nihon-SF-Taisho-Award
また、新聞・雑誌その他に多くの方が書評を寄せてくださいました。
以下に一部をご紹介いたします。

著者は、漢字の意味と呪術的形態と、読みの音声イメージを活用した造語を巧みに繰り出し、おどろおどろしくもおかしみを誘う圧倒的な「グロテスクリアリズム」を達成した。
――長山靖生さん 「楽読楽書」長崎新聞・山陰中央新報・福井新聞ほか


いやあインパクト強烈です。独自の表現を読み解く苦労も、逆に快感になってくる。『家畜人ヤプー』以来の異色SF。
――森下一仁さん 「今月のベスト・ブック」小説推理2013年11月号


これが単行本デビュー作とは思えない、異形の傑作ハードSFだ。
――香月祥宏さん 「SF BOOK SCOPE JAPAN」SFマガジン2013年11月号


この方は、確かに異界を見ている。それをただ、文字や絵と言った自分にできるアウトプット手段を用いて翻訳しているだけなのではないか。/そして間違いなく変態なのだ、それはもう清々しいほどに。
――池澤春菜さん 「乙女の読書道」本の雑誌2013年12月号


酉島伝法はデビュー作からグレッグ・イーガンの向こうを張っていた。なんという新人!


奇態きわまる新造語がふんだんに詰めこまれたこのSFは、読者を拒絶して屹立(きつりつ)する難解無比の作品だ。ここには窮極の異界イメージが創造されており、そのわけのわからなさにわたしは痺(しび)れずにはいられなかった。


オリジナルすぎてわけがわからず、夜中に笑い転げてしまいました。宇宙の〝蟹工船〟ですね。
――いがらしみきおさん 「最近読んだ一冊」週刊現代2013年12月7日号

そのほか、

日本経済新聞 2013年9月18日(小谷真理さん)
『本の雑誌』2013年10月号「新刊めったくたガイド」(大森望さん)、2014年1月号「2013年度ベスト10」(鏡明さん)、2015年6月号「SFの40冊」(鏡明さん)
北海道新聞 2013年12月1日「第一回鮭児文学賞」(豊崎由美さん)
『ダ・ヴィンチ』2013年11月号、2013年12月号(香月祥宏さん)、2014年1月号(大森望さん・豊崎由美さん)
『フリースタイル24』(米光一成さん)
『SFマガジン』2014年8月号「夏の必読SFガイド+α」

などなど多くの媒体で取り上げていただきました。ありがとうございます!

Twitterでもたくさんの方がつぶやいてくださっています。作品の感想だけでなく、ファンアートや手作り百々似の写真も!

 Twitterまとめその1 http://togetter.com/li/541279
 Twitterまとめその2(文庫化記念) http://togetter.com/li/840378
 

次回は、出戻り473さんによる「外回り」のガレージキットや、新垣隆さん&吉田隆一さんによる楽曲「皆勤の徒」社歌など、物語から飛び出してビジュアル化・楽曲化された『皆勤の徒』をご紹介いたします。

本サイトは発売まで数回にわたって更新していきます。
発売日直前には文庫化を記念したスペシャル企画も! どうぞお楽しみに。

【著者紹介】
酉島伝法(とりしま・でんぽう)
1970年大阪府生まれ。大阪美術専門学校芸術研究科卒。フリーランスのデザイナー兼イラストレーター。
2011年、「皆勤の徒」で第2回創元短編賞を受賞。第2作「洞(うつお)の街」は第44回星雲賞日本短編部門の参考候補作となる。また単発作「環刑錮」も第45回星雲賞日本短編部門の候補となった。
13年刊行の第1作品集『皆勤の徒』『SFが読みたい! 2014年版』の国内篇で第1位となり、さらに第34回日本SF大賞を受賞。
(2015年7月7日)


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