Science Fiction
2007.11.05
菅浩江『プリズムの瞳』変わるものと変わらないものと[2007年11月]
変わるものと変わらないものと
待望の最新SF連作長編
すぐそこの未来の、祈りに満ちた物語。
(07年10月刊『プリズムの瞳』あとがき[全文])
菅 浩江 hiroe SUGA
■ 菅浩江(すが・ひろえ)
1963年京都府生まれ。81年、短編「ブルー・フライト」でデビュー。91年、92年の『メルサスの少年』「そばかすのフィギュア」で第23回、第24回の星雲賞を連続受賞。2000年、『永遠の森』で第54回日本推理作家協会賞、第32回星雲賞を受賞。著作に『ゆらぎの森のシエラ』『そばかすのフィギュア』『プレシャス・ライアー』『歌の翼に』『おまかせハウスの人々』などがある。
待望の最新SF連作長編
すぐそこの未来の、祈りに満ちた物語。
(07年10月刊『プリズムの瞳』あとがき[全文])
菅 浩江 hiroe SUGA
感情型ロボットをフィー、専門型をピイ、と名付けたのは、かなり昔のことです。もう四半世紀も前でしょうか。
人間と同じ〈気持ち〉を持つ器用なロボットは当時の科学力からはなかなかイメージできず、感情を持つならそれで手一杯、作業をするならそれに全力を傾けている、ということであればまあまあなんとか私にも扱えるかなあ、という感じでした。
二十数年経って、機械のお蔭で生活は便利になりましたし、ロボットの研究も進みました。ワボット(早稲田大学のロボット)が歩いた! などとびっくりしていたかつての自分と、ホンダやソニーのロボットたちのダンスを見ている自分が、同じ自分であるとは信じられないくらいです。
身体構造を持っていないとAI研究においての経験や学習はうまく蓄えられないことからして、優れた〈肉体〉を持ったロボットたちが試行錯誤を繰り返しながら今後ますます賢くなるであろうことも予測できます。
でもやっぱり私は、いまだにフィーとピイの区分けを必要としています。
それは、うじうじとしたみっともない自分を顧みるだに、神様みたいな万能の存在はどんどん私から遠い存在になってしまうような気がするからです。
卑下と憧れと、夢と現実と。そんなものを、少し甘辛い味付けで描いてみました。
願わくば、ピイたちのプリズムの瞳に映し出される自分が、物語の語り手として幸せでありますように。
(2007年11月)
■ 菅浩江(すが・ひろえ)
1963年京都府生まれ。81年、短編「ブルー・フライト」でデビュー。91年、92年の『メルサスの少年』「そばかすのフィギュア」で第23回、第24回の星雲賞を連続受賞。2000年、『永遠の森』で第54回日本推理作家協会賞、第32回星雲賞を受賞。著作に『ゆらぎの森のシエラ』『そばかすのフィギュア』『プレシャス・ライアー』『歌の翼に』『おまかせハウスの人々』などがある。
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