Science Fiction

2009.06.05

発表! 創元SF文庫を代表する1冊は何か?――読者投票によるベスト20結果発表[2009年6月]

読者投票によるベスト20結果発表

 

東京創元社サイトで2009年3月5日より31日まで募集した「文庫創刊50周年企画 創元SF文庫を代表する1冊は何か?」アンケートへの全504件の回答を集計したものです。( )内は票数です。アンケートへの御協力、本当に有り難うございました。

お添えいただいたコメントも抜粋して御紹介いたします。なお同一シリーズ作品の票は合算しました。

5月9日に八重洲ブックセンターで開催しました山本弘さん×大森望さんの「創元SF文庫を語る」トークショーに御参加いただいた方々には一足さきに公表いたしました(この「ベスト20」の結果順位と得票数は、トークショーの採録と共に『ミステリーズ!』vol.35にも掲載しています)。




1 『星を継ぐもの』J・P・ホーガン(81)

 ● 読者からのコメント
「たぶん多くの方から選ばれると思いますが、SFというジャンルを超えて素晴らしいこの作品が、ベスト1でしょうか」
「大学の教養学部の課題図書になってました。SFファンのみならず、おそらくどんな人が読んでも面白い稀有な作品だと思います」
「創元SFといえば、真っ先にこの本が思いうかびました。スケールの大きい謎に夢中になって読み進み、ラストは涙なしには読了できません。この小さな1冊の本の中に、巨大な時空を感じます」
「高校生のときに初めて読んだときのインパクトを超える作品には未だに出会えません」
「最後にどっかん! ときました」

2 《火星シリーズ》エドガー・ライス・バローズ(61)

 ● 読者からのコメント
「創元SF文庫といえば何をおいてもバローズの《火星シリーズ》だと思います」
「30年ほど前、小学生だった頃、親の本棚から拝借して別世界に飛びました。今は私の子供も読みます」
「剣と魔法、宇宙、冒険、ロマンス、勧善懲悪、魅力的なキャラクターなどなど、すべてが網羅された基本中の基本」
「カバーイラスト、口絵の衝撃はすごかった」
「カバーイラストで選んだ、と言われても否定しきれない」

3 『銀河パトロール隊』E・E・スミス(35)

 ● 読者からのコメント
「中学生のとき初めて文庫で買って読みました。新訳が出た2003年、うれしくなってシリーズ全部買いました。娘が、母親としてそれでいいのか?と呆れていました」
「中学のとき大好きだった先生のお勧めで、1巻を読んだらとても面白くて、気に入ったのならとその先生からシリーズ全巻を頂き、今でも大切に持っています」
「小学6年生で初めて自分の部屋をもらい、自分の本棚を持つことができるようになって並んだ本のほとんどが、創元推理文庫でした。その中で(当時は「SF文庫」という名前はなかったはず)SFといえば、間違いなく《レンズマン》です」

4 『歌う船』アン・マキャフリー(17)

 ● 読者からのコメント
「SFとしての舞台作りは他にも優れた作品があると思いますが、ブレイン・シップというアイデアとキャラクター作りが良く、実際に女性にも勧めることができた貴重な作品でした」
「不自由な身体ゆえに、大きな船になり、宇宙を飛び回ることができる。すばらしい。宇宙に出られない読者に代わって宇宙を見せてくれているようだ」
「繰り返し繰り返し読むので本が傷み、同じ本を3度買いました。」

5 《ヴォルコシガン・シリーズ》ロイス・マクマスター・ビジョルド(12)

 ● 読者からのコメント
「《マイルズ・シリーズ》しか思い浮かばなかった」
「翻訳ものSFってこんなに面白いのか! と衝撃を受けた1冊です。シリーズを通して、何度も読んでいるのに未だにページをめくる手が止まらなくなってしまいます」

6 『異星の客』ロバート・A・ハインライン(11)

 ● 読者からのコメント
「若いころ無謀にもヨーロッパまで無銭旅行したときに、唯一の日本語との接点として持っていった。そして結局むさぼるように何度も読んでしまい、グロクした」
「現在では当たり前だが、刊行当時はその束の厚さが、ひときわ目立った!」
「数あるハインラインの作品の中では、考えさせられる奥の深い最高作と思う」

7 『地球幼年期の終わり』アーサー・A・クラーク(10)

 ● 読者からのコメント
「私が高校生の時に買った最初の創元SF文庫がクラークのこの本でした。冒頭から結末まで衝撃的な展開に鳥肌が立ったのを覚えています」
「これしかないです。13歳でした」

8 『銀河帝国の興亡』(1~3)アイザック・アシモフ(9)

 ● 読者からのコメント
「小学校の図書館で読んだ『暗黒星雲のかなたに』に感動し、SFに、そしてアシモフに目覚め、最初に買った創元文庫です」
「中学生の頃、最初読んだ時は正直ピンと来ませんでした。数年後読み返して、SFならではの気宇壮大さに圧倒され全3巻を一気に読み終えたのを今でも鮮明に覚えています」

8 『結晶世界』J・G・バラード(9)

 ● 読者からのコメント
「こんなにも美しい終末があるのなら、世界が終わってしまってもいいとさえ思ったものです」
「もう30年近く前でしょうか、その重苦しくも豊かなイメージに圧倒されました」
「今から40年も昔になるが、それまでSFと言えばE・E・スミスなどのスペースオペラもの中心だったが、あるとき書店でJ・G・バラードの作品を読み、こんな世界もあったのかと雷に打たれたような衝撃を受けた。それから『狂風世界』や『沈んだ世界』『燃える世界』など夢中で読み漁った。『結晶世界』はそのきっかけとなった、思い出深い作品です」

10 『10月はたそがれの国』レイ・ブラッドベリ(8)

 ● 読者からのコメント
「中学2年のとき、入院先でひとつ年上のお姉さんが、毎晩1話ずつ「怖い話だよ」と読んでくれたレイ・ブラッドベリの本。いま再読してもゾクゾクします」
「高校時代、一読してハマッた私はさっそく当時付き合っていたGFにこの本を奨めた。そのお返しにGFが奨めてくれた本は『笑う警官』(シューヴァル&ヴァールー)だった。今考えると逆の方が自然だったような……」
「私が生まれた年のクリスマス・イヴに発行されているから。のちに彼女からプレゼントされたとかいうロマンティックなエピソードは残念ながらなく、中学2年の夏に『夏への扉』(ハインライン)と一緒に買った」

11 『わたしはロボット』アイザック・アシモフ(6)

 ● 読者からのコメント
「カルヴィン博士が語る、おとぎ話のようなロボットのエピソードの数々は、今読んでも古くないと思います」
「ロボット、その定義はこれから始まった。この本なくしてSFは語れない」

11 『渚にて』ネヴィル・シュート(6)

 ● 読者からのコメント
「終末に際して、こんなにも理性的で美しい最期をとげる人々を(小説の人物とはわかっていましたが)知ることができ、感動しました。名作です」
「もうこのような作品が書かれることはないだろう。逆説的な言い方になるが、今日の世界的なテロの蔓延よりも核状況のほうが如何に人間的であったことか。少なくともこのような傑作が書かれたのだから。わたしたちはある種のノスタルジーを抱いてこの作品をもう一度読み直したい」

11 『銀河英雄伝説』(1~10、外伝1~5)田中芳樹(6)

 ● 読者からのコメント
「何度読み返しても面白い。今では子供たちが夢中で読んでいます」
「SFの金字塔! 初めて読んだときは、鳥肌が立つほどの衝撃でした。そこらじゅうの知り合いに、片っ端から薦めた記憶があります。初版から大分たちますが、未だかつてこれを超えるスケールと緻密な設定の小説に出会っておりません。一読の価値あり!」

14 『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン(5)

 ● 読者からのコメント
「一直線にどこまでも飛んでゆく想像力。科学考証が無茶苦茶だとか古いとか関係ないんです。ただのバカ話が、時には我々に希望を与えてくれる。わけのわからぬ、しかし力強い希望を。そんなことを教えてくれた1冊です」
「30年も翻訳の出版を待ち焦がれていたので、途轍もなく嬉しくて、書店に勤務していたのを幸い、優先的に予約・購入し、手元に届いたときには手が震えたのを覚えています」

14 《スター・キング・シリーズ》エドモンド・ハミルトン(5)

 ● 読者からのコメント
「昭和40年代に熱狂的に読んだ。《スカイラーク・シリーズ》、《レンズマン・シリーズ》、《火星シリーズ》。でもやはり一番感動して読んだのはE・ハミルトンの『スター・キング』。ラストシーンは忘れられない」

14 『分解された男』アルフレッド・ベスター(5)

 ● 読者からのコメント
「ベスター作では『虎よ、虎よ!』の方が圧倒的に評価が高いけれど、愛着の深さでは断然こちら」
「直感的に思いついたのがこの作品。とにかく面白かった」

17 『宇宙船ビーグル号の冒険』A・E・ヴァン・ヴォークト(4)

 ● 読者からのコメント
「SFにはまるきっかけとなった作品です。魅力的なエイリアン、ネクシャリズム(総合科学)の概念、ビーグル号内の権力闘争も面白かったが、日本人が科学者の一員として乗り込んでいるのがとても嬉しかった」
「本書か『トリフィド時代』にするか。さんざ悩んだ末に、本書に決定。私が、SFファンになった記念的1冊です」

17 《デュマレスト・サーガ》E・C・タブ(4)

 ● 読者からのコメント
「ちょうど発刊の時期が学生時代でしたので、頻繁に本屋に寄っていたころでした。毎月、新刊が発売されるのを楽しみにしていました。そのころファンクラブもありましたよね」

17 『暗闇のスキャナー』フィリップ・K・ディック(4)
「敬愛する浅倉久志先生の翻訳もありますが、どちらを取るかと訊かれれば創元の山形訳」

17《キャプテン・フューチャー全集》エドモンド・ハミルトン(4)

 ● 読者からのコメント
「SFへの入り口でした。始まりはここからでした」
「私がSFを読むきっかけになった本たちです。復刊は「東京創元社21世紀の偉業」の一つだと思います」

17 『SFカーニバル』フレドリック・ブラウン編(4)

 ● 読者からのコメント
「確か小学校6年の時だった。何よりもまず「SF小説を読むことは楽しいことだ」と本書から学んだ。もし小難しい理屈を並べた小説を先に手に取っていたら、SF小説に興味など持たなかったと思う」
「かつてもSF短編といえばユーモア物の宝庫でした。このアンソロジーは、その中でもベストだと思います」

17 『何かが道をやってくる』レイ・ブラッドベリ(4)

 ● 読者からのコメント
「生まれて初めて買った文庫本。小学5年生だったので、半分も分からなかったが、別世界を確かに見たという感覚はリアルだった。その後の読書傾向を決定づけた1冊」
「何十年も前に読んだ本だけど、ちっとも古くない。びっくり箱のようなステキのすべてがとびだしてくる」

(2009年6月5日)

 


SF小説の専門出版社|東京創元社
バックナンバー