Science Fiction

2012.06.05

『原色の想像力2 創元SF短編賞アンソロジー』人気投票結果を発表します![2012年6月]

 創元SF文庫より2012年3月21日に刊行しました『原色の想像力2 創元SF短編賞アンソロジー』の収録作品を対象として、人気投票を開催いたしました。ご投票いただき誠にありがとうございました。
 いただいたコメントを抜粋して発表いたします。

■1位 オキシタケヒコ「What We Want」(30票、1位17票)
  • 短編といわず一冊丸々読みたくなるくらいに面白かったです。世界観もキャラクターも魅力的ですし、彼女らの珍道中(?)をもっと見てみたくなりました。(24歳、男性)
  • 本当に楽しめた。どうしようもない緩やかな絶望を突き抜けていく主人公たちには、もうホントウッヒョー!!!!!てなったのです。(20歳、男性)
  • キャラ設定で勝ち! あざといまでの大阪弁と会話のテンポのよさで、ぐいぐい引っ張っていく感じが良かったです。SF的な設定もめいっぱいぶちこまれてて面白かったので、小説の組み立てでじっくりと読ませる長編も読んでみたいです。(28歳、男性)

■2位 空木春宵「繭の見る夢」(30票、1位12票)
  • 蛍の舞う部屋の中で向かい合うシーンを想像したら、きれいで、切なくて、涙が出た。(26歳・女性)
  • 面白かったです。時代背景も逆に新鮮で、物語もつぎへ、つぎへと読み進みたくなりました。SFというよりファンタジーに近いのかなとも思いましたが、どちらも好きなのであまりこだわりません。手塚治虫先生の大ファンなので、百鬼丸と多宝丸のネーミングだけでも嬉しくなりました。次の作品が楽しみです。(19歳・女性)
  • 平安時代を舞台としたファンタジー・伝奇モノとして、語句の選びや表現が非常に優れている傍ら、中盤から暴露されるSF的な展開が、物語上の単なるギミックとなっておらず、キャラクターの「想い」やアイデンティティーを発露・表現するために不可欠なものとして世界観に溶け込んでおり、全体として不可分一体となっている。と、感じました。そのためラストでは、小説作品として掛け値なしの感動を享受。SFおよびファンタジー作品としてのセンス・オブ・ワンダーを感じさせてくれる素晴らしい物語。綿密な世界観を綴っていながら読む人を選ばないリーダビリティの高さ。愛すべきキャラクター達。紛れもない傑作であり、作品に触れている間、至福の時間を過ごすことができました。この一篇に巡り合えただけでも、本書を手に取って良かったと、心から思えます。(23歳・男性)

  • ■3位 酉島伝法 「洞(うつお)の街」(17票)
    • 作り込まれた美しい世界観にくらくらする。登場人物?達のネーミングセンスが素晴らしい。(26歳、女性)
    • 収録作のなかで頭ひとつ抜けている。素直に書いたら平凡なSFになるところを、特異な言語感覚とグロテスクなイメジャリーで異形のものに作り変えていく手際がみごと。「原色の想像力」ならぬ「原生動物の想像力」といいたくなる。オールディスやらベイリーやら、過去のSFを連想させるのは、文章にイメージ喚起力があるうえに、作者にSF読書の蓄積があるからだろう。そういう意味で川又千秋や牧野修の系譜に連なる新鋭として大いに今後を期待したい。(51歳、男性)
    • 冒頭数行でガッと掴まれました。幻想的な舞台に更に幻想を重畳するのはこの人ならではでしょう。(27歳、男性)


    • 他の作品へのコメント(掲載順はアンソロジーの収録順です)

      ■わかつきひかる「ニートな彼とキュートな彼女」
      • コンパクトに巧く落ちている。(50歳、男性)
      • 「ニートな彼とキュートな彼女」はあたたかい世界がよかったです。(45歳、男性)
      • キャッチーなタイトルを付けて明快なストーリーにしたわかつき作品を評価する。(50歳、男性)

      ■亘星恵風「プラナリアン」
      • 前半のプラナリアの実験の描写が好きです。(43歳、男性)
      • 冒頭からただ者じゃない文章力に引き込まれました。最後はちょっと物足りない気もしますが、冒頭から最後まで終始一貫した独特の危うい雰囲気が面白かったです。短編としてのまとまり感もいい感じでした。(30歳、男性)
      • 「プラナリアン」はちょっと衝撃的な終わり方が印象的でした。(53歳、女性)

      ■片瀬二郎「花と少年」
      • 生まれ持った才能を生かすのが当然という考え方に異をとなえた作品。今回の掲載作の中でもっとも共感できた。(33歳、男性)
      • 少年の葛藤の激しさと作品の持つ勢いが好きです。(43歳、男性)
      • 「結局なんで頭に花が咲いたんだよ!(笑)」と思うが、そういう理由づけ、運命づけられたもの、という主人公的性質を外した話の持っていき方が良かった。「What We Want」と「花と少年」はその前後や省略された物語、つまりは長編を連想させます。短編に収まりきらない世界観・密度を感じると共に、そういう書かれたもの以上の物語を想像させる力がある作品だと思いました。(25歳、男性)

      ■志保龍彦「Kudanの瞳」
      • クダンの怪物を作る発想とストーリーとして結末の悲しさが良かった。(44歳、男性)
      • これも一種のパラノーマルロマンスと言っていいのでしょうか…(笑) 先行する件小説を読み込んでいるようで、好印象。ケレン味をだそうとし過ぎ、という座談会での意見もあったようですが、これはこれでぼくは好きです。(28歳、男性)
      • 物語としては陳腐ですが、それは言い換えれば王道ですので、それを美しく仕上げたところが気に入りました。おぞましくも美しい少女の魅力がありました。一種のループものでもあり、その扱いもよかったと思います。(43歳、男性)

      ■忍澤勉「ものみな憩える」
      • 文章がしっとりしていて、大人の味が良かった。(42歳、男性)
      • タルコフスキーの『ソラリス』とかけて読みました。情感たっぷりの、少し昔の小説の感じ。パンチの弱さはありますが、いかにも短編的な良さは十分だと思いました。(28歳、男性)
      • ずっとこの文章を読んでいたい。(年齢・性別記載なし)



       ありがとうございました。
      ※ 順位の集計は1位・2位・3位の票数を単純合計しましたが、傾斜配点(1位=3点、2位=2点、3位=1点)した場合でも順位に変動はありませんでした。


      (2012年6月5日)

       

      【2009年3月以前の「本の話題」はこちらからご覧ください】

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