<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
    <title>Science Fiction｜Webミステリーズ！</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/" />
    <link rel="self" type="application/atom+xml" href="http://www.webmysteries.jp/sf/atom.xml" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2009-04-03://6</id>
    <updated>2012-01-07T06:28:39Z</updated>
    <subtitle>ミステリ・ＳＦ・ファンタジー・ホラーの専門出版社・東京創元社が配信する月刊Webマガジン</subtitle>


<entry>
    <title>北原尚彦「遅れてきた新入会員・天瀬裕康＝渡辺晋」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第19回】（1/2）［2012年1月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1201-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2012://6.1289</id>

    <published>2012-01-06T04:20:33Z</published>
    <updated>2012-01-07T06:28:39Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  その中の一番欲しい本に限って入手が困難で、わたしは所持していなかったのだ。北原尚彦　naohiko KITAHARA     　  ●これまでの北原...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>その中の一番欲しい本に限って入手が困難で、わたしは所持していなかったのだ。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">第12回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html">第13回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1108-1.html">第14回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1109-1.html">第15回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1110-1.html">第16回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1111-1.html">第17回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1112-1.html">第18回</a>】</p>



<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div>

 　わたしは日本ＳＦ作家クラブという団体に所属している。手続きの詳細は省くが、ここへ入会するには会員に推薦された上で、総会において承認されねばならない。<br>
　二〇一一年春の総会のこと。議事は進行し、新入会員推薦の議題となった。この際の被推薦人のひとりの名前は「天瀬裕康」。その名前を聞いて、総会に出席していた会員たちはちょっと「？」という表情になった。しかし本名が「渡辺晋」であることが推薦人から述べられると、多くの会員（特に年配の会員）が「おお」と頷いた。この名前は、古くからＳＦファンダムにいる人々にとっては、馴染みのあるものだったのだ。詳細は後述するが、渡辺晋氏は古参のビッグネームファンなのである。<br>
　同氏の入会は全会一致で承認。総会後に行なわれた徳間文芸賞の贈賞パーティには渡辺氏もいらしていたが、パーティ出席者がすごく多かったこともあり、わたしはご挨拶することはできなかった。<br>
　それから半年後。高輪台にあるギャラリー・オキュルスにて、「渡辺温オマージュ展《アンドロギュノスの裔》」というものが行なわれた。これは創元推理文庫から渡辺温全集　<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488407117"><b>『アンドロギュノスの裔』</b></a>が刊行されたのを記念して、喜国雅彦氏をはじめ様々なアーティストたちが渡辺温作品にオマージュを捧げて作成した絵画などを展示したもの。こいつは是が非でも観に行かねばなるまい、と思っていたが、作品出展者のひとり本多正一氏から、二日目にはオープニングパーティが開かれるという情報を頂いていた。この日に行けば、本多氏や喜国氏にもお会いできるだろうから、どうせならこれに合わせて行こう、と考えた。<br>
　以前にもオキュルスでのオープニングパーティに参加したことがあるわたしは、パーティが始まってからでは人混みで作品をじっくりと鑑賞し難くなってしまうことを覚えていたので、少し早めに行くことにした。作戦は成功、まだギャラリー内に人は少なく、時間をかけて作品を堪能することができた。<br>
　その際、芳名帖に記帳していて気が付いた。自分の名前の少し上に、「天瀬裕康」と記名があったのだ。会場を見回すと、まだ人が少なかったおかげで、すぐに見つけることができた。これはいい機会だ――と、氏の作品鑑賞が終わったらしきタイミングで声をおかけし、ご挨拶させて頂いたのである。<br>
　やがてパーティが始まり、渡辺温の作品の朗読が行なわれ……というのは、また別な話。<br>

　そして後日、天瀬氏から突然、著書<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E9%97%87%E3%82%88%E3%80%81%E5%90%8D%E4%B9%97%E3%82%8C-%E5%A4%A9%E7%80%AC-%E8%A3%95%E5%BA%B7/dp/4773377526/?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&qid=1325738041&camp=247&sr=8-1&creative=1211 taget=blank"><strong>『闇よ、名乗れ』</strong></a>（近代文藝社／二〇一〇年）が届いた。知り合いになったから、とわざわざお送り下さったのである。まことに光栄なことだったが、実はわたし、同書は既に所持していたのである。そこで御礼の手紙を出した際に「ダブった本は欲しがる友人に回して有意義に活用します」と述べた上で、せっかく連絡を取り合うようになったのだからと、ちょっとお願いをしてみた。<br>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt=停まれ、悪夢の明日" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1201-1.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『停まれ、悪夢の明日』</b></font></div></div>

　そのお願いは、見事にかなうこととなった。天瀬氏には何冊か著書があるのだが、その中の一番欲しい本に限って入手が困難で、わたしは所持していなかったのだ。そしてもし天瀬氏のお手元に余部があったら一部譲って欲しい……ということだったのだ。<br>
　そんな経緯で送られてきたのが<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E5%81%9C%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%80%81%E6%82%AA%E5%A4%A2%E3%81%AE%E6%98%8E%E6%97%A5/dp/4896077229/?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&qid=1325738450&camp=247&sr=8-1&creative=1211  taget=blank"><strong>『停まれ、悪夢の明日』</strong></a>（近代文藝社／一九八八年）。全部で三十二作を収録した、ＳＦショートショート集である。その存在を知って以来、ずっと欲しくて探していただけに、実に嬉しかった。<br>
　表題作は、二〇七三年に目覚めた男の物語。自分の置かれている状況がなかなか把握できないが、やがて脳味噌だけの状態となっていることが判明し……という話。<br>
　<strong>「航時艇〈回刻〉」</strong>は、太平洋戦争中に日本を勝利に導くべくタイムマシンの開発が進められるが……という話。<br>
　<strong>「不老不死館の怪」</strong>は、二四八五年に開催された「全宇宙科学技術博覧会」での出来事が描かれているが、これは一九八五年の国際科学技術博覧会（つくば万博）にインスパイアされたものだろう。<br>
　最後の<strong>「そうとも気違いになったのさ」</strong>は、ショートショートより長い短篇。昭和六十二年の世界から歴史の異なる“光文六十二年”の世界に迷い込んだ男の話。<br>
　ＳＦショートショート集ということで、読む前のわたしは“星新一的”なモノを勝手に想像していた。しかし読んでみると、どうも違う感触の作品が多い。大半がもう少しスペキュレイティヴ・フィクション的というか、哲学的というか。いわゆる“起承転結”のあるようなショートショート、オチのあるようなショートショートばかりではなかったのだ。例えば<strong>「だれかいないか」</strong>は、文明が崩壊した後の世界が舞台だが、「おーい、だれかいないか！」と叫んで歩き回る男が描かれるばかりで、その後何か起きるわけでもなく、文明崩壊の理由が明かされるわけでもないのである。<br>
　収録作の大半は、<strong>「中国新聞」</strong>夕刊のショートショート欄に掲載されたもの。その次に多いのは、医師会関係の出版物に掲載されたもの。そしてＳＦ同人誌に発表した作品も。<strong>「金牛宮幻想」</strong>は、大瀧啓裕が主催していた広島ＳＦ同好会の同人誌<strong>「アルデバラン」</strong>掲載作品を改稿したものなのである。<br>
　前書きでは、読書遍歴が語られている。<strong>「宝石」</strong>誌が創刊されてからは本格的な謎解きよりも空想的な変格物を好んだとか、元々社の<strong>「最新科学小説全集」</strong>を読んだとか、<strong>「ＳＦマガジン」</strong>が創刊された時は感激に震えながら読んだとか。<br>
　天瀬裕康＝渡辺晋は一九三一年、広島生まれ。原爆によって軽度ながら被爆したこともあり、ヒロシマや太平洋戦争をテーマにしたり要素に取り入れたりした作品も後に多数書いている。内科医としての仕事をしながら、草創期のＳＦファンダムで活動した。<br>


<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt=空想不死術入門" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1201-2.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>「空想不死術入門」
</b></font></div></div>


　<strong>「宇宙塵」</strong>は初期からの同人で、同誌に何篇か作品を発表。<strong>「ベム」「ミュータンツ」「パラノイア」</strong>など、今や歴史的なものとなったＳＦファンジンにも執筆。一九六九年には、日本ＳＦファンダムの発展に寄与した人物に贈られる“日本ＳＦファンダム賞”を受賞している。<br>
　“渡辺晋”の名前がＳＦファンの間で最もよく知られているのは、<strong>「ＳＦマガジン」</strong>に連載された科学エッセイ<strong>「空想不死術入門」</strong>によってであろう。連載期間は一九七一年三月号から翌七二年九月号までだが、七一年六月号・九月号・十二月号、七二年五月号・六月号は休載しているため、全部で十四回。これは多数のＳＦ作品に言及しつつ、どうすれば長生きしたり死を避けたりできるかを科学的に追求するもので、医学的知識のある作者ならではの内容となっている。<strong>「サイボーグ」「人口冬眠」「医学から見た時間旅行」「ミュータント」「進化」</strong>などをテーマとし、各回の冒頭ではＳＦ作品や学術書からの一節を引用し、本文へと至る形式となっていた。第十章<strong>「ミュータントの背景」</strong>では、ジャック・ウィリアムスン<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E8%B6%85%E4%BA%BA%E9%96%93%E8%A3%BD%E9%80%A0%E8%80%85-1968%E5%B9%B4-Q-T%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9SF-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%B3/dp/B000JA3FYO/?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&qid=1325739116&camp=247&sr=8-1&creative=1211 "target=blank><strong>『超人間製造者』</strong></a>が引用されている。<br>
　一九六二年生まれのわたしはまだ八歳とか九歳だから、リアルタイムでこの時期の<strong>「ＳＦマガジン」</strong>を購読していないが、ＳＦファンとなってから古本屋で買い集めた辺りだ。
　ちなみに連載第一回掲載の七一年三月号は、“新人競作”として横田順彌<strong>「友よ、明日を……」</strong>、梶尾真治<strong>「美亜へ贈る真珠」</strong>が掲載されている……と言えば、時代性をお分かり頂けるだろうか。（正確を期すると、掲載時には横田順「弥」の表記。）横田氏は更に同号に「日本ＳＦ英雄群像 第二次大戦前のヒーローたち」も書いており、小説と古本エッセイによる同時<strong>「ＳＦマガジン」</strong>デビューを果たしている。<br>
　また最終回の載っている七二年九月号の「てれぽーと」欄には、後述するの<strong>『錬金術師の夢』</strong>の広告が。


<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1201-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1201-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>北原尚彦「南沢十七は異星でもハチャメチャ！『天外魔境』」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第18回】（1/2）［2011年12月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1112-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1265</id>

    <published>2011-12-05T04:45:15Z</published>
    <updated>2011-12-05T07:03:36Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  自分が探している本を人に教えるというのは判断が難しい。北原尚彦　naohiko KITAHARA     　  ●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外Ｒ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>自分が探している本を人に教えるというのは判断が難しい。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">第12回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html">第13回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1108-1.html">第14回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1109-1.html">第15回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1110-1.html">第16回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1111-1.html">第17回</a>】</p>



<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div> 

　古本者をやっていて、されて困る質問がある。「探求している本があったら教えて下さい」というものだ。これは本当に困る。<br>
　自分が探している本を人に教えるというのは判断が難しい。教えることによって「ああそれなら持ってるけど、北原尚彦が欲しがってるなら譲ってあげる」という嬉しい場合もあるが「北原尚彦が欲しがるような本なら、自分も欲しい」みたいな場合もあるからだ。<br>
　この悩みは、横田順彌氏も常々言っておられた。横田さんがこの作家の本を蒐集している、探求しているということが知れ渡ると、その古書価が一気に上がってしまうようなことが<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%ACSF%E3%81%93%E3%81%A6%E3%82%93%E5%8F%A4%E5%85%B8-1-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A8%AA%E7%94%B0-%E9%A0%86%E5%BC%A5/dp/4087507866?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&ie=UTF8&linkCode=ur2&qid=1323063155&camp=247&sr=8-1&creative=1211 " target="_blank"><strong>『日本ＳＦこてん古典』</strong></a>連載時にあったという。<br>
　わたしの場合、北原尚彦の探求書だからと値上がりするようなことはそうそうないだろうが、それでも判断に迷う。本の雑誌社から<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E4%B8%87%E8%8F%AF%E9%8F%A1-%E5%8C%97%E5%8E%9F-%E5%B0%9A%E5%BD%A6/dp/4860110714?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&ie=UTF8&linkCode=ur2&qid=1323063017&camp=247&sr=8-1&creative=1211 " target="_blank"><strong>『シャーロック・ホームズ万華鏡』</strong></a>という本を出した時は、担当編集者から「北原さんが未だに探してるホームズ本のことも、あとがきで触れて下さいよ」と頼まれた。これには弱り、大いに悩んだ末に死ぬまで手に入ることはなさそうな<strong>『ビートンズ・クリスマス・アニュアル』</strong>の一八八七年号、などととんでもない本を挙げておいた。<br>
　本当は、この時に探していた本のひとつに<strong>『名探偵ホームズ』</strong>（徳間書店・ＴＬわんぱっくちび／一九八五年）というものがあった。アニメ関連書のひとつだが、ずーっと探求していた本。今ここで書いてしまっているのは、その後ようやく入手できたからであります。<br>
　だから、ある作家について調べていて、その著作を全部集めてしまわないうちに調査結果を書いてしまうべきか否か、その判断は非常に難しい。書いてしまうことによってその作家の本の評価が進み、古書市場に出易くなるかもしれない。一方で、どんどん値上がりしてしまうかもしれないのだ。<br>
　その点、既に評価の固まっている作家はラクチンだ。自分ごときが何か書いたからと言って、今さら相場に変わりがあるわけでなし。既に知れ渡っている作家について書く必要があるのか、とおっしゃる向きもあるかもしれないが、入手が困難過ぎると作家は有名でも作品紹介はあまりされていない場合があるのだ。<br>
　というわけで、入手難易度が高くて自分も持ってない本がまだあるどころか、大部分を持ってない作家の本について書いてしまおう。――南沢十七である。<br>
　南沢十七は、ハチャメチャＳＦ<strong>『緑人の魔都』</strong>の作者として知られている。横田順彌氏が<strong>『日本ＳＦこてん古典』</strong>で紹介し、三一書房の<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%91%E5%B9%B4%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E5%A4%A7%E7%B3%BB18-%E6%9C%88%E8%B7%AF-%E8%A1%8C%E5%AE%A2/dp/4380925471?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&ie=UTF8&linkCode=ur2&qid=1323063403&camp=247&sr=8-1&creative=1211 " target="_blank"><strong>『少年小説大系 第18巻 少年ＳＦ傑作集』</strong></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
（一九九二年）に収録されたおかげで、割と簡単に読めるようになっている。<br>


<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt=海底黒人" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1112_1.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『海底黒人』</b></font></div></div>


　横田氏は<strong>『…こてん古典』</strong>中で「それでも、昭和一九年に刊行された少年向き軍事科学小説<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%B7%E5%BA%95%E9%BB%92%E4%BA%BA-1944%E5%B9%B4-%E5%8D%97%E6%B2%A2-%E5%8D%81%E4%B8%83/dp/B000JBTJ1G?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&ie=UTF8&linkCode=ur2&qid=1323063537&camp=247&sr=8-1&creative=1211 " target="_blank"><strong>『海底黒人』</strong></a>などは現実に行なわれている大東亜戦争に空想の細菌兵器をからませた作品で、かなり読ませるものになっている。」と書いておられる。これは確か持っていたな……と書庫から発掘してきたら、結構なお値段の値札が付いていて驚いた。金持ちだったんだな、これを買った頃の自分。でもネットで調べてみたら、わたしの買い値よりも高い物ばかりだった。これでもまだ相場より安かったのか。<br>

　そんな具合に、<strong>『海底黒人』</strong>は、大枚さえはたけば手に入らないこともない本。<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt=天外魔境" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1112_2.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『天外魔境』</b></font></div></div>
だが、買おうにもそもそも滅多に出回らない作品が南沢十七には幾つもある今回紹介する<strong>『天外魔境』</strong>（青い鳥社／一九四九年）も、そのひとつである。<br>
　『人外魔境』ならば、小栗虫太郎だ。まず確実に、それをもじってタイトルにしたのだろう。全く同じ発想によって命名された<strong>『天外魔境』</strong>というゲームが、一九八九年にハドソンによって製作されてシリーズ化しているため、いま「<strong>『天外魔境』</strong>って？」と訊かれたら九十九・九九パーセントの人が「ゲームソフトでしょ」と答えるだろう。だが南沢十七の方が、四十年も先にこのタイトルを使用していたのだ。知らなかっただろうなあ、ハドソンの人。<br>
　表紙に「少年少女冒険小説」とある通り、児童向けの作品だ（目次前の扉では「冒険科学小説」、本文前の扉では「少年科学冒険小説」）。<strong>『緑人の魔都』</strong>は南洋の秘境、<strong>『海底黒人』</strong>はアジアが舞台となっているし、本作もタイトルに「魔境」の語が入っているがゆえに秘境小説かと思いきや、これがなんと宇宙ＳＦなのである！<br>
　ではストーリーを。火星を目指して、ロケットが飛行している。ロケットの名前は「くろとかげ号」――って、江戸川乱歩か！　と思ってしまうが、ネーミングセンスの特異さは、こんなものでは済まされない。何せ船長が「スター大和博士」、乗り組んでいるのが「ジミー呑天」君と「チェリー花岡」嬢なのだ。日系ハーフということにしたいのかもしれないが、それにしても。<br>
　くろとかげ号はアメリカのロバート・アンダーソン教授（これはフツーな名前ですね）が設計。そしてスター大和博士が船長になったのだが、それを聞いて同乗を申し入れたのが新聞記者のジミー呑天君とチェリー花岡嬢だった……って、どうして三人中二人も新聞記者を乗せちゃうの？　それより科学者を乗せるべきでしょ。その新聞社がロケット製作のスポンサーだった、とか勝手に理由を考えてあげるしかありません。<br>
　ロケットは火星到着時刻を二十時間も過ぎていたが、火星は影も形も見えない。どうやら進路が間違っているらしい（ほーら、科学者じゃなくて新聞記者なんか乗せるから、こんなことになる）。<br>
　やがて宇宙船外から音が聞こえ、空気準備室（エアロックのことらしい）を通って「丸く赤い顔の手長猿そっくり」で「白い煙のような毛をつけている」人間が入ってきた。彼はユーロペに住む“銀人”だと名乗った。そして彼らを待っていた、と語る。<br>
　ユーロペは木星の衛星。今はエウロパと表記するのが一般的ですか。さもなければオイローパかな。進路を外れたくろとかげ号は、そんなところまで行ってしまっていたのだ。<br>
　銀人たちは、「夢宮」なる宇宙船を、くろとかげ号とドッキングさせていた。銀人たちがくろとかげ号の外壁に取り付いているような描写やイラストがあるが……ううむ。何か力場を発生させて宇宙船を覆っていたか、目に見えない宇宙服を着ていたのだと解釈してあげることにしよう。<br>
　銀人たちは、三人を「予言の天人」であるとして、夢宮号に招いて丁寧にもてなす。しかしそこに魔龍こと巨大悪魔飛龍が襲来。三人は慌ててくろとかげ号に戻るが、その前方には陸地が……って、「陸地」という表記が妙だが、要するに天体があったということだった。最初は浮遊大陸（<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%88%A6%E8%89%A6%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88-DVD-MEMORIAL-BOX-%E6%9D%BE%E6%9C%AC%E9%9B%B6%E5%A3%AB/dp/B00005EDRC?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&ie=UTF8&linkCode=ur2&qid=1323065488&camp=247&sr=8-5&creative=1211 " target="_blank"><strong>『宇宙戦艦ヤマト』</strong></a>に出てくるんだっけ？）みたいなものを想像してしまったが、結論から言うとくろとかげ号はユーロペに不時着したのである。<br>




<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1112-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1112-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>松崎有理『あがり』収録作品の人気投票結果および著者からの「粗品」当選者発表［2011年12月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/matsuzaki1112.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1256</id>

    <published>2011-12-01T09:08:22Z</published>
    <updated>2011-12-05T08:23:51Z</updated>

    <summary>   ２０１１年９月２５日から１１月末日にかけて本ウェブマガジン上で実施しました、松崎有理『あがり』（創元日本ＳＦ叢書）収録作品の人気投票の結果を発表します。 ＊第１位「不可能もなく裏切りもなく」 投...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488018146" target="_blank"><font style="FONT-SIZE: 1.25em"><img height="194" alt="あがり" hspace="8" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1814.jpg" width="138" vspace="8" border="1" /></font> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.webmysteries.jp/images/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></div>

２０１１年９月２５日から１１月末日にかけて本ウェブマガジン上で実施しました、<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488018146" tartet="_blanjk"><strong>松崎有理『あがり』</strong></a>（創元日本ＳＦ叢書）収録作品の人気投票の結果を発表します。<br>
<br>
<font style="FONT-SIZE: 1.25em" color="navy"><strong>＊第１位「不可能もなく裏切りもなく」</strong></font>
<br>
<br>投票をいただいた方のなかから、抽選の結果、<b>羽坂征高さま</b>に、著者・松崎さんより<strong>「粗品」</strong>を進呈いたします。tss@tsogen.co.jpまでご連絡ください。
<br><br>以下に、個別に頂戴しましたコメントを抜粋して御紹介いたします（収録順）。<br><br>

<strong>■「あがり」</strong><br>

＊それまでの伏線がきれいに収斂される落ちのインパクトがあまりにも群を抜いていました。（年齢記載なし・男性）<br>
＊主人公（というよりヒーロー）が切り替わるという展開がツボにはまりました。（38歳男性）<br>
＊壱番町二丁目「ゆきわたり」。宮沢賢治の童話「雪渡り」から。あそこの白玉あんみつ赤えんどう豆多め。食べたい。（56歳男性）<br><br>

<strong>■「ぼくの手のなかでしずかに」</strong><br>
＊どれも良いんですけど、あえて言うなら。体温や空気感のひんやりとした優しさを感じる語り口がとてもいいです。（年齢記載なし・男性）<br>
＊どの物語にも魅きつけられますが、それは〈北の街〉によく似た街で学生時代を過ごしたからというだけではないと思っています。「あがり」と同じ生物系の大ネタに驚かされましたが、それ以上に数学研究者のおずおずとした恋の物語がせつなく印象に残りました。（年齢性別記載なし）<br>
＊真綿で心を締め付けられる哀しい結末でした。他の作品も東北大のある青葉山周辺の空気感に抱かれ、心にずっとしまっておきたいはかなくも美しい物語と感じました。（52歳女性）<br>
<br>

<strong>■「代書屋ミクラの幸運」</strong><br>

＊ミクラ君が妙に可愛い。なんというか、不器用なところが特にいとおしくなった。（38歳男性）<br>
＊作品の内容以前の問題として、代書屋なる職業の存在に驚いた次第。そのことがこの作品を印象づけました。（年齢記載なし・男性）<br>
＊アイデアとキャラクターが面白い。ミクラは学園都市のいい案内役。研究者の悲哀も出ているし。（44歳男性）<br><br>

<strong>■「不可能もなく裏切りもなく」</strong><br>

＊一つの作品中に、野心的な狙いとなんとも言えない叙情が混在しているのがとても気に入りました。（32歳男性）<br>
＊「出すか出されるか法」という素晴らしい設定がもっとも生きた物語だと思います。ミステリ短編として読んでも秀作であると感じました。（30歳男性）<br>
＊営業部長すてきです。（年齢記載なし・男性）<br>
（<a href="http://www.webmysteries.jp/special/matsuzaki1105-1.html" target="_blank">「不可能もなく裏切りもなく」は、〈Webミステリーズ！〉２０１１年５月号に発表されましたが</a>、書籍収録にあたり大幅な改稿がなされています）
<br><br>

<strong>■「へむ」</strong><br>

＊仙台での学生時代をなつかしく思い出しながら読みました。「へむ」は、ちょっと暗い作品が多い中、未来に希望を抱かせるような結末で、ほっとしました。今後、今回話の出てこなかった、工科系をテーマにした作品を出されることを期待します。（年齢性別記載なし）<br>
 <br>
松崎有理さんの公式サイト「完全無欠の空白」<br><a href="http://yurimatsuzaki.com/" target="_blank">http://yurimatsuzaki.com/</a><br>
<br><a href="http://www.tsogen.co.jp/sftanpensho/" target="_blank"><strong>■創元ＳＦ短編賞　募集中！</strong></a>

<div align="right">（2011年12月5日）</div><br><br>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script>
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js">
</script>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<p>&nbsp;</p><a href="http://www.tsogen.co.jp/wadai/index.html"><b>【2009年3月以前の「本の話題」はこちらからご覧ください】</b></a>
<br />
<br />
<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/searchresult.html?mgen_id=134" target="_blank">ＳＦ小説の専門出版社｜東京創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【特別寄稿】高橋良平「墓碑銘２０１１年――岡田正哉さんの思い出に」（1/2）［2011年12月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/takahashi1112-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1252</id>

    <published>2011-11-29T06:49:56Z</published>
    <updated>2011-12-05T11:06:44Z</updated>

    <summary>特別寄稿  墓碑銘２０１１年 ――岡田正哉さんの思い出に高橋良平　ryohei TAKAHASHI    ●去る２０１１年５月１７日、ＳＦ研究家・岡田正哉さんが亡くなりました。享年６８。名古屋在住のビ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<b>特別寄稿</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>墓碑銘２０１１年<br>
――岡田正哉さんの思い出に</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">高橋良平</font></b>　ryohei TAKAHASHI</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 

<br />
<font style="FONT-SIZE: 0.90em">●去る２０１１年５月１７日、ＳＦ研究家・岡田正哉さんが亡くなりました。享年６８。名古屋在住のビッグ・ネーム・ファンで、１９６０年代から７０年代にかけてファンダムで活躍。２０世紀前半の欧米ＳＦをファンジンで紹介するとともに、膨大な雑誌をコレクションされ、ＳＦコンベンションでは見事なオークショニアをつとめられました。７０年代後半にＳＦファン活動を退かれましたが、以後も昆虫研究家として活動され、主宰していた地元の昆虫の会からは数多くの昆虫学者が輩出しています。ご親交の深かった高橋良平さんが追悼文を寄せられました。（編集部）
</font>
<br /><br />
　「これ読んどる？」と、読みさしの“ハヤカワ・ＳＦ・シリーズ”の新刊をショルダーバッグから取りだして、「翻訳が良くないんだわ」と名古屋弁で声をかけられたのが、岡田正哉さんと初めて言葉をかわすきっかけだった。<br>
　場所はクローバーという喫茶店。名古屋駅の新幹線ホーム側出口から駅裏に出て、線路脇の道を下り方面に少し歩くと、左手にその喫茶店はあった。うなぎの寝床のような店内の奥に、１０人ほどが座れるボックス席があり、そこを定席に毎週土曜の夕刻から“ミュータンツクラブ”の“金曜会”が開かれていた。土曜なのに“金曜会”とはこれいかに、と疑問に思うのは当然だが、当初の金曜日だった例会を土曜日に変更しても、会の名はそのままほうが話のネタになるから面白いと考えたとか……。<br>
“金曜会”の世話人の広道隆夫さんから、岐阜の昆虫館にお勤めと紹介された岡田さんは、学者肌の温厚篤実な感じで、たいてい聞き役にまわりながら、ときどきユーモアをまじえた辛口の言葉をもらす。このときも、眼鏡の奥の柔和な目は変わらぬものの、その翻訳がよほど腹にすえかねてか、穏やかな口調にちょっぴり怒りがこもっていた。<br>
　その風貌は、小柄で童顔だが、髪をおかっぱ風にし、黒メガネに変えて、パイプをふかせば、写真で見知っていた澁澤龍彦に似てなくもない。そんなミスティックな雰囲気もあるけれど、〈宇宙塵〉６５年８月号「おたより」欄に、<br>
〈今月は少々忙しく、ＳＦＭ８（月号）、同増刊、宇宙塵７（月号）の三冊がたまってしまい、どれから読もうかとオロオロしましたが、（宇宙塵訳載の）「シャムブロウ」は真先に読みました。こういう話は大好きです。悪漢に怪獣、美女に裸女に宇宙船と出てくると心の底からうれしくなっちゃうんです。異常でしょうか？　野田さんの「英雄群像」の英雄ひとり一話ずつでも宇宙塵に載せてもらえたらたのしいんですけどね〉<br>
　なんて書き送っている。この手紙から２か月後の６５年１０月、宇宙冒険活劇を待望する岡田さんの夢が叶えられる。創元推理文庫のＳＦマークから、Ｅ・Ｒ・バローズの『火星のプリンセス』が発売されたのだ。たちまちベストセラーとなって、以後、同文庫は、「火星」シリーズにつづいて「金星」シリーズ、野田さんの「ＳＦ英雄群像」を頼りに「レンズマン」シリーズや「スカイラーク」シリーズ等々を陸続と出せば、ライバル（本家？）のハヤカワ・ＳＦ・シリーズもそれに負けじと、66年２月に「キャプテン・フューチャー」シリーズの『太陽系七つの秘宝』を皮きりにパルプＳＦに力を注いだから、一挙に“スペース・オペラ”は花盛り。<br>
<br>
　さて、そんな岡田さんのＳＦファン歴をさかのぼると、ファン活動の中核だった同人誌〈宇宙塵〉を発行する科学創作クラブに入会したのは、１９６２年の１０月のこと。<br>
　翌年６月、岐阜県各務原に住むヨーシュミッツ・デンドリッヒこと吉光伝さんの呼びかけで、中部日本ＳＦ同好会“ミュータンツクラブ”が発足。早速参加した岡田さんは、９月に出た会誌の〈ミュータンツ〉創刊号にショート・ショートの「新世界」を発表している。ちなみに〈ミュータンツ〉は、〈宇宙塵〉、筒井康隆さんの〈NULL〉、ＳＦＭ同好会の〈宇宙気流〉につづく４番目のＳＦファンジンだった。<br>
　その岡田さんを、ファンダムで一躍有名にしたのが、６５年の晩秋に出した『宇宙生物分類学』である。Ａ５判タイプオフ印刷の冊子ながら、ＳＦに登場する宇宙生物を、本職の昆虫学よろしく図版も付けて学術的に分類しちゃおうとマジメに研究した論文風読み物で、未知の異星生物を分類してみる演習問題のオマケまである。ＳＦファンならではのユニークかつ楽しい趣向にあふれている。<br>
　その１年後、岡田さんは自ら〈ベム〉というファンジンを出しはじめる。<br>
　同誌を紹介した〈Ｓ‐Ｆマガジン〉７２年４月号（ちなみにこの号は、半村良の“絶賛「石の血脈」の新鋭が放つ全八百枚の新連載長篇第一弾！「神変ヒ一族」産霊山秘録第一話”が載り、ハーラン・エリスン特集が組まれております）の「ファンジン・パトロール」欄の文章を引くと、<br>
〈本年度日本ＳＦ大会の立役者たる岡田氏の個性がよく出た雑誌だ。１９６６年１１月、ＳＦに現れるベム族と、事実・架空両面にわたるその周辺の研究を標榜して発刊、次第に間口をひろげ、６号「スカイラーク・インデックス」などの労作でファンダムの話題をさらったが、６９年に一時中絶、この１月にＡ５判タイプオフ３６頁の９号で返り咲いた。内容は代表の外国秘境ＳＦ紹介を中軸に、外国マンガ、スペースオペラ解説など古きよき時代をなつかしむファンの交流をめざしている。日本ファンダムも成長した今、このように対象を絞った研究グループがもっと現われてほしいものだ。発行は季刊の予定。会員組織はとくに設けていない。（Ｃ・Ｒ）〉<br>
　筆者のＣ・Ｒ氏とは、小隅黎（こずみ・れい）こと〈宇宙塵〉主宰者の柴野拓美さん。ちなみに、小隅黎の頭文字が、Ｋ・ＲでなくてＣ・Ｒなのは、ペンネームの由来が“Ｃｏｓｍｉｃ　Ｒａｙ”（宇宙線）のため。<br>

<ul class="pageNavi">
<li class="caption">続きを読む……</li>
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/takahashi1112-1.html">1</a></li>
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/takahashi1112-2.html">2</a></li>
<br />
<hr color="gray" size="1">

<font color="brown" size="2">■ <strong>高橋良平</strong>（たかはし・りょうへい）</font><br />
<font  size="2">
1951年生まれ。出版史研究家、ＳＦおよびＳＦ映画評論家、フリー編集者。主な仕事に<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488015131/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488015131" target="_blank">『「科學小説」神髄』</a>（野田昌宏著）<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4893890239/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4893890239" target="_blank">『ジェームズ・キャメロンの映像力学』</a>、<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488495114/" target="_blank">『東京創元社 文庫解説総目録』</a>（東京創元社編集部との共編）の編纂などがある。
<br /> 
<div align="right">（2011年12月5日）</div>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.tsogen.co.jp/" target="_blank">ＳＦ｜東京創元社</a> ]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>北原尚彦「知られざるＳＦ新人賞受賞作『無意識の底で』」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第17回】（1/2）［2011年11月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1111-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1223</id>

    <published>2011-11-01T06:47:19Z</published>
    <updated>2011-11-07T07:54:52Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  古書蒐集という道は進めば進むほど欲しい本が増え、ゴールはどんどん遠のいていくのだ。北原尚彦　naohiko KITAHARA     　  ●これま...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>古書蒐集という道は進めば進むほど欲しい本が増え、</br>ゴールはどんどん遠のいていくのだ。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">第12回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html">第13回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1108-1.html">第14回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1109-1.html">第15回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1110-1.html">第16回</a>】</p>


<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div> 

　<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3750"><b>『ＳＦ奇書天外』</b></a>でも書いたが、二十世紀の末頃（一九九〇年代）から、我が国では自費出版の大ブームが興った。おかげでＢＯＯＫ・ＯＦＦなどの新古本店の百円均一コーナーには自費出版本がずらりと並ぶようになった。それらの中にはＳＦも含まれ、「仕方ないなあ」と言いながらもわたしがそれらを買い漁る羽目となったのは、周知（？）の通り。</br>
　<strong>『ＳＦ奇書天外』</strong>は終戦の一九四五年から一九九九年までを扱ったため、二十世紀の自費出版ＳＦは割と熱心に蒐集したのだけれど、それ以降は（発行点数が一気に増えたこともあり）丹念には買い集めていなかった。それゆえ、最近になって“碧天ＳＦ小説コンテスト”なるＳＦ新人賞があることを知り、「ええっ、何それ？」となってしまった。これは自費出版社の碧天舎が主催したコンテストだったのである。しかも、少なくとも二回は開催され、受賞作が出版されていたのだ。</br>
　しかしコンテストの存在を知ったものの、碧天舎が二〇〇六年に倒産してしまっているため、肝心の現物はもう売っていない。ネットで調べてみると……うーん、絶版だからと定価以上の値段を付けているものもあるなあ。かつて自費出版ＳＦを百円均一で買い込んだ身としては、あまり高値は出したくない。しかしあちこち歩き回って探してみたものの、どこの新古本店にも見当たらず。</br>


<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="無意識の底で" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/1111kitahara_1.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『無意識の底で』</b></font></div></div>

　そうこうするうちに、ネット上の古本で、少なくとも定価以下のものが見つかった。これをスルーして後悔するのも嫌なので、ここらで手を打つことにした次第。</br>
　では、内田敦士<a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%84%A1%E6%84%8F%E8%AD%98%E3%81%AE%E5%BA%95%E3%81%A7-%E5%86%85%E7%94%B0-%E6%95%A6%E5%A3%AB/dp/4883467929?ie=UTF8&qid=1320131380&sr=8-1&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 " target="_blank"><strong>『無意識の底で』</strong></a>（二〇〇四年）を紹介しよう。これは「碧天ＳＦ小説コンテスト最優秀賞受賞作」として刊行されたもの。「第一回」とは銘打っていないので、この時点では二回目以降が続くか決まっていなかったのだろう。</br>
　時代背景は、西暦などは書かれていないものの「ホバーサイクル」とか「重力コントロールカー」とか「ムービングロード」といった未来的ガジェットが出て来るので、おそらくは近未来。（ガジェット自体は、ちょっと陳腐ですけどね。）</br>
　主人公の「僕」は、高校生の永井譲。普通の高校生活を送っていた譲は、研究機関“ヤヌス”の山本なる人物から接触を受ける。そして研究員、というよりも研究対象になって欲しい、と依頼される。譲に眠ってもらい、彼の夢をモニターしたい、というのだ。</br>
　譲が選ばれたのは、ＤＮＡ的にこの仕事に最も対応できるのは彼だと、ヤヌスのコンピュータが選んだからだという。……この時代、ＤＮＡが登録されるようになっているのか？　しかもそんな極秘情報にアクセスできるヤヌスって、一体？</br>
　そして、いま人類は絶滅の危機に瀕しており、それを救えるのが譲の作業かもしれない、とも山本に言われる。譲は研究所で、山本の娘・花織と知り合う。まあ、ヒロインは必須ですよね。</br>
　譲が夢を見たり、花織と仲良くしたりしているうちにも、人類絶滅のカウントダウンは進んでいる……のだが、それが何なのか、読んでいてもよく判らない。それにラストで、何やら「意外な事実」が明かされるのだが、それがストーリーとどう絡んでいるのか、いまひとつ理解できない。作者の頭の中には何か壮大なイメージがあったのかもしれないが、それをきちんと伝えきっていないのだ。</br>
　一冊の単行本にはなっているものの、分量的に長篇とはいいがたい。長めの短篇か、せいぜい中篇。もうちょっと長く書いていれば、少なくとも消化不良の部分は解消できていたかも。</br>
　作者は、十七歳（当時）の高校生。少々稚拙なのも致し方ない。ごくフツーの「僕」が実は世界を救うための力を持っていて、しかもするべきことは夢を見るだけ……という実に願望充足的な内容なのも納得。自分だって十代の頃（特にＳＦを読みたての頃）は「自分が世界を救うことになったら……」とか妄想してましたから（ああ恥ずかしい）。</br>
　しかし碧天舎はどうしてこの作品を入賞させてしまったのか。応募作品の中でこれが一番マシだったのか。可能性としては、版元サイドとして「高校生作家」をウリにしたかったのでは、ということ。碧天舎では十代作家の作品を「ＮＥＸＴジェネレーション」というレーベルで売り出していたのだが、<strong>『無意識の底で』</strong>の帯にもそのロゴが入っている。要するに十代の少年少女（及びお金を出す親）を同社に引きつけるために、高校生受賞者を出しておきたかったのでは……というのは、薄汚れてしまった大人の邪推でしょうか。
　今や売れっ子作家となった日日日（あきら）は、高校在学時に五つの新人賞に入賞して華々しいデビューを飾ったが、そのひとつが碧天舎の恋愛小説コンテストラブストーリー大賞を受賞した<a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%81%E3%81%AE%E5%84%AA%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E5%85%88%E8%BC%A9-%E6%97%A5%E6%97%A5%E6%97%A5/dp/4883467244?ie=UTF8&qid=1320132386&sr=8-1&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 " target="_blank"><strong>『私の優しくない先輩』</strong></a>（二〇〇五年）。また第三回碧天文芸大賞最優秀賞を受賞した<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%80%82-%E5%BE%8C%E8%97%A4-%E5%BD%A9/dp/4883468798?s=books&ie=UTF8&qid=1320132929&sr=1-1&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211  " target="_blank"><strong>『チョコ。』</strong></a>（二〇〇五年）の後藤彩も高校生。第一回碧天文芸大賞特別賞を受賞した<a href="http://www.amazon.co.jp/L%E3%81%AA%E6%B0%97%E5%88%86-%E3%82%AD%E3%83%8E/dp/4883465659?s=books&ie=UTF8&qid=1320133112&sr=1-1&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211   " target="_blank"><strong>『Ｌな気分』</strong></a>（二〇〇四年）のキノに至っては中学生！　日日日は実力だったとしても、やはり同社には「中・高生で作家デビュー！」という夢をくすぐる戦略があったのかもしれない。</br>
</br>

<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="閉ざされた楽園（エデン）" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/1111kitahara_2.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『閉ざされた楽園（エデン）』</b></font></div></div>


　そして一年後、第二回のＳＦ小説コンテストが開催された。最優秀賞を受賞したのは、よしおてつ<a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%96%89%E3%81%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%A5%BD%E5%9C%92-%E3%82%A8%E3%83%87%E3%83%B3-%E3%82%88%E3%81%97%E3%81%8A-%E3%81%A6%E3%81%A4/dp/4778901932?s=books&ie=UTF8&qid=1320133332&sr=1-1&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211  " target="_blank"><strong>『閉ざされた</br>楽園（エデン）』</strong></a>（碧天舎／二〇〇五年）である。</br>
　主な舞台となるのは、とある海に浮ぶ島。時代は……というと、いきなり少々ネタバレになってしまうが、この島は時空の壁を越えたところにあり、我々の世界の時の流れから超越しているのだった。</br>
　主人公は、ケンという少年。母親を亡くし、父と二人暮らし。ミラルカは近所に住む幼馴染の少女。</br>
　この島には、しばしば時間の裂け目を通って人がやって来る。だからケンの父親は二〇〇三年から来た現代の（っていうのもヘンだけど）日本人だが、母親とその弟（＝ケンの叔父）は十七世紀末の英国の海賊。</br>
　ある日、島にステファニーという謎の女性が打ち上げられる。彼女は二十三世紀から来たという。その外見は、ケンの亡き母とそっくりだった。彼女は何かを探していた。特殊な能力を持つミラルカは、そんなステファニーが危険な存在である、とケンに警告する。
</br>
【以下、大ネタバレ】</br>
<font color="white">　ステファニーが探していたのは、移民のために地球を出発した宇宙船だった。その宇宙船は、仕掛けられた爆弾のため落下して爆発炎上するところを、地上の都市を守るために時空を歪めてワープした。その先は、紀元前千五百年のアトランティス。アトランティスは、このために滅びたのだ。</font></br>
【ネタバレ終了】</br>
</br>


<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="チェンジリング 取り換え子の魔法" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/1111kitahara_3.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『チェンジリング</br>取り換え子の魔法』</b></font></div></div>


　……しかしステファニーとケンの母親がそっくりなことや、ケンがとある人物とそっくりなのにも何か理由があるものと思って読んでいると、ただの偶然らしい。時間テーマでもあるのでどう収まりをつけるのかと期待していたが、肩透かしでした。
　奥付の作者紹介によると一九六一年のふたご座とあるので、二〇一一年で五十歳。わたしのひとつ上ですな。</br>
　作者はこれ以前にも芦緒徹（よしおてつ）の表記で、<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E2%80%95%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%8F%9B%E3%81%88%E5%AD%90%E3%81%AE%E9%AD%94%E6%B3%95-%E8%8A%A6%E7%B7%92-%E5%BE%B9/dp/4434030892?s=books&ie=UTF8&qid=1320133763&sr=1-1&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211   " target="_blank"><strong>『チェンジリング 取り換え子の魔法』</strong></a>（二〇〇三年）という作品を書いているが、版元は東京図書出版会。やはり自費出版社である。こちらはＳＦではなく、人間の子どもと妖精の子どもを入れ換えるという妖精物語では有名な“チェンジリング”伝説に基づくファンタジイらしい。</br>
　また水嶋ヒロこと齋藤智が<a href="http://www.amazon.co.jp/%EF%BC%AB%EF%BC%A1%EF%BC%A7%EF%BC%A5%EF%BC%B2%EF%BC%AF%EF%BC%B5-%E9%BD%8B%E8%97%A4-%E6%99%BA%E8%A3%95/dp/459112245X?s=books&ie=UTF8&qid=1320133899&sr=1-1&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211  " target="_blank"><strong>『ＫＡＧＥＲＯＵ』</strong></a>で受賞した第五回ポプラ小説大賞の選考経過を読むと、一次選考通過作に<strong>『櫻姫ラブ・ストーリー』</strong>（よしおてつ）という作品があるので、おそらく同一人物だろう。更にはｂｋ１怪談大賞にも応募している模様。



<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1111-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1111-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>北原尚彦「聞いたこともなかった児童ＳＦ『正義のロボット』」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第16回】（1/2）［2011年10月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1110-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1191</id>

    <published>2011-09-30T00:28:35Z</published>
    <updated>2011-10-05T08:48:33Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  古書蒐集という道は進めば進むほど欲しい本が増え、ゴールはどんどん遠のいていくのだ。北原尚彦　naohiko KITAHARA     　  ●これま...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font color=brown><b>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>古書蒐集という道は進めば進むほど欲しい本が増え、</br>ゴールはどんどん遠のいていくのだ。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">第12回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html">第13回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1108-1.html">第14回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1109-1.html">第15回</a>】</p> 


<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div> 
　告白します。</br>
　十代の頃、まだＳＦの古本を蒐集し始めて、間もない時期のこと。「こうやってＳＦの本を買っていたら、いつか全部集め終わっちゃうんだろうなあ、そうしたらどうしようかなあ」などとぼんやりと思っていた。</br>
　……いやはや、物知らずとは恐ろしいものです。なんと不遜な、なんと馬鹿なことを考えていたものか。</br>
　もちろんその後の経験で、欲しくても出回ることがない本があること、古書市場に出てもお値段的に手が届かない本があること、そしてまだまだ世の中には知らない本があることを知った。古書蒐集という道は進めば進むほど欲しい本が増え、ゴールはどんどん遠のいていくのだ。更には別次元の問題として、本を置くスペースのことも考えねばならない。<br>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="正義のロボット" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1110_1.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『正義のロボット』</b></font></div></div>

　そして現在。古本屋を、古書即売会を、デパート古本市を、そしてネット古書店を渉猟するのは、まだ見ぬ本、聞いたこともない本と出合うため。新たな発見があると、脳内で快楽物質が駆け巡るのをはっきりと感じる。</br>
　今回紹介する本を手にした際も、そうだった。入手するまで全く見たことも聞いたこともない代物だったのだ。<br/>
　その名も<strong>『正義のロボット』</strong>（塔文社／一九四八年）。……あまりにもベタすぎるネーミングだ。だが書名としては、聞いたことがない。作者は伊藤憲司。これまた寡聞にして知らない。版元の塔文社も、同様だ。まだ太平洋戦争の終戦から三年という時期の刊行に相応しい、安っぽい仙花紙本の児童書だ。</br>
　表紙には格闘する二体のロボットと、それを取り囲む三人の人々が描かれている。目付きが悪い左側のロボットは、もう一体のロボットに腕を捕まれてナイフを取り落としている。こちらは「悪のロボット」なのだろう。となれば、右側のハンサム（？）なロボットが「正義のロボット」だ。とても判り易いですな。</br>

<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="正義のロボット・裏表紙" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1110_2.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『正義のロボット</br>裏表紙』</b></font></div></div>

　装丁画は背表紙・裏表紙とつながっていて、裏表紙には胸に「Ｙ」の文字が入ったロボットが。どうやら、少なくとも三体のロボットが出て来るらしい。</br>
　ではさっそく読んでみよう。メインとなる登場人物は、敏夫少年とその父親のシムラ博士、そして藤村助手とロバート助手（通称ボッブ君）。シムラ博士はロボット工学を専門とする科学者――かと思いきや、どうも様子が違う。「ロボット」ではなく、「ロケット」がどうこうと言っているのだ。</br>
　時代は二十二世紀の、二一二三年。二一二三年と言えば、某ネコ型ロボットがタイムマシンで過去に向かって出発する年らしい。もしくは某スペースコロニー国家が地球連邦政府から独立するための一年戦争が始まった年らしい（←非公式）。古い子ども向けＳＦだと、未来に設定する場合は大体二十一世紀になるので、ちょっと珍しい。</br>
　舞台は「アメリカ、フツヅバーグにあるニオサイエンス・オブザワールド科学研究所」。ウィスコンシン州の「フィッツバーグ」のことでしょうかね。</br>
　シムラ博士が設計図を相手に渡してロケットを注文しているところを、敏夫少年は聞いてしまう。どうやらこの時代、ロケットは注文すれば作ってもらえるものらしい。しかも三か月で出来るというから、凄すぎる。</br>
　このロケットは、金星へ行くためのものだった。敏夫少年は、自分も乗せて欲しいと頼み、その願いは受け入れられる。シムラ博士、完全に公私混同です。かくしてロケットは三か月後、シムラ博士、敏夫少年、藤村助手とロバート助手の四人を乗せて出発する。</br>

<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="正義のロボット・扉絵" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1110_3.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『正義のロボット</br>扉絵』</b></font></div></div>


　宇宙船の名前は「第二発見号」こと「セカンド・デスカヴアリイ」。これは<a href="http://www.amazon.co.jp/2061%E5%B9%B4%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E6%97%85-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABSF-%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BBC-%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AF/dp/4150110964?ie=UTF8&qid=1317610004&sr=8-7&_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『二〇〇一年宇宙の旅』</strong></a>の「ディスカバリー号」とも、スペースシャトルのオービター「ディスカバリー」とも関係ない。その両者よりも、前に書かれているのだから。実は初期の南極探検船の名前にちなんだものだったのである。でも扉絵に描かれた宇宙船は、ちょっとナサケナイ。</br>
　途中、酸素発生器が故障したり、流星に衝突しそうになったりしつつも、ロケットは三か月の宇宙旅行を経て、金星へ到達。</br>
　ロケットは地表へ降下するが、激しいショックで全員気絶してしまう。気が付くと、窓の外が見えない。金星は巨大恐竜が闊歩する世界となっており、ロケットはなんと恐竜の体に突き刺さっていたのだ（恐竜、死んでます）。</br>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="正義のロボット・挿絵" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1110_4.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『正義のロボット</br>挿絵』</b></font></div></div>



　電気メスで扉付近の肉を取り除く。そして四人は、シムラ博士製作の特殊マスクを付けて地上に出るのだった。……って、マスクだけ？　気温も摂氏八十七度だとか言っているのに。飛行中に着用していた宇宙服をそのまま着ているということか？　それにしても頭部がマスクだけじゃあ……。後にヘルメットをかぶっている記述が出て来るが、水を呑むのに使用しているところをみると、オートバイに乗る時のようなもの（それもフルフェイスじゃないやつ）のようだ。</br>
　さて、シムラ博士には金星探検に重大な目的があった。地球上では採集の困難な謎の原子「ソルミウム」が金星では採集し易いと考えたのだ。そしてそのソルミウムとは何かと言うと、人間の頭脳を形成するものらしいのだ。……さあ、ちょっと先が読めてきましたね。</br>
　かくしてソルミウム探索をはじめ、記録写真撮影などの活動を開始。しかし恐竜たちがいるので、丸腰では危険だ。そこで博士はみんなに武器を配布した。その武器というのが、「ウラニウムガスを発射する筒」（ウラニウム銃）なるもの。</br>
　……ううむ、ウラニウムガスを発射する武器って、どんなシステムなのか。滅茶苦茶気になるぞ。ウランは固体から液体に融解する融点でさえ摂氏千度以上だ。ましてや気化するのは四一三一度以上。そんな高温のガスを噴出したら、確かに恐竜はひとたまりもないだろうが、武器を使う側も危なっかしくてしょうがないと思うのですが。</br>
　それとも、六フッ化ウランガスのことか。この物質は（地球の）常温では固体だが、摂氏六十度で気化してしまう。気化すると大気中の水分と反応して、フッ化水素を発生させる。これは腐食性が強いので、これを利用した武器なのか。</br>
<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1110-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1110-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>松崎有理『あがり』収録作品の人気投票を実施します［2011年9月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/matsuzaki1109.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1185</id>

    <published>2011-09-25T14:13:23Z</published>
    <updated>2011-11-13T00:24:00Z</updated>

    <summary>       【創元日本ＳＦ叢書】松崎有理『あがり』収録作品の人気投票を開催します。（投票者に抽選で著者より粗品を進呈）   東京創元社の新レーベル〈創元日本ＳＦ叢書〉の第１弾として2011年9月30...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[
<script LANGUAGE="JavaScript"> 
<!-- 
	function newwin(f){
	we=window.open("https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=ogq-mdpft-b25b90957468506671e93e653fdf38f6","signform","WIDTH=600,SCROLLBARS=1,RESIZABLE=0,TOOLBAR=0,MENUBAR=0,LOCATION=0,DIRECTORIES=0,STATUS=0") ; }
	// -->
 
</script> 
<font style="FONT-SIZE: 1.5em" color="navy"><strong>【創元日本ＳＦ叢書】松崎有理『あがり』収録作品の人気投票を開催します。（投票者に抽選で著者より粗品を進呈）</strong></font><br /><br />

<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488018146"><font style="FONT-SIZE: 1.25em"><img height="194" alt="あがり" hspace="8" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1814.jpg" width="138" vspace="8" border="1" /></font> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.webmysteries.jp/images/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></div>

<p>東京創元社の新レーベル<strong>〈創元日本ＳＦ叢書〉</strong>の第１弾として2011年9月30日に刊行しました<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488018146" tartet="_blanjk"><strong>松崎有理『あがり』</strong></a>の収録作品を対象として、<strong>人気投票</strong>を実施します。<br><br><strong>投票していただいた方のうちから、抽選でお一人に、著者・松崎さんより粗品を進呈いたします。当選者は12月更新時に発表しますので、御連絡ください。</strong><br /><br />書籍収録の5作品（「あがり」「ぼくの手のなかでしずかに」「代書屋ミクラの幸運」「不可能もなく裏切りもなく」「へむ」）のうち、<strong>あなたのお好きな作品</strong>を<strong>１作品</strong>お選びください（下記、投票ボタンを押すと投票ページがひらきます）。<br><br>「性別」、「年齢」のご記入は任意ですが、<strong>「氏名（ハンドル名やイニシャルも可）」、「作品名」、「作品へのコメント」の記入は必須とさせていただきます</strong>（頂戴しましたコメントは、発表の際などに、弊社運営のウェブサイト他で使用させていただく場合がございます。予めご了解ください。なお同一ＩＰからの入力が複数だった場合は集計に際し無効票といたします）。<br><br>集計結果は、上位１作品について、本サイト<a href="http://www.webmysteries.jp/" target="_blank"><strong>〈Webミステリーズ！〉</strong></a>2011年12月5日（月）の更新時（予定）に発表いたします。<br><br>＊<strong>締　切　2011年11月30日（水）</strong><br>＊同一ＩＰからの複数入力は、集計に際して無効票といたします。<br /><br /> 
 
 
<div align="center"><br /> 
<form Method="post"> 
<input TYPE="button" VALUE="投票はこちらから" onClick="newwin(this.form)"><br> 
</form></div><br> 
<br /><font size="1">お申込み登録には<a href="http://www.pi-pe.co.jp/" taraget="_blank">株式会社パイプドビッツ</a>のシステム「スパイラル」を利用しており、送信されたデータは暗号化された通信（SSL）で保護されます。</font> 
<br /> 
 
<br><a href="http://www.tsogen.co.jp/sftanpensho/" target="_blank"><strong>■創元ＳＦ短編賞　募集中！</strong></a>

<div align="right">（2011年9月25日）</div>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script>
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js">
</script>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<p>&nbsp;</p><a href="http://www.tsogen.co.jp/wadai/index.html"><b>【2009年3月以前の「本の話題」はこちらからご覧ください】</b></a>
<br />
<br />
<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/searchresult.html?mgen_id=134" target="_blank">ＳＦ小説の専門出版社｜東京創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>「平田真夫／森山安雄の挑戦――ゲームブック『展覧会の絵』から小説『水の中、光の底』へ」平田真夫／森山安雄×岡和田晃（1/4）［2011年9月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/hirataokawada1109-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1179</id>

    <published>2011-09-15T12:52:25Z</published>
    <updated>2011-09-21T23:55:40Z</updated>

    <summary>■特別寄稿　平田真夫インタビュー 平田真夫／森山安雄の挑戦 ――ゲームブック『展覧会の絵』から小説『水の中、光の底』へ 平田真夫（ＳＦ作家）／森山安雄（ゲームブック作家）　×　岡和田晃（ＳＦ評論家／ゲ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font color=brown style="FONT-SIZE: 1.00em">■<b>特別寄稿　平田真夫インタビュー</b></font><br />
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>
平田真夫／森山安雄の挑戦<br /></font>
<font style="FONT-SIZE: 1.00em">
――ゲームブック『展覧会の絵』から小説『水の中、光の底』へ</b></font><br /><br />
<font style="FONT-SIZE: 1.00em"><strong>
平田真夫</strong>（ＳＦ作家）／<strong>森山安雄</strong>（ゲームブック作家）<br />　×　<strong>岡和田晃</strong>（ＳＦ評論家／ゲームライター）</b></font>

<hr color="gray" size="1">
<br />

■<strong>はじめに　岡和田晃</strong><br />
<br />
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 170px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024697" target="_blank"><img height="194" alt="水の中、光の底" hspace="8" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/2469.jpg" width="138" vspace="8" border="1"> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.webmysteries.jp/images/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></div>

　東京創元社から連作小説集<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024697" target="_blank"><strong>『水の中、光の底』</strong></a>を刊行された平田真夫さんにお話を伺います。<br />
　平田さんは本書が文芸書として初の作品集ということですが、１９８７年に森山安雄の名義で<a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%95%E8%A6%A7%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%B5%B5-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0-%E6%A3%AE%E5%B1%B1-%E5%AE%89%E9%9B%84/dp/4488908012?ie=UTF8&qid=1315841772&sr=8-2?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211" target="_blank"><strong>『展覧会の絵』</strong></a>というゲームブックを創元推理文庫から発表されており、それで平田さんを知った方も多いかも知れません。かくいう私もそうでした。ただ私個人はいわゆる「ゲームブック直撃世代」よりも少し後の世代で、９４年頃から遡って、社会思想社の現代教養文庫や創元推理文庫などのゲームブックをかき集め、貪り読んだものでした。その過程で出会ったのが<strong>『展覧会の絵』</strong>で、本当に魅了されました。<br />
　印象的な題名と米田仁士さんのイラストに惹かれて購入したのですが、独特の読後感がありました。<strong>『展覧会の絵』</strong>は、ゲームブックやＲＰＧを扱う月刊誌<strong>〈ウォーロック〉</strong>（社会思想社）の人気投票で非常に高く評価されましたが、それも充分理解できます。その後同作は、読者の熱い要望のもと２００２年に創土社から復刊されました。<br />
　そして、２５年近く経って発表された<strong>『水の中、光の底』</strong>にも<strong>『展覧会の絵』</strong>と相通じる叙情、実験精神、ひいてはある種の新しさがあると感じました。<br />
　今回はこの両作品を通じて、平田さん／森山さんの創作の秘密を伺いたいと思います。<br />
<br />

<hr color="gray" size="1">
<br />
■<strong>矢野徹、〈ポプコム〉、新井素子</strong><br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　ゲーム仲間に<a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%95%E8%A6%A7%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%B5%B5-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0-%E6%A3%AE%E5%B1%B1-%E5%AE%89%E9%9B%84/dp/4488908012?ie=UTF8&qid=1315841772&sr=8-2?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211" target="_blank"><strong>『展覧会の絵』</strong></a>について訊いてみました。軽く尋ねただけで、周囲のアナログゲームファン２０名以上から「あれは面白かった」という声があがりました。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田真夫</strong></font>　ありがとうございます。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　「いったい何が面白かったのか」と突き詰めると、<strong>『展覧会の絵』</strong>の豊穣なイメージ、というところに行き着ます。<br />
　ゲームブックを好きな人たちと<a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%81%AB%E5%90%B9%E5%B1%B1%E3%81%AE%E9%AD%94%E6%B3%95%E4%BD%BF%E3%81%84-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BC-S%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4390111213?ie=UTF8&qid=1315842091&sr=8-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211" target="_blank"><strong>『火吹山の魔法使い』</strong></a>（社会思想社・現代教養文庫、のちに扶桑社文庫より復刊）をはじめとする名作ゲームブックについてよく話すのですが、彼らの多くは「死体に混ざった食屍鬼（グール）に不意を打たれた」とか「最後の鍵が合わずに力尽きた」など、具体的な冒険のディテールについて語ることが多い。ところが<strong>『展覧会の絵』</strong>については正反対で、音楽や絵画を受容したあとに近い、ある種のイメージを読者に強く残した、という印象です。<br />
　これはもちろん、当時として、そしておそらく今も異例であろう「ムソルグスキーやラヴェルの音楽を題材にしたゲームブック作品」だということも関わっているのでしょう。こうした幻想性は、どこまで意図して盛り込まれたのでしょうか。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　これは私の経歴とも関わってきますので、長くなりますが改めて自己紹介を。<br />
　もともとゲームブックについては素人です。<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024697" target="_blank"><strong>『水の中、光の底』</strong></a>の<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/author/1707" target="_blank">著者紹介</a>にもあるとおり、商業誌でのスタートは<strong>〈ＳＦマガジン〉</strong>８４年１１月号に掲載された「マイ・レディ・グリーン・スリーヴス」(<a href="http://www.hirata-koubou.com/sf/novel/green.html" target="_blank">http://www.hirata-koubou.com/sf/novel/green.html</a>)でした。これは純然たるアイデアＳＦでした。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　北海道で行われた日本ＳＦ大会（１９８４年、ＥＺＯＣＯＮ２）の「ＳＦコンテスト」で入選した短編ですね。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　その後、小学館の<strong>〈ポプコム〉</strong>というパソコン雑誌（１９８３～９４年）が「欄外アドベンチャーゲーム」という企画を立て、そのときＳＦ翻訳家・作家の矢野徹さん（１９２３～２００４年）に「誰か出来る人はいないか」と相談がありました。当時はじまったばかりの分野だったこともあって、たまたま親交のあった私にご連絡をいただいたのです。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　なるほど、創土社版<a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%95%E8%A6%A7%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%B5%B5-ADVENTURE-GAME-NOVEL-%E6%A3%AE%E5%B1%B1/dp/4789301184?ie=UTF8&qid=1315841772&sr=8-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211" target="_blank"><strong>『展覧会の絵』</strong></a>に矢野徹さんが解説を寄せていらしたのには、そういう背景がありましたか。<br />
　矢野徹さんは還暦を過ぎてからアナログゲーム紹介の第一人者である安田均さんの<strong>『ＳＦファンタジィ・ゲームの世界』</strong>（青心社）を読んで、コンピュータ・ゲームの<strong>「ウィザードリィ」</strong>を遊びはじめた方です。この経緯は<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A3%E6%97%A5%E8%A8%98%E2%80%95%E7%86%9F%E5%B9%B4%E4%B8%96%E4%BB%A3%E3%81%AE%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%9F%A2%E9%87%8E-%E5%BE%B9/dp/4041403391?s=books&ie=UTF8&qid=1315842368&sr=1-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211" target="_blank"><strong>『ウィザードリィ日記』</strong></a>（角川文庫）に書かれています。ゲーマーなら誰しも共鳴する熱い本です。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　矢野さんの紹介を受けて、まったくの素人だった私は、編集の方に会う前に研究しておかなくてはと思い、<strong>『火吹山』</strong>などを読み、このジャンルは新しい小説の形式になりうると思ったのです。<br />
　ただし、まだ小説の方法論、つまりストーリーを重視した構成、最終的な結末の意外性などまで出来ている作品はないんじゃないか。少なくとも当時、私は見つけられなかった。<br />
　そこで<strong>〈ポプコム〉</strong>の編集長に話したんです。私は決して小説のプロではないですが、お仕事をいただけるなら、小説の方法論を取り入れて、世界観をきちんとつくり、ストーリーを重視し、結末にいわゆる「落ち」を付けたいと。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　ゲームそのものには親しんでいらしたのですか？<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　ファミコンすら持っていませんでした。東京工業大学ＳＦ研究会の出身ですから当然、小説や漫画、映画が中心です。会話型のＲＰＧも存在を知っているだけでした。ゲームについては素人、アウトサイダーです。<br />
　つまり<strong>〈ポプコム〉</strong>の連載（１９８６年中に全６話を発表）は、「ゲームを全然知らない門外漢が、新しい小説の形式としてこのジャンルを捉え、ゲームシステムは後付けで勉強して手探りで書いた」ものです。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　ボードゲームやカードゲームなどは？
<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　チェスと将棋は好きでしたし、今も好きです。カードは普通のトランプしか知りません。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　失礼ですが、ゲームをあまりご存知なかったのに、なぜ矢野さんは「この人ならできる」と思われたのでしょうか。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　わかりません。<strong>「グリーン・スリーヴス」</strong>であるていど力を認めていただいたのかも知れませんが、当時はアドベンチャーゲーム自体が黎明期だったので、とりあえず紹介していただけただけかも知れません。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　ＥＺＯＣＯＮ２が８４年７月、ゲームブック<strong>『火吹山の魔法使い』</strong>の日本語版発売が同年１２月。<strong>『火吹山』</strong>は２００万部以上を売り上げたといいます。平田さんの<strong>〈ポプコム〉</strong>での連載が始まった８６年の年末には社会思想社からゲームブック専門誌<strong>〈ウォーロック〉</strong>が創刊されました。<strong>〈ウォーロック〉</strong>も創刊時に読売新聞に広告が打たれたといいます。この頃すでに、ゲームブックは大きなブームになっていました。<br />
　ところで<strong>「マイ・レディ・グリーン・スリーヴス」</strong>は、アイデアＳＦとおっしゃいましたが、アイデアの背景にある叙情性に惹かれます。<strong>『水の中、光の底』</strong>の帯に推薦文を寄せられた梶尾真治さんの<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E3%82%82%E3%81%84%E3%81%A7%E3%82%A8%E3%83%9E%E3%83%8E%E3%83%B3-%E5%BE%B3%E9%96%93%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A2%B6%E5%B0%BE-%E7%9C%9F%E6%B2%BB/dp/4199050086?s=books&ie=UTF8&qid=1315842469&sr=1-2?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211" target="_blank"><strong>『おもいでエマノン』</strong></a>（徳間デュアル文庫）や、レスター・デル・リイの<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9-%E7%80%AC%E5%90%8D-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4334924379?s=books&ie=UTF8&qid=1315842551&sr=1-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211" target="_blank"><strong>「愛しのヘレン」</strong>（</a>光文社刊『ロボット・オペラ』所収）を連想しました。アイデアＳＦ的な、ある種の工学的世界へ叙情的な感情移入を促す筆致というのは、矢野徹さんの<strong>『ウィザードリィ日記』</strong>とも相通じる部分があるかも知れません。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　抒情性については、当時は<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/author/33" target="_blank">新井素子さん</a>がとても人気があり、私も好きだったこと、それとホームページの私のイラストをご覧いただければわかりますが、私が少女漫画のファンだったことも関係します。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　それはよくわかるような、はたまた意外でもあるような（笑）<br />
<br /><br />
■<strong>『展覧会の絵』ができるまで</strong><br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　ストーリー性、抒情性重視のつもりで書いた第１作<strong>「新世界から」</strong>が<strong>〈ポプコム〉</strong>（８６年２月号）に載ります。いま見ると未熟な作品ですが、このジャンルに飢えていたファンの支持を受けたらしく、同誌での人気投票結果も悪くありませんでした。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　読みたい人が多いなかで、書ける人がいなかったのでしょうね。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　そうだったのかも知れませんね。その作品の反省と失敗点の修正を踏まえて第２作<strong>「昔々……」</strong>（８６年４月号）を発表したんですが、これはすごく受けたんです。前作で手探りだったのが少しわかってきて、ゲームシステムを大幅に改善した成果だと思います。なんと矢野さんには、編集長から「いい人を紹介してくれた」とお礼の電話が行ったそうです。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　<strong>「昔々……」</strong>につづく<strong>「待祭の旅」</strong>（８６年５月号）は伝説になっています。現在ゲームブックを精力的に出版し、イギリスに働きかけて翻訳している<a href="http://tandt.market.cx/" target="_blank">“ＦＴ書房”</a>という団体があるのですが、彼らも絶賛していました。<br /><br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　<strong>「待祭の旅」</strong>については、私自身がトランプの収集家だったこともあって、システムに工夫を施したものです。あれは、じつは何処かの女子高から編集部に、「文化祭の劇にしたい」という連絡があったそうです。その後どうなったのかわかりませんが、ストーリー重視の小説としても認められたと、心強く思いました。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　<strong>「待祭の旅」</strong>の演劇化、ぜひ見てみたいですね。それにしても平田さんがトランプの収集家だったとは。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　美術品としてコレクションしているんです。ゲームはしないのに（笑）。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　タロットはいかがですか？<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　自分でつくるぐらい好きです。私のサイトに、矢野さんが翻訳したフランク・ハーバートの<strong>《デューン》</strong>シリーズをベースにした「デューン・タロー」（<a href="http://www.hirata-koubou.com/sf/dune/tarot/tarot.html" target="_blank">http://www.hirata-koubou.com/sf/dune/tarot/tarot.html</a>）というのを上げてありますので、ぜひご覧ください。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　おお。かっこいいですね。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　８５年からゲームブックを出しはじめていた東京創元社が、新しい日本人の書き手を探していました。ここでも矢野さんに相談が行き、私が紹介されたのです。もう自慢してもかまいませんよね（笑）、編集の方のお話では「矢野さんが絶賛していた」とのことでした。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　当時の東京創元社は、<strong>《ソーサリー》</strong>（現在は創土社から復刊）や<strong>《ゴールデン・ドラゴン・ファンタジー》</strong>シリーズなどの翻訳ゲームブックの名作シリーズを出版して支持を得ており、日本人による作品も出しはじめていました。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　はじめは東京創元社側で企画を用意していて、それを私に依頼する予定だったようです。ただまあ、行くからには自分のアイデアも持っていくかと思い、「じつは」と言って<strong>『展覧会の絵』</strong>の草案を話したんです。<br />
<br />
<font color="navy"><strong>岡和田</strong></font>　持ち込みだったんですね。結果として、それがゲームブックとしてのオリジナル作品に繋がった。<br />
<br />
<font color="brown"><strong>平田</strong></font>　　そのときは「ムソルグスキーの組曲とその逸話を使った連作で、最後に主人公が<strong>『展覧会の絵』</strong>を作曲する」という程度の紹介でした。そうしたら「なんだか面白そうだから企画書にしてくれないか」と言われ、あらすじを文章にして提出したら通ったんです。<br />
<br />

<ul class="pageNavi">
<li class="caption">続きを読む……</li>
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/hirataokawada1109-1.html">1</a></li>
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/hirataokawada1109-2.html">2</a></li>
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/hirataokawada1109-3.html">3</a></li>
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/hirataokawada1109-4.html">4</a></li>
</ul>


<hr color="gray" size="1">

<font color="brown" size="2">■ <strong>平田真夫</strong>（ひらた・まさお）</font><br />
<font  size="2">
　１９５８年１月６日、東京都生まれ。８３年、東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻修士修了。在学中は東京工業大学ＳＦ研究会に所属。８４年、日本ＳＦ大会ＥＺＯＣＯＮ２主催の小説賞「エゾコンＳＦコンテスト」に「マイ・レディ・グリーン・スリーヴス」が入選し〈ＳＦマガジン〉に掲載された。８６年、小学館発行のパソコン雑誌〈ポプコム〉にアドベンチャーゲームを連載。８７年には、森山安雄名義でゲームブック『展覧会の絵』（創元推理文庫）を発表。同書は当時刊行されていた社会思想社発行のゲームブック専門誌〈ウォーロック〉誌上で毎月開催された「読者による人気投票」の第１位を長らく獲得しつづけた。２０１１年３月発売の『水の中、光の底』は、文芸書での初めての書籍となった。公式サイト「アトリエ平田工房」（<a href="http://www.hirata-koubou.com/" target="_blank">http://www.hirata-koubou.com/</a>）。<br /><br />

<font color="navy" size="2">■ <strong>岡和田晃</strong>（おかわだ・あきら）</font><br />
<font  size="2">
　１９８１年、北海道生まれ。２００４年、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。２０１０年「「世界内戦」とわずかな希望――伊藤計劃『虐殺器官』へ向き合うために」で第５回日本ＳＦ評論賞優秀賞を受賞。ほかに、佐藤亜紀『ミノタウロス』解説（講談社文庫）、「柴野拓美のメソドロジー――『「集団理性」の提唱』再読」（〈ＳＦ Ｊａｐａｎ〉２０１０ Autumn）、「救済なき救済の相（かたち）――《新しい太陽の書》小論」（〈ＳＦマガジン〉２０１１年９月号）等。またＲＰＧ《ダンジョンズ＆ドラゴンズ》、《ウォーハンマーＲＰＧ》シリーズの翻訳・紹介を手がける。現在〈Ｒｏｌｅ＆Ｒｏｌｌ〉誌上で「戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典」を連載中。新たなプロジェクト「Analog Game Studies」（<a href="http://analoggamestudies.seesaa.net/" target="_blank">http://analoggamestudies.seesaa.net/</a>)を主宰。<br />

<br /> 
<div align="right">（2011年9月15日）</div>
<br />
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.tsogen.co.jp/" target="_blank">ＳＦ｜東京創元社</a> ]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>高野史緒『時間はだれも待ってくれない　21世紀東欧ＳＦ・ファンタスチカ傑作集』（高野史緒編）序文［2011年9月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/takano1109.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1178</id>

    <published>2011-09-15T09:19:18Z</published>
    <updated>2011-09-21T23:59:46Z</updated>

    <summary>            東欧文学に関しては、「ＳＦ」よりも「ファンタスチカ」という語のほうがしっくり来る。ファンタスチカ、すなわち、サイエンス・フィクションやファンタジー、歴史改変小説、幻想文学、ホラ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[            <font style="FONT-SIZE: 1.00em" color="brown"><strong>東欧文学に関しては、「ＳＦ」よりも「ファンタスチカ」という語のほうがしっくり来る。ファンタスチカ、すなわち、サイエンス・フィクションやファンタジー、歴史改変小説、幻想文学、ホラー等を包括したジャンル設定だ。</strong></font><br /><br /><font style="FONT-SIZE: 1.25em"><strong>ツァーリとカイザーの狭間で――文化圏としての東欧</strong> <br /><br /><font color="navy"><font style="FONT-SIZE: 1.25em"><strong>高野史緒</strong></font>　fumio TAKANO</font> 
<hr color="black" size="1">
<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488013394" target="_blank"><img height="196" alt="時間はだれも待ってくれない" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1339.jpg" width="140" vspace="10" border="1"> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></div>


<p>
　今から３０年前の１９８０年、東京創元社からある本が出版された。深見弾による編訳書<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488658014" target="_blank"><strong>『東欧ＳＦ傑作集』（上下）</strong></a>である。前年に出版された<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488657017" target="_blank"><strong>『ロシア・ソビエトＳＦ傑作集』（上下）</strong></a>の姉妹編であり、両者でヨーロッパ共産圏のＳＦを網羅する形となっていた。<br />
　そう、当時はまだソビエト社会主義共和国連邦という国があり、その衛星国とともに「共産圏」なるものを形成していた。いわゆる「東側」というやつである。それは本来、政治的なくくりだが、ソ連が（婉曲的な言い方をすれば）あらゆる分野で東側各国の協力体制を築くべく努力していたことによって、文化的にも漠然と一つのカテゴリとなっていた。ことに地理的、歴史的にロシア帝国と近く、深くかかわらざるを得なかった東欧諸国は、一般的な日本人には文化的な双子のように見えていたように思う。<br />
　特にＳＦに関して言えば、ソ連が東欧の牽引役であったのは確かだ。深見版の解説にもある通り、東欧のＳＦは、６０年代の初頭にソ連の科学技術雑誌が音頭取りをしてＳＦコンクールを始めたことをきっかけとして大きく発展したのである。深見版の東欧編は大半がロシア語からの重訳なのだが、当時東欧諸語の翻訳者が充分育っていなかった日本でそれらの国々の作品を紹介できたのは、ソ連にロシア語訳版が存在したおかげだったのである。<br />
　こうした事情を考えれば、当時、深見が東欧とロシアを姉妹編として出版したのは不自然なことではなかった。が、時代はやがて変わるのである。あれから３０年、ソ連は消滅し、「東側」という枠組みも解体し、西暦は２１世紀となって第三の千年紀に突入した。しかし日本では、深見版以降、ロシア、東欧のＳＦはほとんど紹介されていないのが現状だ。深見自身も、東欧編に関しては大半が重訳であったこと、ソ連編に関してはバルト３国やウクライナ等の民族語で書かれた小説を網羅しきれなかったこと等を反省点として挙げているが、その後、それらの課題を引き継いだ者はいない。<br />
　今や鉄のカーテンもなくなり、インターネットなどという便利な道具もあり、優秀な翻訳者も育っている。技術的には当時より圧倒的に楽になっているのだ。２１世紀の我々が深見の後を継がない理由はない。が、しかしもう一方で、深見の時代にはなかった困難も生じている。当時は「東欧」の定義は今よりもずっと単純だった。「東側」というくくりがあったからだ。そういう定義が文化的に妥当であるかどうかは別として、アンソロジー編纂のための枠組みとしては有効であり、現実的であった。が、「東側」が通用しない今、「東欧」をいったいどう定義すればよいのだろう？<br />
　この点については編者も大いに悩むところであった。深見版で東欧として定義された範囲の現在を紹介するという方法もあったが、これは冷戦時代の定義を引き継ぐことにもなりかねず、容認しがたい。ではどうするか。十代の初めごろに音楽や文学を通じてヨーロッパに関心を持ち始めた編者は、東欧というものを漠然と一つの文化圏として認識していたのだが、こういう視点を使えないだろうかと考えたのである。<br />
　幸い、東欧文学に関しては現在の日本でもっとも頼りになる沼野充義の協力を得ることができ、相談を重ねるうち、専門家でない編者の漠然とした構想を形にすることができた。そしてさらにありがたいことに、東欧の定義を含めた解説を沼野に執筆してもらうことになった。というわけで、東欧の定義やその範囲についてはこの巻末の解説を頼りにしていただきたい（手前味噌だが、今、これほどコンパクトながらも内容の濃い東欧文化入門の解説は他にないのではないかと思っている）。<br />
　また、深見版では当然のように採用されていた「ＳＦ」という範囲設定も見直した。これも詳しくは沼野の解説に頼るが、東欧文学に関しては、「ＳＦ」よりも「ファンタスチカ」という語のほうがしっくり来るのだ。ファンタスチカ、すなわち、サイエンス・フィクションやファンタジー、歴史改変小説、幻想文学、ホラー等を包括したジャンル設定だ。そこはレムやエリアーデ、カフカ、チャペック、ブルーノ・シュルツ、パヴィチたちの住処と言うこともできるだろう。ここに挙げた作家を全員知らなくとも、二人ほど──例えばレムとカフカ──だけでも知っていれば、ファンタスチカの意味や雰囲気は何となく掴めるのではないだろうか。そして、それはこの地域の文化全体に親和的な感じはしないだろうか。<br />
　本書のために接触を持った東欧の作家や編集者、アドバイザーたちには、「ファンタスチカ」の一言で何の誤解も混乱も生じずに話が通じたものだ。作家の幾人かは、日本でなら間違いなくＳＦと呼ばれる作風であっても、自分の作品をＳＦと呼ばれることを好まず、ファンタスチカと呼ばれたがった（作家としては、編者もこの気持ちはとてもよく分かる）。ＳＦファンにはファンスチカというくくりは曖昧過ぎるように思えるかもしれないが、実際には、ＳＦファンの大半はファンタスチカのほぼ全域を網羅する読書をしている。ＳＦファンにも、純文学の愛好者にも、幻想小説の読者にも、本書のカテゴライズは違和感なく受け入れられるものと信じている。<br />
　本書ではこれらの定義に基づき、幾つかの目標を定めた。まず大前提なのは英語やロシア語からの重訳をせず、必ず原語から翻訳することだ。そして今回は２１世紀に書かれた作品のみを収録することにした。文学を知るには有名な古典から順に読んでゆくべきという考え方は愚かとしか言いようがない。クラシックは何がなんでもバッハやベートーヴェンの名曲から聞き始めないといけないことはなく、コンテンポラリーや『スター・ウォーズ』のサウンドトラックから入門したって構わないのだ。今まで紹介が立ち遅れてきた分野であればなおさら教条主義は無意味で、読者の多くが間違いなく興味を持つであろう「今」をまず提示し、今ここに生きている文学の存在を読者にリアルに感じてもらうべきだろうと考える。そうして東欧ファンタスチカに興味を持ってもらえれば、過去の名作や冷戦時代の作品を紹介する機会もできるはずである。<br />
　収録する地理的な範囲として考えたのは、バルト３国（エストニア、ラトヴィア、リトアニア）、旧ユーゴスラヴィア、旧ソ連圏スラヴ諸国（ウクライナ、ベラルーシ、モルドヴァ）から、それぞれ少なくとも一ヶ国は作品を出すこと、どちらかというと地中海世界に属する南部諸国（マケドニア、アルバニア等）については条件が整えば収録するが、必ずしも絶対的な目標とはしないこと等である。ブルガリアは当然、収録を目指したが、適任の翻訳者を確保できなかったことや、現在あまり良質なファンタスチカを輩出していないという現地情報もあり、今回は収録を断念した。<br />
　東欧諸国は近世以降、ドイツ系の皇帝（カイザー）とロシアの皇帝（ツァーリ）の間で幾多の苦難を重ね、異教の諸民族との最前線に立たされてきた。２０世紀に入ってそれらの大君主国が次々と消滅していった後にさえ、周辺の大国に悩まされるという事情は変わらなかった。干渉を受けた側の鬱積は相当なものだっただろう、文学の中にも巧みな当てこすりが随所に表れている。反抗心や検閲逃れの手法は結果として芸術に貢献することがままあるが、現場の苦労は並大抵ではなかっただろう。しかしそれと同時に、東欧は地理的にも文化的にも、そして時には心情的にも、それらの「敵」や「宗主国」や「侵略者」たちとの境界線が流動的なのである。そうした混淆(こんこう)や、少し前まで敵扱いだった旧宗主国を「古き良き時代の祖国」として慕ったりする矛盾性もまた、東欧の一筋縄ではいかない魅力の一部と言えるのではないだろうか。<br />
　当の東欧諸国には、「東欧」という言葉自体を冷戦の遺物として嫌う向きがある。しかし、「東欧」なる言葉を消し去ったところで、それで何が良くなるというものでもない。本書の編者としては、東欧という言葉やカテゴライズを否定するのではなくて、むしろ文化的ブランド・ネームとして誇ってほしいと考えている。何しろ東欧は先に挙げた作家たちのみならず、マーラーやクリムト、アンジェイ・ワイダ、アルヴォ・ペルト、フォン・ノイマン、イリ・キリアン、ミハイル・エイゼンシュテイン等々、数えきれないほどの才能の故郷なのだから。<br />
　芸術は人の最上の部分を引き出し、心を癒すものでありながら、同時に、人の運命を引き裂き血肉を喰らうことで成長する怪物の側面を持っている。かの地の先人たちが己れの命と引き換えに築き上げた芸術を尊重するためにも、苦悩や矛盾をも含んだ東欧という文化圏を愛してほしいと思うのである。本書がその一助となれば幸いである。<br />
<div align="right">（2011年9月）</div>

<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■高野史緒（たかの・ふみお）</font><br />

１９６６年茨城県生まれ。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。専門はフランス近世史。１９９５年、第６回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。歴史改変ファンタスチカを得意とする。著作に『カント・アンジェリコ』、『架空の王国』、『ヴァスラフ』、《ウィーン薔薇の騎士物語》シリーズ、『アイオーン』、『ラー』、『赤い星』がある。<br /><br />


<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script>
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js">
</script>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<br />
<a href="http://www.webmysteries.jp">ミステリ、ＳＦ、ファンタジー、ホラーの月刊Webマガジン｜Webミステリーズ！</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>北原尚彦「原子が少年になっちゃった『アトミーノは戦争がきらい』」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第15回】（1/2）［2011年9月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1109-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1158</id>

    <published>2011-08-24T08:07:35Z</published>
    <updated>2011-08-30T02:20:44Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  何はともあれ、何年も何年も探し続け、ネット検索を続け、空振りが続いていると、もう諦めの境地に達してくる。北原尚彦　naohiko KITAHARA ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font color=brown><b>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>何はともあれ、何年も何年も探し続け、ネット検索を続け、空振りが続いていると、もう諦めの境地に達してくる。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">第12回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html">第13回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1108-1.html">第14回</a>】</p> 


<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div> 


　もう何年探しているか分からない本、というのが幾つかある。そういう本は、頭の中にタイトルを入れておいて古書即売会や古書店で探すのはもちろん、不定期にネットで検索してみたりする。<br/>
　マルチェロ・アルジルリ<strong>『アトミーノは戦争がきらい』</strong>（講談社・世界の児童文学名作シリーズ／一九七四年）も、そんな一冊だった。
イタリアの児童文学作家によるＳＦということで注目したのだが、どこでこの作品のことを知ったのかも、もはや分からなくなってしまった。わたしの場合、そういう本の大半は石原藤夫氏による<a href="http://www.amazon.co.jp/SF%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E7%B7%8F%E7%9B%AE%E9%8C%B2%E3%80%88%E6%98%AD%E5%92%8C20%E5%B9%B49%E6%9C%88-%E6%98%AD%E5%92%8C43%E5%B9%B48%E6%9C%88%E3%80%89-1969%E5%B9%B4-%E7%9F%B3%E5%8E%9F-%E8%97%A4%E5%A4%AB/dp/B000J98SZ6?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『ＳＦ図書解説総目録』</strong></a>シリーズだったりするのだが、確認したところ本作は石原インデックスにも載っていなかった。
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="アトミーノは戦争がきらい" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1109-1.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『アトミーノは<br/>戦争がきらい』</b></font></div></div>


同人誌ながらかなりのジュヴナイルＳＦをフォローした埼玉大学ＳＦ研究会の〈MAXIMUM〉十二号「児童向けＳＦ特集号」（一九八七年）のリストかな、とも思ったが、これにも載っていなかった。<br/>


　となると、もうお手上げだ。ネット上のオークションででも見かけたのだろうか。結構なお値段で売っていたのを見た覚えはあるが、あれが最初だったのか（お値段の割りに函欠だったのでスルーしました）。<br/>
　何はともあれ、何年も何年も探し続け、ネット検索を続け、空振りが続いていると、もう諦めの境地に達してくる。だから、古本サイトがヒットした際も「どうせ過去のデータが残っているだけで、売り切れなんだろうなあ」と思いつつも、クリックしてみる。<br/>
　……売り切れじゃなかった。しかも、お値段は定価より三百円高いだけ。三十数年前の本なので、その間の物価の上昇を考えたら安いぐらいである。万が一復刊されることがあっても、この値段では買えまい。ソッコー注文だ。<br/>
　ネット古書店は、店頭と併売していて、注文しても売却済みということが時々ある。どうかそうなりませんように……と祈る思いで返事を待つと、在庫アリとのこと！　そして程なく現物が送られてきた。函付きで、十分な美品。滅茶苦茶嬉しい。これで憑き物がひとつ落ちました（まだまだ「アレが欲しい！」という憑き物は幾つも残ってますが）。<br/>
　本作の主人公は、アトミーノ。ネット上などで紹介されている文章や、表紙の画像などから<a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%89%84%E8%85%95%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A0%EF%BC%881%EF%BC%89-%E6%89%8B%E5%A1%9A%E6%B2%BB%E8%99%AB%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%85%A8%E9%9B%86-221-%E6%89%8B%E5%A1%9A-%E6%B2%BB%E8%99%AB/dp/4061732218?s=books&ie=UTF8&qid=1314256248&sr=1-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『鉄腕アトム』</strong></a>みたいな原子力エネルギーで稼動するロボットだと、勝手に思い込んでいた。<br/>
　だが読んでみたわたしは、あまりのことにひっくり返ってしまった。何せアトミーノは原子力ロボットではなく、原子力エネルギーそのもの、いや、「原子そのもの」だったのだ。<br/>
　原子力中央研究所で、放射性物質ではない原子から原子力エネルギーを取り出す実験がされていた。原子炉に様々な原子を入れてさあ実験、というところで科学者たちは将軍に呼ばれてしまう。その間にネコが勝手にボタンを押してしまい、爆発した原子炉から飛び出したのがアトミーノだった。要するにアトミーノは「巨大化して少年サイズになり、人格を持った原子」なのだ。原始少年ならぬ、原子少年だ。現代の日本ではどんな物でも擬人化してしまうけれども、アルジルリはそれを三十年以上も先んじていたのであります。萌えキャラじゃないけど、（少なくとも日本版イラストでは）ショタキャラには分類できそうだ。<br/>
　将軍と、唯一将軍の言うことを聞く科学者のフォン＝ボット教授は、アトミーノを軍事利用しようとするが、アトミーノは研究所を飛び出してしまう。<br/>
　街中で交通妨害をして捕まりそうになったアトミーノを助けて家に連れ帰ったのが、ズメラルディーナという少女だった。彼女の父親は、ザッカリアという原子物理学の教授。教授がガイガーカウンターをアトミーノに近づけると、それが破裂するほどの放射線が――って、滅茶苦茶キケンじゃないですか、アトミーノ！<br/>
　それからアトミーノは、ズメラルディーナと一緒に暮らすようになる。アトミーノは人間以上の力を持っているので、失敗ばかり。ボクシングの試合に乱入して選手をノックアウトしてしまったり、パーティでダンスに夢中になって家中メチャクチャにしてしまったり、勉強をしようと思って書斎の本を全部食べてしまったり。<br/>
　スポーツ大会に出場しても、早すぎたりジャンプの飛距離が大きすぎたりで計測されず、ちっとも勝てない。そりゃ、高跳びで競技が終わったころに下りて来られても、審判は困りますわな。<br/>
　働こうとしても、なかなかうまくいかない。ようやく自動車工場で雇ってもらい、ひとりであっという間に組み立ててしまうけれども、ここは従業員がストライキ中だった。知らなかったとはいえ、アトミーノはスト破りをしてしまったのだ。……しかし子どもの本なのに「スト破り」って。お国柄ゆえ、時代性ゆえでしょうねえ。<br/>
　夏休み、海に行ったアトミーノは、ズメラルディーノをゴムボートに乗せて漕いだところ、スピードが出すぎて北極の氷に激突。ボートは壊れて帰れなくなり、エスキモーのもとに滞在する始末。<br/>
　一か月後、ふたりはクジラに乗って戻るが、アトミーノはさらわれてしまう。彼の力を悪用しようとする、将軍のしわざだった。濃縮された原子力エネルギーである、アトミーノの「涙」で、将軍は強力な爆弾を作る……。最後にどうなるかは、明かさないでおきましょう。<br/>
　予想とは違っていたけれど、キャラ化した原子という奇想天外ぶりにはやられました。手に入れて良かった。<br/>
　ズメラルディーナは女の子なのに口が悪く、「ちきしょう、おたんこなす！」が口癖。原文では何と言ってるんでしょうね。<br/>
　巻末の訳者あとがき（アトミーノへのインタビュー形式になっている）によると、アトミーノは原子版の“ピノキオ”なのだそうだ。ズメラルディーナが妖精に当るとのことだが、それにしちゃ口が悪すぎですな。
　イラストはマンガやアニメっぽいなあ、と思ったら、永田竹丸というのは漫画家でした。一九三四年生まれで、二〇一一年の時点で御健在。七十七歳、喜寿ですね。おめでとうございます。〈漫画少年〉の常連投稿者で、トキワ荘の「通い組」にして「新漫画党」メンバー。田河水泡の弟子で、山根赤鬼・青鬼とともに「のらくろ」継承者。主に幼年誌で活躍し、一九六〇年に第１回講談社児童まんが賞受賞。代表作は<strong>『おにいちゃん』</strong>。
　アトミーノの名前やデザインから手塚治虫を想起してしまうが、女の子の描き方なんかはどちらかというと藤子不二雄っぽい……と思ったら、永田竹丸は藤子不二雄のチーフアシスタントを務めていた時期もあった。納得。また<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%AF-1~%E6%9C%80%E6%96%B0%E5%B7%BB-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B9-%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88/dp/B002DE6GSQ?s=books&ie=UTF8&qid=1314257265&sr=1-9?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『パンク・ポンク』</strong></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
の、たちいりハルコは永田竹丸のアシスタント出身だそうだ。一説によると、マンガにスクリーントーンを導入したのはこの永田竹丸が最初らしい。<br/>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="アトミーノは戦争がきらい" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1108-11.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b></b></font></div></div>




　訳者の岩崎純孝（一九〇一～七一）は大正～昭和期のイタリア文学者で、イタリア語からの訳書は多数。昭和初期には、日本ファシズム連盟の機関誌でファシズム文学論を展開していた。<br/>


　訳書は<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A0%E3%83%84%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E5%85%A8%E9%9B%86%E3%80%88%E7%AC%AC8-10%E5%B7%BB%E3%80%89-%E6%98%AD%E5%92%8C16%E5%B9%B4/dp/B000JBOD1W?s=books&ie=UTF8&qid=1314257443&sr=1-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『ムッソリーニ全集 第七巻』</strong></a>（日本評論社／一九三五年）、マッシモ・ボンテムペッリ<strong>『我が夢の女』</strong>（河出書房／一九四一年）、デ・アミーチス<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%AC-%E5%B0%91%E5%B9%B4%E5%B0%91%E5%A5%B3%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%A4%A8-22-%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89-%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%B9/dp/4061943227?s=books&ie=UTF8&qid=1314258274&sr=1-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『クオレ』</strong></a>（富士出版／一九四八年）、コローディ<a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E8%A8%B3-%E3%83%94%E3%83%8E%E3%83%83%E3%82%AD%E3%82%AA%E3%81%AE%E5%86%92%E9%99%BA-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AD-%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3/dp/4042916015?s=books&ie=UTF8&qid=1314258454&sr=1-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『ピノッキオの冒険』</strong></a><</a>（紀元社／一九四八年）などなど。<strong>『我が夢の女』</strong>は、新版がちくま文庫から<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%81%8C%E5%A4%A2%E3%81%AE%E5%A5%B3%E2%80%95%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%83%AA%E7%9F%AD%E7%AF%87%E9%9B%86-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A2-%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%83%AA/dp/4480022783?s=books&ie=UTF8&qid=1314258755&sr=1-1?_encoding=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『わが夢の女』</strong></a>として出ており、奇想小説好きにはオススメ。<br/>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="アトミーノは戦争がきらい" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1108-12.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b></b></font></div></div>



　先ほど、アトミーノのキャラの話の中で「（少なくとも日本版イラストは）」とわざわざ断ったのは、原書でのデザインと日本版デザインとでは趣がずいぶんと異なるからだ。それに気づいたのは、アトミーノが誕生して、初めて研究所の科学者たち（＆将軍）の前に姿を現した際のシーンの描写。科学者たちは、アトミーノを見て「原子のようにおもえる」とか「絵にかかれている原子にそっくり」などと述べるのだ。これにわたしは首をひねって、ネット上を検索してみたのである。そして見つけた画像を見て、ナットク。
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="アトミーノは戦争がきらい" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1108-13.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b></b></font></div></div>


英語ではないのでどれが本当の原書か確定できていないし（ヨーロッパ各国で翻訳されているため）、またイタリアで漫画化もされているのでその画像も混ざっているかもしれないが、何はともあれご覧頂きたい。

確かに、巨大化した原子である。身体は丸っこく、アトムよりも『タンク・タンクロー』に近い体型だ。日本でのアトミーノの描き方が、特殊だったのだ。日本人好みになっていて、可愛いけどね。<br/>


　
<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1109-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1109-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京

創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>北原尚彦「知られざる静岡ＳＦ作家・杉山恵一」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第14回】（1/2）［2011年8月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1108-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1135</id>

    <published>2011-08-02T02:14:24Z</published>
    <updated>2011-08-06T12:09:48Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  想像力のたがを外すとどうなるか知りたいという方は、読んでみて頂きたい。北原尚彦　naohiko KITAHARA     　  ●これまでの北原尚彦...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font color=brown><b>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>想像力のたがを外すとどうなるか知りたいという方は、読んでみて頂きたい。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">第12回</a> ｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html">第13回</a>】</p> 

<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div> 


　ことの起こりは、「ＳＦ評論賞贈呈式」＆「増田まもるさんにあやかる会」の、ＳＦ作家クラブパーティの際のことだった。クラブ事務局の一員として働いていたわたしは、某編集氏が見たことのない本を何冊か持っていることに気が付いた。わたしが「それは？」と訊くと、編集氏は「タ＊ツ＊さんに薦められたんですが、静岡で出た静岡ＳＦらしいんですよ」とのこと。</br>
　地方出版の地方ＳＦと言えば、わたしのストライクど真ん中ではないか。それはもっと詳しく知りたい。</br>
　わたしは「タ＊ツ＊さん」＝「タツミさん」だと思い込み、二次会で隣のテーブルになった巽孝之氏に尋ねてみた。すると「いや、それは私ではないです。静岡ＳＦだったら、高槻さんじゃないかな」とのお答えが。</br>
　ああ勘違い。「タ＊ツ＊さん」＝「タカツキさん」だったのである。巽さん、その節はご迷惑をおかけしました。</br>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="閑ヶ丘物語" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1108-1.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『閑ヶ丘物語』</b></font></div></div>

　改めてＳＦ評論家の高槻真樹氏をつかまえて尋ねると、今度こそ大当たり。わたしが非常に興味を持っている旨を伝えると、「これならいま余部がありますから、どうぞ」と、一冊譲って頂いてしまったのだ。それが杉山恵一<strong>『閑ヶ丘物語』</strong>（静岡出版／一九八六年）である。</br>
　高槻氏は、二〇一一年のＳＦ大会「ドンブラコンＬ」が静岡で開催される関係で、研究・紹介するために「静岡ＳＦ」を集めていた。その過程で、杉山恵一という存在を知ったのだという。</br>
　杉山恵一は、静岡大学の元教授（現在は名誉教授）で、静岡県自然保護協会の会長やＮＰＯ法人・自然環境復元協会の理事などを務める環境学者。ビオトープ（生物群が生息する空間）という概念を我が国に紹介したのも、杉山恵一だという。<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E3%2583%258F%25E3%2583%2581%25E3%2581%25AE%25E5%258D%259A%25E7%2589%25A9%25E8%25AA%258C-%25E6%259D%2589%25E5%25B1%25B1-%25E6%2581%25B5%25E4%25B8%2580%2Fdp%2F4791750357&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『ハチの博物誌』</strong></a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E3%2583%2593%25E3%2582%25AA%25E3%2583%2588%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2597%25E3%2581%25AE%25E5%25BD%25A2%25E6%2585%258B%25E5%25AD%25A6%25E2%2580%2595%25E7%2592%25B0%25E5%25A2%2583%25E3%2581%25AE%25E7%2589%25A9%25E7%2590%2586%25E7%259A%2584%25E6%25A7%258B%25E9%2580%25A0-%25E6%259D%2589%25E5%25B1%25B1-%25E6%2581%25B5%25E4%25B8%2580%2Fdp%2F4254101341%3Fs%3Dbooks%26ie%3DUTF8%26qid%3D1312254708%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『ビオトープの形態学』</strong></a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E8%2587%25AA%25E7%2584%25B6%25E7%2592%25B0%25E5%25A2%2583%25E5%25BE%25A9%25E5%2585%2583%25E5%2585%25A5%25E9%2596%2580-%25E6%259D%2589%25E5%25B1%25B1-%25E6%2581%25B5%25E4%25B8%2580%2Fdp%2F4797225459%3Fs%3Dbooks%26ie%3DUTF8%26qid%3D1312254877%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『自然環境復元入門』</strong></a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E8%2587%25AA%25E7%2584%25B6%25E8%25A6%25B3%25E5%25AF%259F%25E3%2581%25AE%25E5%259F%25BA%25E7%25A4%258E%25E7%259F%25A5%25E8%25AD%2598%25E2%2580%2595%25E6%25A4%258D%25E7%2589%25A9%25E3%2583%25BB%25E9%25B3%25A5%25E9%25A1%259E%25E3%2583%25BB%25E6%2598%2586%25E8%2599%25AB-%25E6%259D%2589%25E5%25B1%25B1-%25E6%2581%25B5%25E4%25B8%2580%2Fdp%2F4797225610%3Fs%3Dbooks%26ie%3DUTF8%26qid%3D1312255052%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『自然観察の基礎知識』</strong></a>など、著作も多数ある。</br>
　そんな人物が、本業とは無関係なところで（時々は関係あったりもするのだが）、ＳＦ系の奇想小説を書いていたのだ。</br>
　<strong>『閑ヶ丘物語』</strong>は、その名の通り閑ヶ丘という土地を舞台に展開される物語。この「閑ヶ丘」は「しずがおか」と読む。つまり、我々の世界とは微妙に異なる「静岡」なのだ。</br>
　県では名の知られた歌人・上原は、市民文化会館のこけら落としコンサートの仕切りを任されていたのだが、それをひとりの男によって台無し、大失敗とされてしまった。その男の身元を調べると、“ツチミカド”と呼ばれる野卑な奇人であると判明した。ツチミカドは、何か特殊な能力を持っているらしい。</br>
　一方、農家出身だがラブホテル経営で財を成した金山益江という女性が、文化人たらんとしていた。彼女は歌集を出そうとして詐欺師に騙されたことがあるのだが、その際の相談相手・上原に筋のない恨みを抱いていたので、上原の失敗には呵呵大笑した。</br>
　……と紹介していると、どこがＳＦなのかと思われることだろう。確かに、前半は（出来事自体はハチャメチャだが）現実の枠をあまり踏み出さない。しかし中盤以降、通常ではあり得ない蜃気楼が見えて、それが過去の出来事――関が原の合戦であると判明するなど、現実から逸脱していく。</br>
　閑ヶ丘では大地震（我々の世界で言うところの東海大地震）が発生することが心配されているのだが、その際にダムが決壊するのでは、との心配から、安穏川の安穏ダム（我々の世界における青野川の青野大師ダムか？）の建設反対運動が起こっている。これを鎮めるために、霊力で大地震を抑えよう、ということになる。それを誰がやるか、というわけで、先述のツチミカドと、金剛式部なる女性霊能力者が対決するはこびとなったのだ。</br>
　ある朝、上原が目覚めると、世界はすっかり変貌していた。果たして、巨大地震は閑ヶ丘を襲うのか……。</br>
　読んでみたわたしの受けた印象では、非常に「筒井康隆的」なテイストであった。登場人物を次々に災難が襲い、ドタバタしているうちにそれがエスカレートしていき、遂には現実の壁を打ち破ってしまう。しかも、まったく予想だにしない方向にストーリーが展開していくのだ。</br>
　登場人物たちは静岡の実在する人物をカリカチュアライズしたものと推察されるが、本人たちを知らないためその部分を楽しめないのは残念。</br>
　この作品の真価（想像力の弾け具合）は、じっくりと読まないと分からない。自分で古本屋で見つけて、ぱらぱらっとページをめくっただけだったら、普通の小説だろうと思って棚に戻していたかもしれない。そういう意味では、高槻真樹氏に教えてもらったのは非常にありがたかった。</br>
　さて、<strong>『閑ヶ丘物語』</strong>を読んだわたしは、他の作品も読んでみたくなった。しかしネットで探しても、ビオトープ／自然環境関係の著作は見つかっても、創作の本は引っかからない。実は創作作品はどれも私家本なので、一般書店では売っていないのだ。</br>


<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="太田河原慶一郎氏の一日" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1108-2.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『太田河原慶一郎氏</br>の一日』</b></font></div></div>


　そこで既に作者と連絡を取り合っていた高槻氏にご紹介頂き、わたしも杉山氏とメールをやりとりし、送ってもらったのが<strong>『太田河原慶一郎氏の一日』</strong>（南アルプス研究会／一九八二年）と<strong>『地底の王国』</strong>（風塵書房／一九九三年）である。</br>

　<strong>『太田河原慶一郎氏の一日』</strong>は、タイトル通りに太田河原慶一郎氏の一日を追った作品。最初は非日常的な出来事が次々に起こるが、これは夢の中のことなので非日常でも不思議はない。しかし目覚めたあと、幾つかの出来事の後、太田河原慶一郎氏は何か途方もないことが起こる大きな気配を感ずる。</br>
　外に出て歩いている人たちを見ていると、同じ外見の黒眼鏡の男が何人も通ることに気づく。これは何かの陰謀か。太田河原慶一郎氏は、黒眼鏡の男の一人を追いかける。そのうちに満員電車に乗る羽目になり、目の前の女性に痴漢と間違えられてしまう。下車後、謝ろうと彼女を追いかけ、会社ビルに入ると、また黒眼鏡の男が現われる。</br>
　人事課で尋ねようとすると、なんとそこには太田河原慶一郎氏に関するデータまであった（しかもなぜか間違いだらけ）。慌てて幾つかの部屋の扉を開けると、中はどれも同じ。最後の部屋にいたのは、全て同じ黒眼鏡の男たちだった。不可解な出来事は、エスカレートしつつも続く……。</br>
　悪夢から醒めたのに、太田河原慶一郎氏は現実世界でも悪夢的な出来事に襲われ続けるのだ（やっぱり夢でした、というオチではありません、念のため）。これもまた、ツツイ作品的な印象が強かった。</br>

　
<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1108-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1108-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京

創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>日下三蔵『結晶銀河　年刊日本ＳＦ傑作選』（大森望・日下三蔵編）序文［2011年7月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kusaka1108.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1131</id>

    <published>2011-07-25T20:08:23Z</published>
    <updated>2011-08-05T07:29:52Z</updated>

    <summary>            ＳＦ専門誌だけでなく、単行本書下し作品、マンガ、同人誌掲載作、ロリコン雑誌（！）掲載作まで、幅広く取り揃えて日本ＳＦの最新見本市になるよう心がけた。編者としてはコアなＳＦの良作...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[            <font style="FONT-SIZE: 1.25em" color="brown"><b>ＳＦ専門誌だけでなく、単行本書下し作品、マンガ、同人誌掲載作、ロリコン雑誌（！）掲載作まで、<br />幅広く取り揃えて日本ＳＦの最新見本市になるよう心がけた。<br />編者としてはコアなＳＦの良作を一堂に集めることができたと自負している。</b></font><br /><b>2010年日本ＳＦ界の収穫、選びぬかれた13編を収録</b> <br /><br /><font color="navy"><font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>日下三蔵</b></font>　sanzou KUSAKA</font> 
<hr color="black" size="1">
<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488734046"><img height="196" alt="結晶銀河" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/73404.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></div>


<p>
　創元ＳＦ文庫版《年刊日本ＳＦ傑作選》の第４集<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488734046" target="_blank"><strong>『結晶銀河』</strong></a>をお届けする。既刊の３冊と同様、２０１０年の１月から１２月までに発表（奥付に準拠）された作品の中から、大森望と日下三蔵の２人が「面白いＳＦだ」と思った作品を選んで収録したものである。<br />
<br />
　２０１０年の日本ＳＦ界は、柴野拓美さんと浅倉久志さん、２人の先達の相次ぐ訃報という悲しいニュースで幕を開けた。柴野さんは１９５７（昭和３２）年にＳＦ同人誌<strong>〈宇宙塵〉</strong>を創刊し、星新一を筆頭に数多くの作家を世に送り出してきた国産ＳＦ育ての親の１人である。小隅黎名義での翻訳・創作、さまざまな媒体に発表されたＳＦの紹介エッセイ、<strong>「科学忍者隊ガッチャマン」</strong><strong>「宇宙の騎士テッカマン」</strong>など初期のテレビアニメのＳＦ考証と、柴野さんの仕事によって幼いころからＳＦへの興味をかきたてられ、やがてＳＦファンとなった人は数多い。<br />
　浅倉さんは６２（昭和３７）年から活動しているＳＦ翻訳の第一人者で、その丁寧な訳文には定評がある。<strong>『重力の使命』</strong><strong>『アンドロイドは電気羊の夢を見るか？』</strong><strong>『アンドロメダ病原体』</strong><strong>『九百人のお祖母さん』</strong><strong>『たったひとつの冴えたやりかた』</strong>と、主な訳書を挙げただけでも、浅倉さんの仕事の素晴らしさは容易に判るはずだ。<br />
　お二人は２０１０年の第３１回日本ＳＦ大賞で特別賞を贈られ、既にＳＦ界から偉大な業績を顕彰されている（柴野さんは第４１回星雲賞特別賞も受賞）が、この年刊ＳＦ傑作選でも改めてお礼を述べておきたい。柴野さん、浅倉さん、ありがとうございました。<br />
<br />
　さて、本巻の内容だが、おそらくこれまでで最も<strong>ＳＦ濃度</strong>の高い１冊になったと思う。既刊では「これってＳＦなの？」と思わせる作品が（主に大森さんのセレクトによって）一定数含まれているのが通例だったが、今年は大森さんからも明らかなＳＦ作品しか推薦作が上がってこなかった。むしろ日下セレクトによる月村了衛の警察小説「火宅」が近未来ＳＦ『機龍警察』の番外篇というだけで作品自体はＳＦではないのが、もっとも大きく境界をはみ出しているほどなのだ。<br />
　理由は明らかで、２０１０年は対象作品全体に占める直球ＳＦ作品の数が、例年になく多かったためである。<strong>《異形コレクション》</strong>や<strong>『ＮＯＶＡ』</strong>といった書下しアンソロジーが順調に刊行されているのに加え、創刊５０周年を迎えた<strong>〈ＳＦマガジン〉</strong>が、２月号で日本作家特集を組んだのが効いている。この号だけで第一線のＳＦ作家による短篇が１８本も掲載されており、これはここ数年の<strong>〈ＳＦマガジン〉</strong>であれば１年間に掲載される日本ＳＦ短篇作品の総数を（１号だけで）上回る数である。<br />
　もちろん、ある雑誌の同じ号からあまり多くの作品を採るのは、アンソロジストとして芸がないので、頑張って絞り込んだのだが、それでも２月号から３篇、〈ＳＦマガジン〉からは合計４篇を収録させていただくことになった。<br />
　さらに<strong>《異形コレクション》</strong>は期間内に刊行された２冊のうちＳＦ度の高かった『Ｆの肖像 フランケンシュタインの肖像』から２篇、<strong>『ＮＯＶＡ』</strong>も期間内の２と３から各１篇。これだけで選んだ１３作品のうち８篇に達しているのだから、本巻のＳＦ濃度はおおよそ察していただけるのではないだろうか。<br />
　もちろんＳＦ専門誌だけでなく、単行本書下し作品、マンガ、同人誌掲載作、ロリコン雑誌（！）掲載作まで、幅広く取り揃えて日本ＳＦの最新見本市になるよう心がけた。編者としてはコアなＳＦの良作を一堂に集めることができたと自負している。<br />
　今回のタイトル<strong>『結晶銀河』</strong>は、コアをイメージして小松左京の名作短篇<strong>「結晶星団」</strong>から前半をいただき、これまで「無限」「次元」などとともに使用を避けてきたＳＦタイトル頻出ワードから「銀河」を選んで合成したもの。漢字四文字タイトルは、そろそろで一区切りになるだろうから、手持ちの切り札をつかった次第であります。<br />
<br />
　昨年から始めた一般公募の創元ＳＦ短編賞は、第１回受賞作である松崎有理さんの<strong>「あがり」</strong>（『量子回廊』所収）が、いきなり星雲賞の参考候補作にノミネートされて選者もビックリ。候補作アンソロジー<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488739010" target="_blank"><strong>『原色の想像力』</strong></a>も好評で、松崎さんは受賞作を含む作品集<strong>『あがり』</strong>が、<strong>「盤上の夜」</strong>の宮内悠介くんもこれを表題にしたゲームＳＦ作品集が、東京創元社から近々刊行される予定である。手探りで始めた新人賞としては、これ以上ないほど好調な滑り出しといえるのではないか。<br />
　幸いにして第２回も初回と同様、６００作近い応募をいただき、バラエティ豊かな候補作を選出することが出来た。酉島伝法さんの受賞作<strong>「皆勤の徒」</strong>は本書に収録。そうとうＳＦを読み慣れた人でも、このイメージの奔流には驚かれるのではないかと思う。また、惜しくも受賞を逸した候補作の中から、今年も新人アンソロジーを編んでいるところなので、こちらも楽しみにしていただきたい。<br />
　<a href="http://www.tsogen.co.jp/sftanpensho/" target="_blank">第３回の応募要綱</a>も巻末に掲載されているので、我こそはと思われる方は、ぜひふるって作品をお寄せください。<br />
<br />
　それでは第１世代の超ベテランから未知の新人まで、１４人の作家の手になる２０１０年の日本ＳＦの収穫を、どうぞ最後までご堪能ください。ＳＦというジャンルの楽しさをたっぷりと味わえることを、編者を代表してここにお約束します。
</p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
<div align="right">編者敬白&nbsp;&nbsp;</div>

<div align="right">（2011年7月）</div>
<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/sftanpensho/">第３回創元SF短編賞の応募要項はこちら</a></b><br /><br />

<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■日下三蔵（くさか・さんぞう）</font><br />1968年神奈川県生まれ。専修大学文学部卒。書評家、フリー編集者。主な著書に<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4152088761?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4152088761" target="blank">『日本ＳＦ全集・総解説』</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=as2&o=9&a=4152088761" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />、<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4860110846?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4860110846" target="blank">『ミステリ交差点』</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=as2&o=9&a=4860110846" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />、主な編著に《日本ＳＦ全集》、<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488458010">《中村雅楽探偵全集》</a>、《都筑道夫少年小説コレクション》、『天城一の密室犯罪学教程』ほか多数。<br /><br />
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script>
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js">
</script>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<br />
<a href="http://www.webmysteries.jp">ミステリ、ＳＦ、ファンタジー、ホラーの月刊Webマガジン｜Webミステリーズ！</a>]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>『異星人の郷』2011年度星雲賞受賞のことば［2011年6月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/seiunsho1106.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1129</id>

    <published>2011-07-15T09:40:37Z</published>
    <updated>2011-09-05T07:59:17Z</updated>

    <summary> 各所で既報のとおり、日本ＳＦ大会参加者が選ぶ２０１１年度の星雲賞（第４２回）が決定し（今年は試験的に、大会に先行しての発表となりました）、海外長編部門を、創元ＳＦ文庫刊『異星人の郷』（マイクル・フリ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[
<p>各所で既報のとおり、日本ＳＦ大会参加者が選ぶ２０１１年度の<strong>星雲賞</strong>（第４２回）が決定し（今年は試験的に、大会に先行しての発表となりました）、<strong>海外長編部門</strong>を、創元ＳＦ文庫刊<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488699017"><strong>『異星人の郷』（マイクル・フリン／嶋田洋一訳）</strong></a>が受賞しました。<br /><br />
他部門の受賞作など詳細は「日本ＳＦファングループ連合会議」内のページをご覧ください。 <a href="http://www.sf-fan.gr.jp/awards/2011info.html" target="_blank">http://www.sf-fan.gr.jp/awards/2011info.html</a> 
<br /><br /> 
贈賞は、２０１１年９月３日（土）～４日（日）、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」で開かれる「第５０回日本SF大会　ドンブラコンL」で行われます。詳細は「第５０回日本SF大会　ドンブラコンL」公式サイトをご覧ください。 <a href="http://www.sf50.jp/" target="_blank">http://www.sf50.jp/</a><br /><br /> </p>
<p>
<font style="FONT-SIZE: 1.25em" color="brown"><strong>■ 著者、マイクル・フリン氏のコメント<br /><br /></strong></font></p>

　わたしの作品『異星人の郷』が、２０１０年の星雲賞（海外長篇部門）を獲得したという知らせを受け取り、欣快に耐えません。ＳＦ界にすばらしい貢献をしていることでよく知られた国からの授賞を、たいへん名誉に思います。これを可能にしてくれた東京創元社に感謝します。<br/>
　それ以上に、翻訳者の嶋田洋一氏に感謝します。翻訳書とはすべて原著者と翻訳者との共同作品ですが、英語版の Eifelheim には古い英語の語彙や、ドイツ語、ラテン語、ギリシャ語などがちりばめられています。この作品の魅力は詩的な表現と、文章のリズムや文体だとするレビュワーもいました。英語はドラムでビートを刻むような、強弱の明確な言語です。日本語はもっと均一な、流れの速い川の水音ような言語です。この作品を日本語に翻訳するのは、さぞ大変だったことと思います。星雲賞を受賞するほどの出来栄えで作品を翻訳した嶋田さんは、大いに称賛されるべきです。<br/>
　われわれがＳＦを読む理由の一つは、奇妙な、異国的な存在や場所に触れてみたいという欲求――なじみ深いものの中に奇妙さを見いだし、奇妙なものの中になじみ深さを見いだす楽しみでしょう。多くの欧米人読者の反応は、中世ドイツの農民のほうが、巨大バッタ以上に異星人のようだったというものでした！　日本人読者にとって、中世ドイツはどれほど異質な世界に見えたことでしょう。ただ、中世ヨーロッパと徳川時代の日本にはけっこう共通点があります。騎士と侍、キリスト教と仏教、皇帝／将軍に対する地方貴族／地方大名の権力など――そうはいっても、当時のヨーロッパにおける荘園と都市の生活感はずいぶん違っていました。日本の読者にとっては、このあたりが異国風味を際だたせたかもしれません。<br/>
　前に誰かが、どの国に住んでいても未来はそう違わないが、過去は大きく異なっていると言ったことがありました。日本人読者のみなさんが『異星人の郷』に投票したのは、翻訳者が提示した作品の魅力のせいだけでなく、それぞれが自分の中に、前述した「奇妙なものの中になじみ深さを見いだす」喜びを感じたからだと思います。ですからここに、最大の感謝を日本のＳＦファンのみなさんに捧げます。ホントウニアリガトウゴザイマス。（嶋田洋一訳）<br/>

<div align="right">（2011年9月5日）</div><br /><!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->


<!--
<p><div style="FLOAT: left; WIDTH: 210px"><img src="http://www.webmysteries.jp/img/seiunsho2.jpg" width="200" height="181" alt="09年星雲賞副賞">
<div style="TEXT-ALIGN: center" style="FONT-SIZE: 0.75em" color="gray">副賞は2.5メートル四方の巨大風呂敷</div></a></font></div>
　コメント（嶋田洋一訳）<br /><br /></p>
//-->

<p><div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488699017"><img height="196" alt="異星人の郷" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/69901.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.webmysteries.jp/images/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<font style="FONT-SIZE: 1.25em" color="brown"><strong>■ 訳者、嶋田洋一氏のコメント</strong><br /><br /></font></p>
<p>
　７月１０日、日本ＳＦファングループ連合会議事務局員の牧紀子氏から、拙訳書『異星人の郷』（マイクル・フリン著、創元ＳＦ文庫）が今年の星雲賞海外長篇部門受賞作に決まったとの連絡をいただきました。<br />
　この作品は２００７年に横浜で開催された世界ＳＦ大会ＮＩＰＰＯＮ２００７の際、ヒューゴー賞の候補作となったものです。残念ながらヒューゴー獲得はなりませんでしたが、この大会中に東京創元社の小浜徹也氏から翻訳の打診があり、今回の受賞につながりました。<br />
　一足先に原稿を読んだイラストレーターの加藤直之さんや校閲の方にも評判がよかったと聞きますし、刊行後も好意的に評価する声が多かったため、「ああ、これはひょっとすると……」という気持ちはありました。ただ、そうは言っても地味な作品で、根気よく読んでいただかないと、良さが伝わらないのではないかとの危惧があったのも事実です。<br />
　今回、多くの方の支持をいただいて受賞に至りましたことに心から感謝するとともに、こういうタイプの作品もじゅうぶんに評価され支持されるのだということに、意を強くしたところです。<br />
　あらためまして、本当にありがとうございました。
<br /></p>
<div align="right">（2011年7月15日）</div><br /><!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script>
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js">
</script>
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ -->
<br />
<a href="http://www.webmysteries.jp">ミステリ、ＳＦ、ファンタジー、ホラーの月刊Webマガジン｜Webミステリーズ！</a>]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>北原尚彦「実はＳＦ含有率が高かった「原爆児童文学集」（後篇）」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第13回】（1/2）［2011年7月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1107</id>

    <published>2011-06-29T00:39:10Z</published>
    <updated>2011-07-04T06:11:10Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  おそらく、まだ見ぬＳＦがもっともっとあるに違いない。北原尚彦　naohiko KITAHARA     　  ●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font color=brown><b>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>おそらく、まだ見ぬＳＦがもっともっとあるに違いない。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">第12回</a>】</p> 
<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div> 

　ここのところ、古い学習雑誌（学年誌）を立て続けに買っている。なぜかといえば、理由は簡単。ジュヴナイルＳＦが載っているからだ。<br /> 
　ジュヴナイルＳＦ収集は単行本や、せいぜい（学習雑誌の）別冊付録どまりにするつもりだった。だが、雑誌に掲載されたままの珍しい作品も結構あり、見つけてしまうと情報収集のためにも買っておかざるを得ないのである。まあ、そのおかげで書誌でも掲載年月などの詳細が不明だった柴野拓美作品が発掘できたりもするのだ。……ジュヴナイルＳＦの世界、とても深いです。<br /> 
<br /> 
　というわけで、引き続き汐文社の<strong>「原爆児童文学集」</strong>（一九八五～八六年）のジュヴナイルＳＦである。前回は第十巻、第十一巻、第十二巻を紹介したので、その次から。<br />
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="いつか緑の木かげで" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1107_1.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『いつか緑の木かげで』</b></font></div></div>
　第十三巻は江口宣<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E3%2581%2584%25E3%2581%25A4%25E3%2581%258B%25E7%25B7%2591%25E3%2581%25AE%25E6%259C%25A8%25E3%2581%258B%25E3%2581%2592%25E3%2581%25A7-%25E5%258E%259F%25E7%2588%2586%25E5%2585%2590%25E7%25AB%25A5%25E6%2596%2587%25E5%25AD%25A6%25E9%259B%2586-13-%25E6%25B1%259F%25E5%258F%25A3-%25E5%25AE%25A3%2Fdp%2F4811370120&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『いつか緑の木かげで』</strong></a>。これはタイトルゆえに、図書館で中身を確認するまでＳＦだとは気付かなかった。全冊チェックしなければ、見逃すところでしたよ。<br />
　長崎から来た六人の中学生と一人の先生が、修学旅行で大分県の金山跡地の坑道にいた際、震動と共に落盤が起こり、閉じ込められる。苦労して外に出ても人は見当たらず、ラジオも電波を全く受信しない。雨が降り続き、気温はどんどん下がる。<br />
　――まあ、「原爆児童文学集」ですから、実は核戦争が起こっていたというのは当然の流れ。しかしどうも、登場人物の行動原理が不自然だったり、説明すべき事柄が説明されなかったりが、読んでいて気になって仕方がなかった。<br />
　たとえば修学旅行のほかの先生や生徒たちはバスで慌てて逃げたらしいということになっているが、彼らがどうなかったかは最後まで全く触れられない。また坑道内の七人を置き去りにするというのも疑問だし、他の生徒を守るために避難せざるを得なかったとしても、何かメッセージを残すのではないだろうか？<br />
　七人は外に出られるようになってから十数日後、食料を調達し、自動車で移動を開始する。街に出ても人がほとんどいない。缶詰を抱えて威嚇するように唸る女性に遭遇した際、他の人々がどこへ行ったかを聞く。人々が集まっているのは学校だったのだが、そこに人が何人かいるのを確認したものの、彼らには会わずに移動してしまうのが不可思議千万。学校を訪ねて「一体何があったのか？」と質問するのが当然だと思うのだが。<br />
　彼らは故郷の長崎を目指して移動するのだが、有明海が凍りついていることが判明。見知らぬ一人の老人が歩いて渡れると言ったので、ソリを作って（熊本から長崎まで）海を歩いて渡ることにする。なぜわざわざそんな危険を冒すのだろうか。<br />
　氷上でも、視力を失った人々に遭遇し、彼らを熊本側に送るために、女子生徒ふたりと男子生徒ひとりをソリに残して、別行動を取る。これまた、あまりにも危険な判断だ。「生き別れフラグ」が立ちますよ。<br />
　案の定、戻ってみると三人の姿はない。彼らをさらったのは、雲仙に臨時政府を作って勝手に大統領になった国会議員が率いる軍隊（自衛隊の生き残り）だった。自衛官たちがなぜこんな人物に従うのか、全く謎。<br />
　中東に端を発した戦争が世界的に広がって合計で二百発以下の核兵器が使用された、とのことだったが、彼らのいた場所の近傍に投下されたわけではないようだった。気温の低下は「核の冬」が起こったためらしい（カール・セーガンらが「核の冬」を提唱したのが一九八三年なので、それを取り入れたのだろう）。彼らが最後に迎える運命とは……。<br />
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="預言者ミハエルと不思議な新聞" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kitahara1107_2.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『預言者ミハエルと<br/>不思議な新聞』</b></font></div></div>
　著者・江口宣（えぐち・とおる）は長崎在住で、同人誌<strong>「九州文学」</strong>の編集委員でもある作家。被爆地である長崎ゆかりの作家ということで、本叢書への執筆の声がかかったのだろう。ほかの著作に<strong>『預言者ミハエルと不思議な新聞』</strong>
（汐文社／一九九一年）、<strong>『黄金の羽根』</strong>（汐文社／一九九四年）がある。前者は<strong>「児童推理小説」</strong>という叢書の一冊で、確かに少年たちが誘拐事件を解決するのだけれども、不思議な老人がくれた“未来の新聞”が重要な鍵となる（というか、そもそも事件が起こることをその新聞で知る）ので、ＳＦファンタジイでもある。後者はヤマトタケル伝説に材をとった現代ファンタジイ。<br />
　挿画家も、他にもＳＦ関係の仕事をしている人なので簡単に。西村達馬（一九三〇年～）は児童書のイラストを多く担当している童画家。岩崎書店<strong>「ＳＦえどうわ」</strong>の亀山竜樹<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E5%25AE%2587%25E5%25AE%2599%25E6%25B5%25B7%25E3%2581%259E%25E3%2581%258F%25E3%2583%2591%25E3%2583%2597%25E8%2588%25B9%25E9%2595%25B7-%25E3%2581%2582%25E3%2581%259F%25E3%2582%2589%25E3%2581%2597%25E3%2581%2584SF%25E7%25AB%25A5%25E8%25A9%25B1-11-%25E4%25BA%2580%25E5%25B1%25B1-%25E7%25AB%259C%25E6%25A8%25B9%2Fdp%2F4265951112%3Fs%3Dbooks%26ie%3DUTF8%26qid%3D1309500583%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『宇宙海ぞくパプ船長』</strong></a>（一九六九年）及びその新版で挿画を描いている。<br />



　
<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1107-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1107-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京

創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>北原尚彦「実はＳＦ含有率が高かった「原爆児童文学集」（前篇）」――ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ【第12回】（1/2）［2011年6月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1077</id>

    <published>2011-05-27T05:43:04Z</published>
    <updated>2011-06-06T03:08:54Z</updated>

    <summary>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム  正直に言おう。ＳＦが何冊も入っている児童文学叢書なのに、ごく最近までわたしも見落としていたものがある。北原尚彦　naohiko KITAHARA  ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="860 Science Fiction" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font color=brown><b>◆SF古書と生きる。ひそかに人気の古書探求コラム</b><br /></font> 
<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>正直に言おう。ＳＦが何冊も入っている児童文学叢書なのに、ごく最近までわたしも見落としていたものがある。</b></font><br /><br /><font color="brown"><b><font 

style="FONT-SIZE: 1.25em">北原尚彦</font></b>　naohiko KITAHARA</font><br /> 
<hr size=1 color=gray> 
 <p>　</p> 
<p>●これまでの北原尚彦「ＳＦ奇書天外ＲＥＡＣＴ」を読む<br />　【
<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara0911-1.html">第１回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1004-1.html">第２回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1006-1.html">第３回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1008-1.html">第４回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1010-1.html">第５回</a>｜<a href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1012-1.html">第６回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1101-1.html">第７回</a>｜<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html">第８回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1103-1.html">第９回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1104-1.html">第10回</a>｜<a
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1105-1.html">第11回</a>】</p> 
<p>　</p>  
<p>　</p> 
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?

goods_id=3750"><img height="196" alt="ＳＦ奇書天外" hspace="12" 

src="http://www.tsogen.co.jp/web_m/img/03750.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" 

src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" 

/></div></a></div> 

　近年、ジュヴナイルＳＦの古書価の高騰が著しい。もともと子どもの本というものは乱暴に扱われ、持ち主が成長すると捨てられてしまうことが多い。だからこそ、残っていて価値の高いものはレアになるわけだが、最近の児童書の高騰ぶりは特にＳＦとミステリのジャンルにおいて甚だしいのだ。数千円は当たり前、時によっては万単位の値がつくものもある。<br />
　ＳＦの場合、講談社<strong>「少年少女世界科学冒険全集」</strong>や岩崎書店<strong>「ＳＦ少年文庫」</strong>、偕成社<strong>「ＳＦ名作シリーズ」</strong>などのジュヴナイルＳＦ叢書は、叢書そのものがコレクターズ・アイテムと化している（よって、揃いで出るとウン十万円だったり）。<br />
　<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="紀元55年のユートピア" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/kigen55.jpg" vspace="8" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『紀元55年のユートピア』</b></font></div></div>

　だが一方で、オールジャンル的な児童文学全集や、ＳＦではないテーマの児童文学叢書に入っているＳＦは、見落とされている場合がある（必ずしも、ではないが）。<br />
　正直に言おう。ＳＦが何冊も入っている児童文学叢書なのに、ごく最近までわたしも見落としていたものがある。それが今回ご紹介する<strong>「原爆児童文学集」</strong>である。<br />


　気が付いた（というか、ちゃんと認識した）のは、ほんとうについ最近。<a 
href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1102-1.html" target="_blank">第８回</a>で取り上げた田中中尉<strong>『血の叫び』</strong>（つはもの発行所／昭和八年）を見つけたのと同じ、二〇一〇年十二月末の新宿京王百貨店での歳末古書市のことだ。<br />
　児童書ばかりの棚があったので、何かないかと眺めていたら、梅原賢二
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E7%25B4%2580%25E5%2585%258355%25E5%25B9%25B4%25E3%2581%25AE%25E3%2583%25A6%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2588%25E3%2583%2594%25E3%2582%25A2-%25E5%258E%259F%25E7%2588%2586%25E5%2585%2590%25E7%25AB%25A5%25E6%2596%2587%25E5%25AD%25A6%25E9%259B%2586-14-%25E6%25A2%2585%25E5%258E%259F-%25E8%25B3%25A2%25E4%25BA%258C%2Fdp%2F4811370139%3Fs%3Dbooks%26ie%3DUTF8%26qid%3D1306719008%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『紀元55年のユートピア』</strong></a>（汐文社／一九八五年）という本が目に留まった。ちょっと気になるタイトルではないか。「紀元55年」って、宇宙世紀みたいなもの？　西暦だとずいぶんと昔の話になってしまうし。でも「ユートピア」って便利な言葉だから、そう銘打たれていてもＳＦとは限らないんだよなあ……と思いつつも、やはり手に取って確認した。ぱらぱらっと読んでみると、どうやらＳＦらしい。<strong>「原爆児童文学集」</strong>の一冊で、同じ叢書の本が何冊か並んでいたが、ＳＦらしきタイトルはこれのみだった。さほど高いわけでもなかったので、買っておくことに決めた。第８回の文中で「とりあえず、（見つけた<strong>〈つはもの叢書〉</strong>を）全部掴んだまま残りの会場を見て回ることにする。児童書のＳＦを一冊追加。」とあったのは、本書のことだったのであります。<br />

　帰宅後に、さっそく確認。カバー袖の<strong>「原爆児童文学集」</strong>ラインナップをつらつら眺めてみると、他にもＳＦらしきタイトルが何冊かある。北川幸比古<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E6%2596%25B0%25E7%2599%25BA%25E8%25A6%258B-%25E5%25B9%25B3%25E5%2592%258C%25E3%2582%25BB%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25BF%25E3%2582%25AF%25E3%2582%25AD-%25E5%258E%259F%25E7%2588%2586%25E5%2585%2590%25E7%25AB%25A5%25E6%2596%2587%25E5%25AD%25A6%25E9%259B%2586-10-%25E5%25B9%25B8%25E6%25AF%2594%25E5%258F%25A4%2Fdp%2F4811370090%3Fs%3Dbooks%26ie%3DUTF8%26qid%3D1306720175%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『新発見　平和センタクキ』</strong></a>など、タイトルも作者も怪しい。<br />
　それらは見かけた覚えはないけれども、もしかしたら見逃したのかも、と気になって仕方がない。ちょうど翌日も新宿へ出る用事があったので、またしても京王百貨店の古書市へ行くことに。<br />
　<strong>「原爆児童文学集」</strong>のあった棚はどこだったかいな……と探す。もしも全部売れてしまっていたらアウトだが。会場が広いために時間はかかったが、無事に見つけることができた。とはいえ、やはり全巻はなく、ＳＦらしいとめぼしをつけたタイトルは見当たらない。<br />
　<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="地下別荘(シェルター)の十日間" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/chikabesso.jpg" vspace="8" border="1" /> <div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『地下別荘(シェルター)の</br>十日間』</b></font></div></div>


　しかし会場内を探し回ったおかげで、少し離れた別の店の棚にも、<strong>「原爆児童文学集」</strong>が何冊かあることに気が付いた。前日には、完全に見落としていたものだ。その中で、桜井信夫<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E5%259C%25B0%25E4%25B8%258B%25E5%2588%25A5%25E8%258D%2598-%25E3%2582%25B7%25E3%2582%25A8%25E3%2583%25AB%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25BC-%25E3%2581%25AE%25E5%258D%2581%25E6%2597%25A5%25E9%2596%2593-%25E5%258E%259F%25E7%2588%2586%25E5%2585%2590%25E7%25AB%25A5%25E6%2596%2587%25E5%25AD%25A6%25E9%259B%2586-27%2Fdp%2F4811370260%3Fs%3Dbooks%26ie%3DUTF8%26qid%3D1306720742%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『地下別荘(シェルター)の十日間』</strong></a>という本が目に付いた。これまたＳＦの可能性大なタイトルではないか。とはいえ、核シェルターは現実に存在するものだから、ただシェルターを作りましたとかいうだけの話だと、ＳＦにならない。果たして……と中身を確認すると、実際にシェルターの中で生活している記述がある。いやいや、シェルターに入ったけど空騒ぎでした、というパターンもあり得るぞ……と更に確認すると、どうやら本当に核戦争が起こっている模様。うむ、これなら確かにＳＦだ、と購入決定。<br />
　余談だが、ついでに会場全体をもう一度チェックしたところ、足元の箱の中に学年誌付録文庫のＳＦを発見。おお、初日は混雑していたから、ここまで気が付かなかった。もう一回来て、やっぱり良かった。<br />
　さて。手に入れた二冊と、古本市会場にあった何冊かはチェックしたものの、やはり<strong>「原爆児童文学集」</strong>の全体像を把握しないことには始まらない。調べたところ、近所の図書館の書庫に揃っていることが判明。<br />
　そこで時間のある際に図書館を訪ね、受付に頼んで全巻を出してきてもらった。全部で三十冊と結構な量なので、カート式の移動棚（図書館で返却済みの本などが置かれているやつ）に乗せられて、がらがらと運ばれてきた。ありがたいことに、その移動棚ごと貸してくれるという。というわけで、移動棚を自分で運んで、読書席へ。こんなの、初めてですよ。<br />
　で、片っ端から内容や奥付を確認していく。二十巻までが第一期で、三十巻までの十冊が第二期。第一巻から二十四巻までが一九八五年刊行、二十五巻以降が一九八六年刊行で、「ヒロシマ・ナガサキ 被爆40年特別企画」と銘打たれている。<br/>
　結論から言うと、第一期二十冊のうち第十巻から十四巻までの五冊がＳＦなのだ。巻数が連続していることからしても、「ここの五冊はＳＦの部」と決めてあったのだろう。そして第二期の第二十七巻もＳＦ。合計して三十冊中、六冊がＳＦ。なかなかのＳＦ含有率ではないか。<br />
　<div style="FLOAT: right; WIDTH: 160px"><img width="140" alt="新発見 平和センタクキ" hspace="8" src="http://www.webmysteries.jp/heiwasentakuki.jpg" vspace="8" border="1" /> <div style="TEXT-ALIGN: center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em" color="brown"><b>『新発見 </br>平和センタクキ』</b></font></div></div>



　その日から、児童書専門古書店やネット上の古書店で、未入手のＳＦの巻を探す日々が続いた。正直に告白すると、最終的に手に入れられず、借りた物もあります。<br />
　ではいよいよ、順番に内容を紹介していくことにしよう。第十巻は<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html?ie=UTF8&location=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E6%2596%25B0%25E7%2599%25BA%25E8%25A6%258B-%25E5%25B9%25B3%25E5%2592%258C%25E3%2582%25BB%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25BF%25E3%2582%25AF%25E3%2582%25AD-%25E5%258E%259F%25E7%2588%2586%25E5%2585%2590%25E7%25AB%25A5%25E6%2596%2587%25E5%25AD%25A6%25E9%259B%2586-10-%25E5%25B9%25B8%25E6%25AF%2594%25E5%258F%25A4%2Fdp%2F4811370090%3Fie%3DUTF8%26s%3Dbooks%26qid%3D1306721912%26sr%3D1-1&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211 "target="_blank"><strong>『新発見 平和センタクキ』</strong></a>（北川幸比古）。主人公のたけるくん（小学三年生）は、「どっちがいい？」などと聞かれても、なかなか決断できない性格。そんな彼の前に「センタクキ」なる謎の金属箱が現われる。いや、正確には彼の前ではなくて「後ろ」だ。気が付くと、たけるくんの背後に浮かんでついてきたのだから。<br />
　センタクキの外観は、オーディオのチューナーか小型のコンピューターみたいだった。そしてセンタクキは、たけるくんの代わりに決断を下してくれるという。つまり「洗濯機」ではなく「選択機」だったのだ。……ダジャレですか。<br />
　時代は現代かと思って読んでいると、「まだ二十世紀のころ、日本が昭和という年号をつかっていたころ」が、昔の出来事として語られる。おっと、未来の話だったのか！　さらに後の記述では、ヒロシマ・ナガサキの被爆から四十年（＝一九八五年）に核兵器が廃絶され、それから更に四十年がたったという。とすると二〇二五年なのか。少なくとも前半は、背景に未来感をほとんど感じられないのだけれど。<br />
　表紙こそ星や宇宙ロケットを背景にして宇宙遊泳をしている少年少女とセンタクキが描かれているが、作中にこのようなシーンは全くない。<br />
　センタクキはたけるくんだけでなく、友人や家族、そのまた友人などに代わって“選択”をしてくれるようになった。人々が、どんどんたけるくんの家に集まってきた。<br />
　しかし、ある人物が、宇宙生物の侵略を抑止するためには再び核兵器を持つべきか、と質問したのに対して、センタクキが核兵器禁止のままだと地球は侵略されることになる、と回答したことから、騒ぎが大きくなる。センタクキに対する調査が行われるが、Ｘ線でも超音波でも、中身を確認することはできなかった。やがてセンタクキの目的と（推測ですが）正体が明らかになるのだが……次のパートでネタバレしますので、ご注意。<br />
【以下ネタバレ】<br />
<font color="white">　センタクキの中から出てきたのは機械ではなく、脳みそのような灰色のかたまりだった。以前、核兵器で平和が守れると信じた核兵器好きの政治家が脳だけで生きていける手術を受け、頭蓋骨を取り除いて普通の脳より大きく強力になる処置を受けていた。それこそがセンタクキの正体だった（らしい）のだ。そしてたけるくんを利用して、世界全体を核再武装に誘導しようとしていたのだった。<br />
　――脳みそだけになって生きている上に、四角い箱に入って浮んで移動するので、『キャプテン・フューチャー』のサイモン・ライト博士みたいな感じだったのである。<br />
　それだけの能力を持っているなら、たけるくんを利用するなんて回りくどいことをせずとも核兵器を再推進させることができたと思うが、まあ、それを言ったらこの物語自体が成立しなくなるので、よしとしましょう。</font><br />
【ネタバレ終了】<br />

　というわけで、未来感の薄さなど惜しい点はあるものの、ＳＦとしての設定をきちんと生かした作品となっている。<br />

　
<ul class="pageNavi"> 
<li class="caption">続きを読む……</li> 
<li><a class="current" href="http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1106-1.html">1</a></li> 
<li><a href="http://www.webmysteries.jp/sf/page/kitahara1106-2.html">2</a></li> 
</ul> 
<br /> 
 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-9163377793766562";
/* 336x280, 作成済み 09/08/08 */
google_ad_slot = "1674558859";
google_ad_width = 336;
google_ad_height = 280;
//-->
</script> 
<script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> 
</script> 
<!-- グーグルアドセンス・本の話題用フッタ --> 
<br /> 
<a href="http://www.webmysteries.jp/">ＳＦ小説のウェブマガジン｜Webミステリーズ！　東京

創元社</a>
]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

</feed>


